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第十四章 縊鬼(くびれおに)の書
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キョウコツは連れ去られたリンムを助けるため、ノエとシスイを退けると閉じられた天井の隠し扉を何度も殴りあげた。
だが、その扉は鉄板でも入ってるかのように固く、下からは開けることが叶わなかった。
「くっ……なんで木製じゃねーんだよ!」
キョウコツは拳を握って吠えている。
「このままでは埒が明かない。どこかに他の出入り口があるはずだ。とにかく先に進んでリンムを探そう」
シスイの言葉に他の二人は頷き先を急いだ。
謎の黒装束はリンムの口元を押さえて小脇に抱えると、そのままどこかへ向かって走り出した。
リンムは何度か暴れて逃げようとしてみたが、ここがどこで、どうやって逃げたらいいのか検討もつかないためすぐに諦めて大人しくなった。
しばらく二人が暗い隠し通路を上に下にと進んでいると、どこかで黒装束は立ち止まり、足元の隠し扉を開け広い部屋に降りた。
「ここは、天守閣……?」
無骨な木材で重厚に造り上げられた部屋は城内でも高い場所にあるらしく、小さな窓から見える空が近い。
室内には先程リンムたちを襲ってきた黒装束たちが並び、誘拐犯の黒装束に向かって膝をついていた。
男の脇から降ろされたリンムは警戒しながら黒装束の隣に立った。
すると、隣の男までが膝をついて、リンムの方へ向いたのだ。
「あなたのずっと帰りをお待ちしておりました、クロハ様」
そう言って、リンムを連れてきた黒装束は自らの頭巾を取り去った。
リンムは彼の素顔が前世で大変見覚えあるものだったことに気付き、大声を出してのけぞった。
「その顔、まさかカエデ兄様!?」
「ええ、あなたに命を救われたカエデでございます」
リンムは膝をつくカエデの姿に懐かしさを感じながらも、他に並ぶ黒装束の男たちを見渡した。
「ということは、他の者達は……」
「みな花忍の生き残り達です。クロハ様、これを」
まさか花忍がこんなところにいたとはと驚いているクロハに、カエデは何枚かの紙の束を懐から差し出した。
その紙の表紙には、美しい文字で「クロハへ」と書かれている。
「花長からクロハ様へ宛てた手紙でございます」
「手紙……?」
クロハは早速その手紙を捲くって読みだした。
ある日、ツバメは一人の子供を引き取った。
彼の名はクロハ。
彼の両親は先の任務で失敗を犯し、風長とツバメの手で処刑されたのだ。
突然両親を失った子供を不憫に思ったツバメは、すぐに彼を迎えに行って子供の居ない自身の跡継ぎとするために育て始めた。
クロハは大変美しい子供であった。
その傾国とも言える笑顔に、ツバメは時々胸が疼くような思いをした。
次第にただの幼い稚児から危うい色気をまとった少年へと成長していくクロハに、風長は目をつけたのだ。
風長に呼び出されたツバメは、クロハに房中術を仕込むよう命令を受けた。
まだ成長しきっていない幼さを残す少年に、ツバメは徹底的な調教を施した。
少しでも快楽を好むように、今後彼が苦しむことがないようにと。
クロハが殿の暗殺に失敗した数日後、花の里に四通の手紙が届いた。
ひとつめは婀国から。
宰相が今後について話したいという内容であった。
ふたつめは月の里から。
中身は月忍シスイの花嫁としてクロハを里に迎えたいという内容だった。
みっつめは波の里から。
クロハの正体は知っている。今後、四里同盟は花の里と敵対関係になるだろうという脅しの手紙だった。
よっつめは風の里から。
早急にクロハを処分するように。それだけが書かれていた。
ツバメは月の里からの手紙を持って、クロハの部屋を訪れた。
クロハとシスイの関係は知っていた。
先日も、シスイはわざわざ花の里まで訪れてクロハに会いに来た。
