綺麗で美しい自分になれたなら

nam

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綺麗で美しくなれたなら

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私は醜い。
形容し難い程に醜い。
周りの人からの視線が集まらないほどに醜い。
ある日私の前に薬が現れた。
美しくなる薬
と書いてあった。
醜い私は藁にもすがる気持ちで飲んだ。
激しく顔が痛み出した。
身体が焼けるように熱くなった。
痛みに耐えきれず私は失神した。
太陽が部屋に差し込み始めた頃私は目覚めた。
自分が美しくなったと感じた。
自分の醜さに耐えきれず割ったガラスを捨て、新しく買い直した。
美しくなった自分をさらに美しくするために化粧品を買った。
新しく買ったガラスを見て自分の美しさに驚きながら、化粧によってさらに美しくなった自分に嬉しさを覚えた。
自分を着飾るために銀座に行った。
途中の電車で視線が自分に集まっているのを感じた。
かわいい服を買い、綺麗なネックレスを買い、自分を着飾って楽しみを覚えた。
美容室に行き髪を整えた。
いつも見たいに1000円カットで今の私を整えるのは難しいと感じたからだ。
心做しか世界が明るく、視線が高くなった気がした。
翌日、職場に行くといつものように口説いてくる男が寄ってきた。
「いつも通りかわいいね!あれれ?化粧してる?ネックレスつけてる?かわいすぎー!!!」
いつもうるさいヤツめ
しかし何故か嬉しく感じ、にやけてしまった。
「ありがとうございます」
「ひゃー、天使の笑みだ」
彼は嬉しそうな顔をしながら自分のデスクに行った。
今日は何故か職場でも視線を感じた。
自分の美しさに自惚れた。
自惚れてしまったのだ。
いつもならしない、自惚れをしたのだ。
しかし、その自惚れも楽しく感じた。
美しいと言う言葉が自分にふさわしいとまで思った。
家に帰って昔に撮った自撮りと自分の今の顔を鏡の前で比べてみて驚いた。
全く同じだったのだ。
化粧をしている以外は、驚いて何も言えなくなった。
私の目が壊れたのかとまで思った。
しかし、いくら見直しても同じだ。
その時私は理解した。
自らを嫌っている時には自分を醜く思い。
自らを好きになっている時は自分が綺麗に見えるのだと。
実は理解していた。
あの薬は単なる酒だったという事を。
あの焼けただれるような感覚は酒が回っていただけだと言うことを。
でも、理解したくなかっただけなのだ、ただそれだけ。
そう、それだけ
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