心を焦がし愛し愛され

しらかわからし

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第2-1話 瑛太のお菓子作りの練習と杏奈の個人教授

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「どうしたら上手に作れるんだろう? 何で僕はこんなに不器用なんだ!」と独り言を言っていた瑛太だった。

 トントントンとドアを叩く音。

「はい、開いてますよー! 今、手が離せないので、勝手に入って下さい!」

「こんにちは!」

「あぁ、杏奈さん。こんにちは!」

「何、やってんの!?」

「明日の学童で子どもたちに食べさせるおやつ作りの練習です」

「本を見てやってるんだね?」

「はい。他の学童は既製品のおやつが普通なんですけど、うちの小学校の児童が少ないから手作りにしようと思っているんですよ」

「手作りにしてあげた方が子供たちにも愛情が伝わるし良いと思うよ。今どきのママたちはパートなどをやって忙しいから、子供たちに手造りのお菓子なんか作ってあげられないからさ」

「そうだと思って僕も頑張っているんです。でも中々上手くいかなくて……」

「何を作ろうと思ってるの?」

「この本の二十一ページのガトーショコラで、湯煎してチョコを溶かしているんですけど、何回やっても分離しちゃって」

「それは火が強いからよ。お鍋の周りから火が出ているのは意味ないから、もっと弱めて!」

「はい」

「アンタ、ケーキを作った事はあるの?」

「ないです」

「だったら最初から手間のかかるスポンジを作るよりも、ゼリーとかムースを作って、お菓子作りに慣れていって、その後にケーキ類にトライするなら良いけど、最初から難しいのに挑戦するのはどうかと思うよ」

「やっぱりそうですかね?」

「もう一度チョコを溶かそうか?」

「はい」

「ダメよ。一回分離したチョコが入っている、同じボウルの中に入れたら、また分離しちゃうよ」

「そうなんですか」

「お菓子はね。ちゃんと分量通りにしないとできないんだからさ」

「はい……」

「どれどれ、これだったら、こっちのチョコレートムースの方が良いんじゃない? この同じ材料でそのまま作れるからさ」

「じゃぁ、チョコレートムースにします!」

「それがいいよ」

「この本の通りにやろうね。ではボウルに百グラムのチョコを細かく割って入れて」

「はい」

「そこに、角切りの無塩バターを七十グラム入れて」

「はい」

「湯煎の湯はそんなにボコボコ沸騰させたらダメよ」

「はい」

「チョコが溶けたらタオルを置いてそこにボウルを置くのよ?」

「はい。こうですか?」

「そうだよ。ボウルの底の湯がアチコチに飛び散るだろ?」

「そうですね」

「そしたらそのボウルの中に黄身だけを入れて」

「はい」

「泡立て器で滑らかになるまで混ぜて」

「はい」

「こっちのボウル氷を入れて、その上のボウルに生クリーム二百ミリリットルを入れて」

「こうですか?」

「そう、それでいいよ。泡立てて八分立てぐらいがいいかな?」

「このぐらいですかね?」

「いや、もっと固い方が良いよ」

「このぐらいですかね?」

「うん。そのぐらいでいいんじゃない? そしたら四分の一だけ、このボウルに入れて、後はこのままにしてとりあえず、両方を冷蔵庫に仕舞っておこうか?」

「はい」

 つづく
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