ツバメは、クロハは彼を都合のいい男くらいに思って、使ってやっているだけだと思っていた。
クロハは誰のものにもならず、一生ずっと花の里でツバメと暮らしていくのだと信じていた。
だが、クロハにその手紙を渡すと自身の考え違いに気がついた。
クロハは受け取った手紙を大事そうに読んで、ツバメに向かって「ありがとうございます」と言った。
「こんな手紙寄越すなんて、バカなやつですよね」
クロハの心底嬉しそうな笑顔を見たのは久しぶりだった。
いじらしく笑う彼の姿に、ツバメは腹の奥から何かが溢れそうだった。
かわいいクロハ。
ずっと大事に育ててきた自分の息子。
彼のことならなんでも理解できていると思っていた。
彼がもっとも愛するのは花の里でありツバメであると信じていた。
だが、それは単なる幻想だったのだ。
「クロハ、本当のことを言いなさい。お前は花の里を捨て、私を捨て、愛する男の元へ行きたいのだろう」
「何を言っているのですか父上」
心の内側から黒い靄が広がっていく。
ツバメは必死に自分の感情を抑え込もうとするが、ドロドロとしたものは絶え間なく身内を駆け巡り、否応なく彼の理性を消し去っていった。
「私はお前を誰にも渡したくない。ずっと部屋に閉じ込めて、私以外居ない世界で永遠に愛し合いたい」
ツバメはクロハを床に押し倒し、彼の着物を乱した。
不安げに揺らぐクロハの赤い瞳を見つめていると、ツバメは初めてクロハを犯した時のことを思い出した。
ある夜、まだ幼さの残る少年だったクロハがツバメの私室にやってきた。
「父様、クロハです」
「入りなさい」
なにか呼び出されるようなことをしたのだろうかと不安げな顔で見上げてくる少年を、ツバメは歓迎して中に入れた。
そのままクロハの手を取り、彼を布団の上に横たえた。
「どうかしたのですか」
促されるまま布団に寝転んだクロハにツバメは微笑むと、そっと彼の薄い腹を撫でた。
クロハは無防備に裾から少年の細い足を覗かせ、くすぐったそうに笑っている。
「今夜から、お前には房中術の指導を始める」
「房中術……?」
「腹の中を使った忍術だ。房中術を会得すれば、お前はさらに強力な忍となるはずだ」
「それは真ですか! 早く僕にその忍術を授けてください」
目を輝かせる少年の額に口づけて、ツバメは彼の着物をゆっくりと脱がせた。
「父様? なぜ服を脱がせるのですか」
「裸のほうが会得しやすい」
ツバメは居心地悪そうにもじもじしているクロハの着物をすべて脱がせて彼の両足を開かせた。
まだ精通も来ていない可愛らしい少年のものを持ち上げ、彼の蕾に媚薬の入った潤滑油を垂らした。
驚いたように足をばたつかせるクロハを押さえつけてツバメは言った。
「怪我をしたくなければ大人しくしていろ。絶対に痛くはしない。……父様を信じろ」
クロハは両手を胸の前で組んで、耐えるような表情で自分から足を開いた。
「お願いします、続けてください」
ツバメは頷いて、クロハの濡れた蕾の中に小指をゆっくりと突き入れた。
その日は小指で何時間も中を慣らして訓練を終えた。
翌日は指を三本入れるところまで慣らした。
クロハは痛みを感じていないようだったが、快楽も感じていないようでひたすら違和感を耐えていた。
そのまた翌日、ツバメの手のひらをすべてクロハの中に入れてみせた。
「クロハ、わかるか? ここに私の手がすべてはいっている」
ツバメは入れていない方の手でクロハの手を取り、二人の結合部を撫でさせた。
「なんだか不思議な感じです。父様の大きな手が僕の中に入るなんて」
「この分だと腕も入るだろう」
ツバメはそう言ってゆっくりとクロハの中に腕を進めようとした。
だが、クロハはそれを慌てて引き止めた。
「待ってください父様! そんなことをしたら、僕のお尻は壊れてしまいます!」
「壊れることはないが……」
クロハは体内を太い腕で犯される恐怖に足をガタガタと震わせていた。
これが彼の限界かもしれない。
そう思ったツバメは新しい提案をした。
