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第五章 愛のカタチ

(40)愛のカタチ その1

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 シャワーの流れる音が止まり、浴室のすりガラスのドアの向こうから淫靡な音が聞こえ始める。

 くちゅっ、くちゅっ、クチュっ、ちゅっ、じゅるっ、ちゅっ、じゅるっ……

「ん……、ん……、んむぅ、んっ……」

 洗い場にふたつの人影。向かい合って立つ男女。

 お互いの舌を絡ませ合いながら淫靡な音を立て続ける。

 男は左腕を女の腰に回して引き寄せると、女は男の肩を右腕で掴みながら左腕を男の股間に伸ばし、硬く漲った淫茎を優しく指に絡ませる。

 腰をいやらしく動かしながらふたりはいお互いの舌を絡ませて求め合う。

 男は右腕で女の左の乳房を探り、豊かな胸を手のひらで持ち上げるように優しく掴み、下から回すように揉み上げる。

「んっ……、んむっ……、んんっ」

 漲りきった淫茎の高まりが最高になると、男は舌を離し、女を見つめる。女と男の口元からぽたっと唾液が洩れ、女の胸元に落ちてぴちゃっと音を立てる。

「うふふっ」

 女は優しく微笑み、腰を落として男の股間に顔を埋める。

「すごい、こんなに……。あぁーむっ、んんんっ」

 女は漲って充血した猛りを見つめるやいなや、大きく口を開け根元まで一気に頬張る。口内で唾液を貯めながら舌を茎に絡ませ、頭部全体を激しく回すように動かしながら愛おしむように淫茎全体に刺激を与える。

「はぁ、はぁ……。すごいよ、愛子……。んんっ、いい……」

 愛子は克也の方を咥えながら見上げると、そのまま頭を上下にゆっくり振り、ストロークを始める。

「んっ、ん……、んっ……」

 口内で舌が裏筋を刺激し続け、鈴口を舌先でチロチロされると、陰嚢が上昇し、放出の準備をはじめる。

「愛子、イクよ……、んんっ、いくっっ!!」

 一気に裏筋をかけ昇って白い液体が充血しきった亀頭の先から放出される。

 どぴゅっ、どぴゅっ、どくどくっ、どぴゅうっ……

「んんんんっ!」

 愛子の喉奥に精液が勢い良く当たる。

 四度、五度と放出を繰り返し、落ち着くと克也はゆっくりと愛子の口から陰茎を抜く。

「んっ……、んん……、ごくっ」

 口を閉じて顎を上げ、愛子は放出された液を喉を鳴らして飲み込む。顎を下げて体内に吸収したのを確認するように頷くと、克也に向かって顔を上げ、笑顔で舌を出す。

「えへへ。飲んだよっ」

 克也はゆっくりと愛子の腰を持って立たせ、見つめながら唇を求める。

「んんっ、ん……」

 舌を絡ませ合いながらふたりは求め合う。

 クチュっ、じゅるっ、じゅるっ、ちゅっ、じゅるっ……

 口を離し、肩で息をしながらふたりは見つめ合う。

「はぁ、はぁ……。そろそろ、あがろっか……」

 半分のぼせ気味の愛子が脱衣場へ克也を促した。


 軽くシャワーを浴び直し、浴室を出たふたりはお互いの身体をバスタオルで拭きながら話す。

「愛子すごいよ。びっくりした」

 今まで味わったことのないテクニックを味わって克也が感想を述べる。

「えへへ……。まだまだすごいよぉ。真奈美さんや優菜に負けてないもん、私」

 愛子は笑顔で答える。

「楽しみだな」

 克也は始まったばかりの長い夜のこれからに期待を膨らませていた。
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