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獣人×獣人 狼×豹 ④
しおりを挟む「あ、ああ゙あ゙、い、あぁ、あ」
肌がぶつかり合う音と、俺の掠れた声。
「ひ、ぃあ、あ゙、あ」
何度も噛まれ、ジンジンと痛む項を舐められ吸い付かれる。
「すぅ、好き、好き、大好き」
「あふ、ふぅう、ん、んん」
何時間経ったんだろう。
案外1時間も経っていないのかもしれないけれど。
ずっと、むぅは俺を見て笑ってキスを落とす。
普通は知らない。
知らないけど、多分今は普通じゃない。
だって、番のに掛かるのは数分だと、俺は教えられたから。
むぅの大きな尻尾が何度も揺れ、伸びた犬歯で何度も首元を噛まれる。
首も肩も鎖骨辺りも、多分歯形だらけだろう。
番になってからもずっと肌を合わせる必要はあるのだろうか。
番になれば、もう、俺は御役目御免じゃないのだろうか?
だって、むぅは、αなのだから。
俺みたいなこんな…身体だって傷だらけの男だし…ああ、女なら少しは、横に居てもおかしくなかったのに。
揺さぶられながら、俺は泣いた。
ごめんな、こんな俺に好かれたなんて。
体は素直なもので、尻尾がむぅの腕にきつく巻き付く。
「好き、すぅ、俺だけ見て」
赤い目、αの、αだけの、色。
すき、むぅは、おれを。
手を伸ばしてむぅの首に回し、抱き寄せる。
今だけでも、良いから。
「は、あぁ、すき、だ、す、き、あ、あぁっ」
ガクガクと腰が揺れる。
「も、いっく、い、あぁ、いっ」
「好き、すぅ、大好き」
強く抱き締められ、何度出されたか分からない精液が腹を満たす。
「ねぇ、すぅ。ずっと、俺だけ見て」
「はぁ、あ、うぁ」
耳元で、何度も同じ事を繰り返し言われる。
…しあわせ、なんだ。
だって、俺の事を、見てくれてる。
今は、俺だけを。
どれだけ言っても、すぅには理解出来ないだろう。
そういう場所で、育ってしまったから。
でも、良いんだ。
今はそれでいい。
寧ろ、勘違いしている今が1番可愛い。
だって、すぅ。
俺が他のΩを迎えると思ってるでしょ?
それまでは自分だけを見てほしい、なんて可愛いお願いをしてるんでしょ?
ずっと、ずっと、俺の事しか考えられないようになればいいのに。
何度も噛み付き跡を残したすぅの首元を見る。
歯形と鬱血痕が映える白い首。
俺が付けた、俺の番である証。
「しあわせ」なんて、泣きながら言うものだから、本気で噛み付いてしまった跡。
…いつか、必ず、笑い合いながら言えるように…俺、もっと頑張って、すぅをーー…。
「好き」「大好き」「俺だけ見て」「すぅ」
運命の番って、一体、何なのだろう?
俺には分からないけど、俺にとっては「すぅ(むぅ)が運命の相手」だ。
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