「ならば方法を変えよう。腕ではなく、私の魔羅を使うのだ。そのほうがお前も安心するだろう」
「父様の魔羅……?」
ツバメは自身の着物を崩すと、固く頭を擡げた肉棒を取り出しクロハに見せた。
「これをお前の中に入れるのだ」
クロハはその見たこともないほど大きく膨らんだツバメの肉棒と、彼の鍛え上げられた腕を見比べて、散々悩んだ末に肉棒の方に手を向けた。
「うぅ……父様の魔羅を僕の中に入れてください」
「ああ、可愛いクロハ。たっぷり私の気を注いでやる」
ツバメはクロハの小さな唇に口づけ、彼のたっぷりほぐされた蕾に自らの怒張を押し込んだ。
「あっ、んんっ……なんだか、体が……」
ツバメは彼の中に入った途端、互いの気がありえないほど深く混じり合ったことに驚いた。
クロハも気の交合を感じているのか、吐息を抑えるように口元に手を当てて震えている。
ツバメは心の中で、もしかしたら彼は房中術の天才かもしれないと思った。
「すごいぞクロハ。これほど欲深く気を飲み込む器は他にない。素晴らしい忍になれるだろう」
「父様ぁ……、僕、なんだかおかしい……体が震えて止まらないっ……」
「それをイクというのだ。クロハ、言ってみろ」
「はぁっ……父様、また……いっちゃう……!」
クロハは入れただけで何度も腰を震わせツバメの気を貪った。
ツバメもまた、クロハの熱く締め付ける後孔に小さく吐息を漏らして彼の中に欲望を放った。
「房中術……なんて恐ろしい忍術だろう……」
熱く滾るツバメの肉棒に腹の中を絡ませながらクロハは無意識に舌で唇を舐めた。
その日から彼は、色気を秘めた幼い稚児から、圧倒的な色気を全身にまとう美少年へと姿を変えた。
そうしてツバメは、あらゆる男を引きつける閨の女王を生み出したのだ。
クロハは月の里からの手紙を持ったままツバメに押し倒された。
ツバメはクロハを転がすようにうつ伏せにさせると、彼を後ろ手に拘束して、その手に握られた手紙を奪い部屋の隅に投げ捨てた。
「あっ、父様! なぜこんなことを」
抵抗できぬままクロハは下衣を脱がされ、丸出しの尻にツバメの怒張を押し付けられる。
ツバメはずぷりと太い亀頭でクロハの肉穴を割り拓かせると、そのまま穴の突き当りまで一気に腰を進めた。
「あっんぅううう!」
ゴリゴリと音がしそうなほど勢いよく犯されたクロハは体を痙攣させ、突然与えられた快楽に涙を浮かべた。
クロハがどうにか快感に耐えている間にも、ツバメは乱暴に何度も胎内を突き上げた。
波打つ肉壁をツバメの太い雁首が掻き上げるたびにクロハは快楽に身を捩らせ、淫乱な肉穴は怒張を貪り食い、前からは耐えきれず白濁を垂らしていた。
「そんなに奥ばかりいじられたら……僕のだめなところが開いちゃう……!」
容赦ない抽挿にいやだと首を横にふるクロハだったが、持ち主の意思に反して彼の腹の奥にある小さな口は怒張を迎え入れるための準備を始めていた。
「このだらしない尻は私のすべてを飲み込みたくて仕方ないらしい」
「うぅ……父様ぁ……許して……」
ぐちゃぐちゃに惚けた顔になってもまだ抵抗するクロハの頭を押さえつけ、ツバメは雄を迎え入れるために開いた結腸口のふちをなぞるように腰を回した。
クロハは腹全体でツバメの肉欲を愛撫するに強く締め付け、彼の動きを阻んだ。
「私を愛していると言え。父ではなく、一人の男としてだ」
「……ツバメ、大好きだよ。ずっと、ずっと……」
どこか的はずれな答えを返すクロハに眉をひそめたツバメは「お前の気持ちはわかった」と言いクロハの体をひっくり返した。
入れたままの正常位に変えられ、中を大きくかき回されたクロハは腰を反り返して痙攣した。
ツバメは高く持ち上がったクロハの腰を掴み、狙いを定めるように鈴口をヒクつく結腸口に宛てて、やがて肉棒をその小さな口の奥まで押し込んだ。
「あああぁぁっ! やだやだっ、こんなの頭がだめになっちゃうからぁ……!」
