心を焦がし愛し愛され

しらかわからし

文字の大きさ
17 / 33

第14話 瑛太が過去に関係した女性 6人目

しおりを挟む
 大学生時代の当時、昼間に良く通っていた喫茶店のお客さんで音大に通っていた萌々香さん。大学近くの昭和時代に良くあった喫茶店で、その辺に住んでいる独身のオバサンやオジサンが夜な夜な盛り上がって過ごしていた当時の週末だった。

 たまたま夜の送迎のバイトが休みの日だった。そこで、その場からは完全に浮いていたピアノを弾いていた萌々香さんに出会った。

 最初は何処かの「ホステス?」と言うようなドレスを着ていたので、「何者だ?」と思ったら、音大に通う一つ上の萌々香さんだった。その素性が分かった時に清楚な女性が好きだったので一目惚れをしてしまった。

 結構、周りのお客さんから飲まされて酒が入っていた瑛太は、酔ったフリして萌々香さんに絡み、まんまとメアドを交換した。そして次の日に、おそるおそる一言送ってみた。

「瑛太です。昨日はメール交換ありがとうございました。これから連絡しても大丈夫ですか?」と。暫くして返事が来た。「大丈夫ですよ。こちらこそ、お会いできて良かったです」
 何通か、やり取りをして「次の週末にデートしましょう」と返信が来た。

 その頃に瑛太は車を持っていなかったので、萌々香さんが家の近くまで迎えに来てくれた。当時、高価な外車のBMWで左ハンドルだった。もちろん、当時で出たばかりの新車だったらしく、走っていると車好きの人に見られていた。

「うちの両親が瑛太さんにお会いしたいと言っているので、我が家に来て下さい。」と言われて、瑛太は緊張した。萌々香さんの車が門の前に着くと、門が自動で開いた。

「こんな大きなお家に住んでいたのですか?」
「はい、あの喫茶店は親戚のお店なので。」
「だからたまにピアノを弾いていたんだな」と思った。

 車を駐車してイングリッシュガーデンの庭を歩いて様々な草花の名前を教えてもらって、大きなドアを開けて中に入ると、圧倒されるほどの様々な家具や壁に掛かっていた絵画などが物凄く高級そうで場違いな所に足を踏み入れてしまったと後悔した。

 両親に挨拶したら、父様が「酒を用意しているから飲もう!」と言われた。その頃の瑛太はそんなに酒が強い訳ではなかったので正直、困惑していた。物凄く飲まされた。多分、急性アルコール中毒の一歩手前までだったと思う。そして瑛太は怪獣になって、ゲロをテーブルの上で吐いてしまった。

 父様はその後に母様に怒られていた声は聞こえていたが、天井がグルグル回って数時間、その場で寝かせてもらった後に、タクシーを呼ばれて瑛太は自宅に帰った。

 その後には萌々香さんに電話が出来なくて、更には良く行っていた、お気に入りのあの喫茶店にも行けなくなってしまった。それ以降、音大に通っている女性には声を掛けられなくなった。

 今、考えると「うちの可愛い娘をナンパした奴を懲らしめてやろう」と父様は思っての事だったんだろうなと思った。

 つづく
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった

naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】 出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。 マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。 会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。 ――でも、君は彼女で、私は彼だった。 嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。 百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。 “会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

恋と首輪

山猫
恋愛
日本屈指の名門・城聖高校には、生徒たちが逆らえない“首輪制度”が存在する。 絶対的支配者・東雲財閥の御曹司、東雲 蓮の「選んだ者」は、卒業まで彼の命令に従わなければならない――。 地味で目立たぬ存在だった月宮みゆは、なぜかその“首輪”に選ばれてしまう。 冷酷非情と思っていた蓮の、誰にも見せない孤独と優しさに触れた時、みゆの心は静かに揺れはじめる。 「おめでとう、今日から君は俺の所有物だ。」 イケメン財閥御曹司 東雲 蓮 × 「私はあなたが嫌いです。」 訳あり平凡女子 月宮 みゆ 愛とか恋なんて馬鹿らしい。 愚かな感情だ。 訳ありのふたりが、偽りだらけの学園で紡ぐカーストラブ。

処理中です...