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24 ミレニア王国の終焉(他視点)
ミレニア王国の王宮の近衛騎士団副隊長のパーシーは語った。
ミリアが追放される途中の警備隊の各詰め所や国境の関所で祈りを捧げ治癒まで施していたこと、大結界の維持のために祈っていると他のことに気が回らないということ、更に、
「ミリア様は国を出る最後までミレニア王国のために祈りを捧げておられました。だから、王国を出られた直ぐはモンスター達の侵入を防いでいたのだと思われます」
「あんな平民如きが……」
ヘンリー王太子はまだ認めたくなくて見苦しく地団駄を踏んで叫んでいた。
「それに……」
「まだあるのか?!」
「ミリア様が泊まられた警備隊の詰め所も祈りを込めてくださったので、様子を尋ねるとそこもモンスターからの攻撃を免れております。今や陸の孤島でありますが、周囲の者はそこに逃げ込んで難を逃れています。彼女こそ紛れもない真の聖女様なのです。見返りを求めず常に我々の為にと祈る姿はまさしく女神様が遣わした聖女様でありました!」
そこまで言うとパーシーはサマンサを見遣やった。その視線の強さにサマンサは震えあがった。そして、ことの重大さにやっと気がついた。
そして次にパーシーはヘンリー王太子を見上げて睨みつけた。
ここで不敬罪として処分されても構わない気持ちだった。もうすでにパーシーは辞表を出してあったのだ。
パーシーのその睨みにとうとうヘンリー王太子も最後の意地が崩れ、へなへなとその場で座り込んでしまった。
国王がそれを見てやっと声を張り上げた。
「せ、聖女ミリアを探して連れ戻せ!」
だが、誰もそれに従おうとしなかった。
城の外では間近に聞こえる獰猛なモンスター達の咆哮。
外に出るということは間違いなくそれらと戦わなければならない。もうそこまでモンスターのまるで高らかに勝利を歌うような咆哮が響いていたのだ。
今まで聖女の大結界に守られ戦闘など碌にしたことのない兵士達は既に何人も喰われ、残ったものも尻込みしていた。その中でパーシーだけは再び立ち上がった。
国王達がほっと安堵の表情を見せた。だが――、
「私はもう王国の指示には従いません。辞表を出させていただきました。今の私は自由の身です」
「なんだと?!」
国王と周囲から悲鳴が上がったが、パーシーは背を向けて玉座の間を去った。
パーシーが城門までいくと目前にあるのは逃げ惑う人々を襲うモンスターの群れ。
パーシーは剣を構えて歩き始めた。目指すはほのかに光が差す方向へと。
「――辞表を受け取る上司は既にモンスター達の腹の中だったな。ではさて、ミリア様をお探しして参ろうか……」
パーシーが出て暫くしてから我に返った王とヘンリー王太子は叫んだ。
「ええい! サマンサ以外の聖女見習いにでも結界を張らせるのじゃ!」
「サマンサも連れて行って責任を取らせろ!」
サマンサは逃げ出そうとしていたところを兵士達に捉えられて再び神殿に戻ることになった。
「どんなことをしても再び大結界を張り直せ!」
国王が叫んだ。だがその声は王宮の玉座の間の扉がモンスター達の攻撃に叩き割られた音でかき消されてしまった。
「あわわ……」
モンスターの突入に逃げ惑う兵士達。
「ええい。王の私を守らんか!」
国王の声に誰も従おうとしない。そればかりか目立つ位置に豪華な玉座に座っていた国王を目掛けてモンスター達は襲い掛かっていった。
醜い断末魔が響いてミレニア王国の王はモンスターに……。
そして、隠し通路から大神殿に戻ることになったヘンリー王太子はサマンサや神殿長を連れていたが、女神の間の手前でやはりモンスター達に襲われた。ヘンリー王太子は自分の身代わりにサマンサと神官長をモンスターの群れに突き飛ばした。
「きゃぁぁぁ! ヘンリー様! いやぁぁ。助け……」
「王太子様! そんな! お助け……、ぎゃぁぁぁ」
「……私が生き残らないとミレニア王国はどうなるのだ。許せ。サマンサ。神殿長……」
モンスターの群れが神殿長やサマンサ、兵士達を襲っている間にヘンリー王太子は再び王宮へと隠し通路を通って戻った。しかし、そこでも既にモンスター達に襲われて王と王妃や高位貴族達も既に息絶えていた……。
「くそう! これもミリアとかいう平民のせいだ! 私は悪くない! 全てはあの平民がもたらしたものだ。あやつめを見つけて結界を張り直させて……」
そうしてヘンリー王太子は……、既に国が滅亡したので王太子と呼べないが、ミリアを探そうと王宮を出た。
モンスターの襲来も多くの人々の被害を出して一旦落ち着いた様子を取り戻していた。最早ミレニア王国の王都に人影はない、街並みも無残に破壊されていた。
その瓦礫と化したミレニア王国を眺めてヘンリーは呆然となった。
「こんな、これがあのミレニア王国なのか? 女神が祝福されたもうたと誉め称えられていた。いいや、私は認めない! ミリアを連れ戻して王国を再興するのだ……」