大きく跳ねるクロハの体を抱き込み、何度も雁首で小さな結腸口を弄ぶように突き上げた。
小さく膨らんだ腹の中からは肉と肉が擦れ合う音が延々と鳴り続け、日が沈み、やがて日が昇り、クロハが意識を失ってもなお一方的なまぐわいは続けられた。
その日は一日中大雨が降っていた。
何日も愛され続け気を失ったクロハを布団に寝かせると、ツバメは里の仕事を処理するために花長の間へ向かった。
各国や四里同盟から届く依頼を花忍たちに割り振り、手紙に返信を出していく。
里の揉め事があれば仲裁し、畑の収穫高も確認する。
ツバメはある一枚の手紙を読んで固まった。
それは四里同盟の里長会議の開催と、花長は必ず出席することと書かれている。
その会議で何が行われるのか察した花長は、
「波長め……私を裏切ったな」
と重いため息をついた。
金丹の欠片の行方を教える代わりに、クロハの件は黙っているようにと口止めしたばかりだというのに。
ツバメが頭を抱えて考えていると、長の間に一人の少女が入ってきた。
「ツバメ、何をもたもたしている」
彼女の存在に気がついたツバメは慌てて膝をついて礼をした。
「風長様……お久しぶりです」
少女は四里同盟で最も栄える風の里の長であり、可愛らしい見た目だが遥か昔に成人を迎え子供もいる既婚者だ。
風長はツバメの前まで歩いてくると、彼の深く下げられた頭を容赦なく蹴り上げた。
「どういうつもりだ! まさか私の命令に逆らうつもりか」
「滅相もございません、クロハは必ずこの手で……」
「貴様の御託は聞き飽きた。そんなに私の秘術を食らいたくば、いくらでもくれてやろう」
風長はツバメの頭を掴んで自身の方に向けると、彼の瞳をじっと見つめた。
「木遁、縊鬼(いき)の術」
秘術を食らったツバメは、心を不躾に掻き回され、闇だけを体の奥から引き摺り出される感覚に震えた。
風の里の秘術は、人の邪な心を掻き立て相手を破滅させる。
「わかったら早く行け」
風長に長の間から追い出されたツバメは、ふらふらとクロハの元へ歩いていった。
だが、その扉は鉄板でも入ってるかのように固く、下からは開けることが叶わなかった。
「くっ……なんで木製じゃねーんだよ!」
キョウコツは拳を握って吠えている。
「このままでは埒が明かない。どこかに他の出入り口があるはずだ。とにかく先に進んでリンムを探そう」
シスイの言葉に他の二人は頷き先を急いだ。
謎の黒装束はリンムの口元を押さえて小脇に抱えると、そのままどこかへ向かって走り出した。
リンムは何度か暴れて逃げようとしてみたが、ここがどこで、どうやって逃げたらいいのか検討もつかないためすぐに諦めて大人しくなった。
しばらく二人が暗い隠し通路を上に下にと進んでいると、どこかで黒装束は立ち止まり、足元の隠し扉を開け広い部屋に降りた。
「ここは、天守閣……?」
無骨な木材で重厚に造り上げられた部屋は城内でも高い場所にあるらしく、小さな窓から見える空が近い。
室内には先程リンムたちを襲ってきた黒装束たちが並び、誘拐犯の黒装束に向かって膝をついていた。
男の脇から降ろされたリンムは警戒しながら黒装束の隣に立った。
すると、隣の男までが膝をついて、リンムの方へ向いたのだ。
「あなたのずっと帰りをお待ちしておりました、クロハ様」
そう言って、リンムを連れてきた黒装束は自らの頭巾を取り去った。
リンムは彼の素顔が前世で大変見覚えあるものだったことに気付き、大声を出してのけぞった。
「その顔、まさかカエデ兄様!?」
「ええ、あなたに命を救われたカエデでございます」
リンムは膝をつくカエデの姿に懐かしさを感じながらも、他に並ぶ黒装束の男たちを見渡した。
「ということは、他の者達は……」
「みな花忍の生き残り達です。クロハ様、これを」
まさか花忍がこんなところにいたとはと驚いているクロハに、カエデは何枚かの紙の束を懐から差し出した。
その紙の表紙には、美しい文字で「クロハへ」と書かれている。
「花長からクロハ様へ宛てた手紙でございます」
