恋愛甲子園

野球馬鹿

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サイレン

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 高校に入って一目君を見た時からずっと憧れていた。
そんな君と初めてようやく面と向かって話をすることができた。
体の中で何か高鳴りを感じた。
それと同時に甲子園のサイレンが鳴った気がした、、、僕の夏が始まった。
 
 しかしその夏は一瞬にして終わりを告げる。
相手は伝統も実力も兼ね備えた強豪校だった。
ただでさえ勝ち目のない相手であるにも関わらず、僕はこの舞台に立てたことに慢心して相手の情報収集や対策を練ることを怠ったのだ。
決着はサイレンが鳴る前から決まっていたようだ。僕は手を出すことさえできず完全試合を決められた。大敗を喫した。
ゲームセットのサイレンは開始のサイレンよりも大きな音で僕の中に響いた。

 何もできなかった自分、そして何もしなかった自分に腹が立ち悔しい気持ちでいっぱいになった。
次こそは。と心に誓いながら砂を集め、思いを込めた砂とともに大舞台を後にした。
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