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第1話

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 ○暦2071年 3月24日、、、、、



「さて、まずは何処から話そうか。」


とあるバーの一室で、俺は呟く。

********



皆は、超能力に憧れたことがあるかな?

俺はあるね。 

物を飛ばしてみたい。 物体を変形させたい。 ある力に目覚めたい。

欲望は人それぞれだ。

そして、今から話すのは、ちょっと変わったお話だ。






それは、俺が高校を卒業した時のこと。

俺は、親に捨てられた。  学力が低い。運動ができない。

そうでは無い。 運動も勉強も頑張ってきたはずだ。ルックスを高いことあって、かなりの女子から告白を受けて来た。 親もかなり褒めてくれた。

高校生活では常にトップの座に降り、皆から慕われていた。

ただ、今思うと、全てが揃っていたからかなり傲慢だったのだ。

その時期は、かなり遅い反抗期ともあって、親の言うことは余りきいていなかった。むしろ反抗していた時期だった。

そしたら 捨てられたのだ。

俺が完璧だったから 親も傲慢になっていったのだろう。

なんてことを考えながら、街の道路をさまようように歩いていた俺は、路地裏で怪しいものを見た。

覗き込むと、何やら怪しい声が聞こえた。


「こんな夜中なら誰も見えていないだろう。早く、例のものをやれ。」

「はいはいわかってますよjさん。渡せば良いんでしょ渡せば。」

「分かってるじゃないかお前。とにかく早くくれ。」


…これはヤバイものを見てしまったな。見つかる前にずらかろっと。


 ガサッ


「「誰だ!」」


あっヤバっ見つかった!  ヤバイ!逃げないと!

俺は一目散に逃げ出した。 ただ、逃げることだけを考えた。

此処は訳あって一本道だ。あそこの他に路地裏なんかない。


「チッ ガキか。 見られたからには殺るしかねぇ。」


  カチャッ

俺は逃げて逃げて、逃げた。しかし


  バンッ

撃たれた。

この日、この大都会で一発の無駄に大きな銃声が鳴った。

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