「手紙……?」
クロハは早速その手紙を捲くって読みだした。
ある日、ツバメは一人の子供を引き取った。
彼の名はクロハ。
彼の両親は先の任務で失敗を犯し、風長とツバメの手で処刑されたのだ。
突然両親を失った子供を不憫に思ったツバメは、すぐに彼を迎えに行って子供の居ない自身の跡継ぎとするために育て始めた。
クロハは大変美しい子供であった。
その傾国とも言える笑顔に、ツバメは時々胸が疼くような思いをした。
次第にただの幼い稚児から危うい色気をまとった少年へと成長していくクロハに、風長は目をつけたのだ。
風長に呼び出されたツバメは、クロハに房中術を仕込むよう命令を受けた。
まだ成長しきっていない幼さを残す少年に、ツバメは徹底的な調教を施した。
少しでも快楽を好むように、今後彼が苦しむことがないようにと。
クロハが殿の暗殺に失敗した数日後、花の里に四通の手紙が届いた。
ひとつめは婀国から。
宰相が今後について話したいという内容であった。
ふたつめは月の里から。
中身は月忍シスイの花嫁としてクロハを里に迎えたいという内容だった。
みっつめは波の里から。
クロハの正体は知っている。今後、四里同盟は花の里と敵対関係になるだろうという脅しの手紙だった。
よっつめは風の里から。
早急にクロハを処分するように。それだけが書かれていた。
ツバメは月の里からの手紙を持って、クロハの部屋を訪れた。
クロハとシスイの関係は知っていた。
先日も、シスイはわざわざ花の里まで訪れてクロハに会いに来た。
ツバメは、クロハは彼を都合のいい男くらいに思って、使ってやっているだけだと思っていた。
クロハは誰のものにもならず、一生ずっと花の里でツバメと暮らしていくのだと信じていた。
だが、クロハにその手紙を渡すと自身の考え違いに気がついた。
クロハは受け取った手紙を大事そうに読んで、ツバメに向かって「ありがとうございます」と言った。
「こんな手紙寄越すなんて、バカなやつですよね」
クロハの心底嬉しそうな笑顔を見たのは久しぶりだった。
いじらしく笑う彼の姿に、ツバメは腹の奥から何かが溢れそうだった。
かわいいクロハ。
ずっと大事に育ててきた自分の息子。
彼のことならなんでも理解できていると思っていた。
彼がもっとも愛するのは花の里でありツバメであると信じていた。
だが、それは単なる幻想だったのだ。
「クロハ、本当のことを言いなさい。お前は花の里を捨て、私を捨て、愛する男の元へ行きたいのだろう」
「何を言っているのですか父上」
心の内側から黒い靄が広がっていく。
ツバメは必死に自分の感情を抑え込もうとするが、ドロドロとしたものは絶え間なく身内を駆け巡り、否応なく彼の理性を消し去っていった。
「私はお前を誰にも渡したくない。ずっと部屋に閉じ込めて、私以外居ない世界で永遠に愛し合いたい」
ツバメはクロハを床に押し倒し、彼の着物を乱した。
不安げに揺らぐクロハの赤い瞳を見つめていると、ツバメは初めてクロハを犯した時のことを思い出した。
ある夜、まだ幼さの残る少年だったクロハがツバメの私室にやってきた。
「父様、クロハです」
「入りなさい」
なにか呼び出されるようなことをしたのだろうかと不安げな顔で見上げてくる少年を、ツバメは歓迎して中に入れた。
そのままクロハの手を取り、彼を布団の上に横たえた。
「どうかしたのですか」
促されるまま布団に寝転んだクロハにツバメは微笑むと、そっと彼の薄い腹を撫でた。
クロハは無防備に裾から少年の細い足を覗かせ、くすぐったそうに笑っている。
「今夜から、お前には房中術の指導を始める」
「房中術……?」
「腹の中を使った忍術だ。房中術を会得すれば、お前はさらに強力な忍となるはずだ」
「それは真ですか! 早く僕にその忍術を授けてください」
目を輝かせる少年の額に口づけて、ツバメは彼の着物をゆっくりと脱がせた。
「父様? なぜ服を脱がせるのですか」
「裸のほうが会得しやすい」
