外面だけは!

豆餅

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一章

息子二人

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 突然パパが、会わしたい人が居ると言ってきた
今までそういうことを話したことは無く、とても驚いた。
その相手は、パパのメンバーの一人と、今まで見たことないほど切なげな目をした少女だった。

ねぇねぇ奏にいちゃ、あの少女じゃがいもに似てる

こ、こら陽太初対面でそれはないだろう
せめて、赤子にしとけ。

おいおい奏それ、フォローになってないし、何気一番失礼だからな?とパパが突っ込む。
 とうの本人は、素知らぬ顔だった。
恐らく聞いても居ないんだろう。
彼女はきっと過去にたくさん辛いことを経験してきたのだろう。

亮平、先に家の子を紹介する。
今娘は仕事に行っていて、居ない。
で、奏 18歳で、長男だ。
つぎは、陽太 16歳で、娘と双子だ。
そこで、パパは少女の目を見て告げた、
仲良くしてやってくれ。
その時のパパはいつになく優しそうだった。
 僕らは、きっとまだ幼かったんだろう、嫉妬に似た感情が胸の中をグルグル回っていた。
パパを取られたと…

亮平さんは適当だった。
最初は連れ子だとしても、仮にも娘として引き取ったのに、キャバクラに行きたいからとかいう理由で、一言紹介しただけで、玄関に去っていった。
すると、さっきまで、まるで石のように固まっていた少女が、ポツリポツリと喋り始めたのだ。

少女が帰った後パパは、いつになくため息を吐いていた。
余程憔悴仕切っているようだ。
でも、それを知るほど心を読むのに長けてる年ではない。
まだ僕らは若すぎる。

ねぇ奏にいちゃ、あの少女なんか闇抱えてるよ、

ん?闇ってなんだ?例えば

変だよ!!だって、亮平さんが居なくなって封印が解けたかの如く話出したじゃん、絶対亮平さんが、がんだよ。

まぁ、確かにな、でも何か調べないとアレだろうよ、

なんで?

証拠もなく、疑ったら危ないだろ、身の危険くらい察しろよ。 
陽太お前はいつも楽観的だよな。
てか、お前今日仕事だろ行かなくていいのか?

あ、いっけなーい忘れてた
いってきまーす 

行ってらっしゃい 
全く慌ただしいんだから。

パパが突然立ち上がる
なぁ、仲良くしてあげてくれ、あの子は心に深い闇を抱えてる。
パパは子ども好きだが、ヒトの子はそこまで好きじゃないと昔言っていた。
だけど、少女は他人の子なのに、ここまで気にかける。
それは何故だろうと俺は引っ掛かったのだった。
 今まで他人であった子に大好きなパパの愛情取られるんだから面白くはない、だけど、境遇は俺らと似ていた、余りにも、僕らの母親は居ないのだ。
弟と妹が生まれて間もない頃に、出て行った。
 だから俺はパパ取られたくないのかもしれない、だけどパパが人を助けるのは不快感はない、だから、俺らがあの子と仲良くなりさえすれば、自然と許せる時が来るだろう、それまで俺は待とう。
弟と妹と一緒に。
遊ぶ時は四人で遊ぼう。
その想いを胸に俺は仕事に向かうのだった。






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