そうして、ところどころ光が差して見える方向を目指してヘンリーは歩き出した。
ミリアが追放される途中の警備隊の各詰め所や国境の関所で祈りを捧げ治癒まで施していたこと、大結界の維持のために祈っていると他のことに気が回らないということ、更に、
「ミリア様は国を出る最後までミレニア王国のために祈りを捧げておられました。だから、王国を出られた直ぐはモンスター達の侵入を防いでいたのだと思われます」
「あんな平民如きが……」
ヘンリー王太子はまだ認めたくなくて見苦しく地団駄を踏んで叫んでいた。
「それに……」
「まだあるのか?!」
「ミリア様が泊まられた警備隊の詰め所も祈りを込めてくださったので、様子を尋ねるとそこもモンスターからの攻撃を免れております。今や陸の孤島でありますが、周囲の者はそこに逃げ込んで難を逃れています。彼女こそ紛れもない真の聖女様なのです。見返りを求めず常に我々の為にと祈る姿はまさしく女神様が遣わした聖女様でありました!」
そこまで言うとパーシーはサマンサを見遣やった。その視線の強さにサマンサは震えあがった。そして、ことの重大さにやっと気がついた。
そして次にパーシーはヘンリー王太子を見上げて睨みつけた。
ここで不敬罪として処分されても構わない気持ちだった。もうすでにパーシーは辞表を出してあったのだ。
パーシーのその睨みにとうとうヘンリー王太子も最後の意地が崩れ、へなへなとその場で座り込んでしまった。
国王がそれを見てやっと声を張り上げた。
「せ、聖女ミリアを探して連れ戻せ!」
だが、誰もそれに従おうとしなかった。
城の外では間近に聞こえる獰猛なモンスター達の咆哮。
外に出るということは間違いなくそれらと戦わなければならない。もうそこまでモンスターのまるで高らかに勝利を歌うような咆哮が響いていたのだ。
今まで聖女の大結界に守られ戦闘など碌にしたことのない兵士達は既に何人も喰われ、残ったものも尻込みしていた。その中でパーシーだけは再び立ち上がった。
国王達がほっと安堵の表情を見せた。だが――、
「私はもう王国の指示には従いません。辞表を出させていただきました。今の私は自由の身です」
「なんだと?!」
国王と周囲から悲鳴が上がったが、パーシーは背を向けて玉座の間を去った。
パーシーが城門までいくと目前にあるのは逃げ惑う人々を襲うモンスターの群れ。
パーシーは剣を構えて歩き始めた。目指すはほのかに光が差す方向へと。
「――辞表を受け取る上司は既にモンスター達の腹の中だったな。ではさて、ミリア様をお探しして参ろうか……」
パーシーが出て暫くしてから我に返った王とヘンリー王太子は叫んだ。
「ええい! サマンサ以外の聖女見習いにでも結界を張らせるのじゃ!」
「サマンサも連れて行って責任を取らせろ!」
サマンサは逃げ出そうとしていたところを兵士達に捉えられて再び神殿に戻ることになった。
「どんなことをしても再び大結界を張り直せ!」
国王が叫んだ。だがその声は王宮の玉座の間の扉がモンスター達の攻撃に叩き割られた音でかき消されてしまった。
「あわわ……」
モンスターの突入に逃げ惑う兵士達。
「ええい。王の私を守らんか!」
国王の声に誰も従おうとしない。そればかりか目立つ位置に豪華な玉座に座っていた国王を目掛けてモンスター達は襲い掛かっていった。
醜い断末魔が響いてミレニア王国の王はモンスターに……。
そして、隠し通路から大神殿に戻ることになったヘンリー王太子はサマンサや神殿長を連れていたが、女神の間の手前でやはりモンスター達に襲われた。ヘンリー王太子は自分の身代わりにサマンサと神官長をモンスターの群れに突き飛ばした。
「きゃぁぁぁ! ヘンリー様! いやぁぁ。助け……」
「王太子様! そんな! お助け……、ぎゃぁぁぁ」
「……私が生き残らないとミレニア王国はどうなるのだ。許せ。サマンサ。神殿長……」
モンスターの群れが神殿長やサマンサ、兵士達を襲っている間にヘンリー王太子は再び王宮へと隠し通路を通って戻った。しかし、そこでも既にモンスター達に襲われて王と王妃や高位貴族達も既に息絶えていた……。
「くそう! これもミリアとかいう平民のせいだ! 私は悪くない! 全てはあの平民がもたらしたものだ。あやつめを見つけて結界を張り直させて……」
そうしてヘンリー王太子は……、既に国が滅亡したので王太子と呼べないが、ミリアを探そうと王宮を出た。
モンスターの襲来も多くの人々の被害を出して一旦落ち着いた様子を取り戻していた。最早ミレニア王国の王都に人影はない、街並みも無残に破壊されていた。
その瓦礫と化したミレニア王国を眺めてヘンリーは呆然となった。
「こんな、これがあのミレニア王国なのか? 女神が祝福されたもうたと誉め称えられていた。いいや、私は認めない! ミリアを連れ戻して王国を再興するのだ……」
そうして、ところどころ光が差して見える方向を目指してヘンリーは歩き出した。
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