ツバメは居心地悪そうにもじもじしているクロハの着物をすべて脱がせて彼の両足を開かせた。
まだ精通も来ていない可愛らしい少年のものを持ち上げ、彼の蕾に媚薬の入った潤滑油を垂らした。
驚いたように足をばたつかせるクロハを押さえつけてツバメは言った。
「怪我をしたくなければ大人しくしていろ。絶対に痛くはしない。……父様を信じろ」
クロハは両手を胸の前で組んで、耐えるような表情で自分から足を開いた。
「お願いします、続けてください」
ツバメは頷いて、クロハの濡れた蕾の中に小指をゆっくりと突き入れた。
その日は小指で何時間も中を慣らして訓練を終えた。
翌日は指を三本入れるところまで慣らした。
クロハは痛みを感じていないようだったが、快楽も感じていないようでひたすら違和感を耐えていた。
そのまた翌日、ツバメの手のひらをすべてクロハの中に入れてみせた。
「クロハ、わかるか? ここに私の手がすべてはいっている」
ツバメは入れていない方の手でクロハの手を取り、二人の結合部を撫でさせた。
「なんだか不思議な感じです。父様の大きな手が僕の中に入るなんて」
「この分だと腕も入るだろう」
ツバメはそう言ってゆっくりとクロハの中に腕を進めようとした。
だが、クロハはそれを慌てて引き止めた。
「待ってください父様! そんなことをしたら、僕のお尻は壊れてしまいます!」
「壊れることはないが……」
クロハは体内を太い腕で犯される恐怖に足をガタガタと震わせていた。
これが彼の限界かもしれない。
そう思ったツバメは新しい提案をした。
「ならば方法を変えよう。腕ではなく、私の魔羅を使うのだ。そのほうがお前も安心するだろう」
「父様の魔羅……?」
ツバメは自身の着物を崩すと、固く頭を擡げた肉棒を取り出しクロハに見せた。
「これをお前の中に入れるのだ」
クロハはその見たこともないほど大きく膨らんだツバメの肉棒と、彼の鍛え上げられた腕を見比べて、散々悩んだ末に肉棒の方に手を向けた。
「うぅ……父様の魔羅を僕の中に入れてください」
「ああ、可愛いクロハ。たっぷり私の気を注いでやる」
ツバメはクロハの小さな唇に口づけ、彼のたっぷりほぐされた蕾に自らの怒張を押し込んだ。
「あっ、んんっ……なんだか、体が……」
ツバメは彼の中に入った途端、互いの気がありえないほど深く混じり合ったことに驚いた。
クロハも気の交合を感じているのか、吐息を抑えるように口元に手を当てて震えている。
ツバメは心の中で、もしかしたら彼は房中術の天才かもしれないと思った。
「すごいぞクロハ。これほど欲深く気を飲み込む器は他にない。素晴らしい忍になれるだろう」
「父様ぁ……、僕、なんだかおかしい……体が震えて止まらないっ……」
「それをイクというのだ。クロハ、言ってみろ」
「はぁっ……父様、また……いっちゃう……!」
クロハは入れただけで何度も腰を震わせツバメの気を貪った。
ツバメもまた、クロハの熱く締め付ける後孔に小さく吐息を漏らして彼の中に欲望を放った。
「房中術……なんて恐ろしい忍術だろう……」
熱く滾るツバメの肉棒に腹の中を絡ませながらクロハは無意識に舌で唇を舐めた。
その日から彼は、色気を秘めた幼い稚児から、圧倒的な色気を全身にまとう美少年へと姿を変えた。
そうしてツバメは、あらゆる男を引きつける閨の女王を生み出したのだ。
クロハは月の里からの手紙を持ったままツバメに押し倒された。
ツバメはクロハを転がすようにうつ伏せにさせると、彼を後ろ手に拘束して、その手に握られた手紙を奪い部屋の隅に投げ捨てた。
「あっ、父様! なぜこんなことを」
抵抗できぬままクロハは下衣を脱がされ、丸出しの尻にツバメの怒張を押し付けられる。
ツバメはずぷりと太い亀頭でクロハの肉穴を割り拓かせると、そのまま穴の突き当りまで一気に腰を進めた。
「あっんぅううう!」
ゴリゴリと音がしそうなほど勢いよく犯されたクロハは体を痙攣させ、突然与えられた快楽に涙を浮かべた。
クロハがどうにか快感に耐えている間にも、ツバメは乱暴に何度も胎内を突き上げた。
波打つ肉壁をツバメの太い雁首が掻き上げるたびにクロハは快楽に身を捩らせ、淫乱な肉穴は怒張を貪り食い、前からは耐えきれず白濁を垂らしていた。
「そんなに奥ばかりいじられたら……僕のだめなところが開いちゃう……!」
容赦ない抽挿にいやだと首を横にふるクロハだったが、持ち主の意思に反して彼の腹の奥にある小さな口は怒張を迎え入れるための準備を始めていた。
「このだらしない尻は私のすべてを飲み込みたくて仕方ないらしい」
「うぅ……父様ぁ……許して……」
ぐちゃぐちゃに惚けた顔になってもまだ抵抗するクロハの頭を押さえつけ、ツバメは雄を迎え入れるために開いた結腸口のふちをなぞるように腰を回した。
クロハは腹全体でツバメの肉欲を愛撫するに強く締め付け、彼の動きを阻んだ。
「私を愛していると言え。父ではなく、一人の男としてだ」
「……ツバメ、大好きだよ。ずっと、ずっと……」
どこか的はずれな答えを返すクロハに眉をひそめたツバメは「お前の気持ちはわかった」と言いクロハの体をひっくり返した。
入れたままの正常位に変えられ、中を大きくかき回されたクロハは腰を反り返して痙攣した。
ツバメは高く持ち上がったクロハの腰を掴み、狙いを定めるように鈴口をヒクつく結腸口に宛てて、やがて肉棒をその小さな口の奥まで押し込んだ。
「あああぁぁっ! やだやだっ、こんなの頭がだめになっちゃうからぁ……!」
大きく跳ねるクロハの体を抱き込み、何度も雁首で小さな結腸口を弄ぶように突き上げた。
小さく膨らんだ腹の中からは肉と肉が擦れ合う音が延々と鳴り続け、日が沈み、やがて日が昇り、クロハが意識を失ってもなお一方的なまぐわいは続けられた。
その日は一日中大雨が降っていた。
何日も愛され続け気を失ったクロハを布団に寝かせると、ツバメは里の仕事を処理するために花長の間へ向かった。
各国や四里同盟から届く依頼を花忍たちに割り振り、手紙に返信を出していく。
里の揉め事があれば仲裁し、畑の収穫高も確認する。
ツバメはある一枚の手紙を読んで固まった。
それは四里同盟の里長会議の開催と、花長は必ず出席することと書かれている。
その会議で何が行われるのか察した花長は、
「波長め……私を裏切ったな」
と重いため息をついた。
金丹の欠片の行方を教える代わりに、クロハの件は黙っているようにと口止めしたばかりだというのに。
ツバメが頭を抱えて考えていると、長の間に一人の少女が入ってきた。
「ツバメ、何をもたもたしている」
彼女の存在に気がついたツバメは慌てて膝をついて礼をした。
「風長様……お久しぶりです」
少女は四里同盟で最も栄える風の里の長であり、可愛らしい見た目だが遥か昔に成人を迎え子供もいる既婚者だ。
風長はツバメの前まで歩いてくると、彼の深く下げられた頭を容赦なく蹴り上げた。
「どういうつもりだ! まさか私の命令に逆らうつもりか」
「滅相もございません、クロハは必ずこの手で……」
「貴様の御託は聞き飽きた。そんなに私の秘術を食らいたくば、いくらでもくれてやろう」
風長はツバメの頭を掴んで自身の方に向けると、彼の瞳をじっと見つめた。
「木遁、縊鬼(いき)の術」
秘術を食らったツバメは、心を不躾に掻き回され、闇だけを体の奥から引き摺り出される感覚に震えた。
風の里の秘術は、人の邪な心を掻き立て相手を破滅させる。
「わかったら早く行け」
風長に長の間から追い出されたツバメは、ふらふらとクロハの元へ歩いていった。
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「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
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