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Episode2
諸行無常
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最近可笑しい。
自棄にあの子が気になるのだ。
そんな自分が怖くもあり、受け入れたいとも思いつつ、今日も図書室のドアを開ける。
そして私は特等席の隅っこのソファーに向かうのだが、そこにはやはり、あの子が居る。
どうしたものか、、
そう考え混んでる内に彼女は口を開いた。
「ねぇ座らないの?詰めるけど?」
たった一言なのに、品のある話方である。
彼女は、本当に同じ人間なのか。
近寄らないで欲しい、でも、出来ることなら仲良くしたい。
でも、もう傷付きたくない。
期待するのはうんざりだ。
彼女は私のトラウマの子に似ている。
華やかで、外面が良い、だけど裏があるあの子に、、、。それに、彼女は芸能人だ。
だから、尚更怖い。
彼女に近づいて、仲良くなれたとして、どうせ不要になったら、彼女は捨てるんだろう。
住む世界が違うのだから
この時まではそう思ってたんだ。
何年かして私は考えを改めることになる。
いかにこの、考えが愚かで浅はかな考えかを思い知ったから。
でも、この時はまだ知らなかった。
そんな不思議な人も居るんだなって。
人を、交流関係を利用価値で決めないなんて、そんな人周りには居なかったから、私の考え方が浅はかだったなんて知らなかった。
あの子は大人だ。
利用価値を考える私より明らかに大人だ。
それから、あの子と話したのは、少し経ってからだった。
あの子は勉強出来る子だった。
だけど、手を抜いてるらしい
何故かまだ聞く勇気はない。
でも、仲良くはしてみたいそんな感じには思うようになった。
今日カフェに誘われた。
芸能人だから、わたしじゃ場違いな場所に連れてかれるのだろうか?
でも、あの子とは遊んでみたい。
でもどうしたら
こうやって、でもでもだってが、増えるたび、わたしは自分を嫌悪する。
こんなに、弱いんだって…
そして、これまでのわたしと、決別する為、わたしはその誘いに、のったのだった。
意外と彼女は、庶民派のドトールコーヒーに連れて行った。
気を使ったのだろうか、ココアしか飲めないでしょう?と聞いてくれた。
その通りだ。
わたしは、コーヒーも紅茶も甘いやつじゃないと飲めないくらい、子ども舌である。
彼女は、ココアとアイスティーを緊張しながら、注文してくれた。
どうやら、人見知りらしい。
それなのに、何故わたしとは、すんなり話せたのかそれは、何年経っても分からないだろう。
お会計もしてくれた。
お財布を出そうとしたけど、わたくしが誘ったんだから良くってよとそんな感じで、
それからは、久しぶりに笑った気がする。
彼女は、意外とお茶目で、わりと庶民派で、明るくて、優しい少女だった。
きっと実の親から愛されて育ったんだろうと…
だけど、それは違ったんだ。
たしかに愛されたけど、それは実の親以外だった。
あの時、わたしは大変失礼なことを彼女に言ってしまったのだ。
彼女がどんな境遇かも知らずに。
わたしが言った瞬間、彼女は今まで綺麗に笑っていたのに、その時だけは、泣き笑いのような顔だった。
彼女も気づいたんだろう、ごめん、、と小さく謝っていた。
この子の無言はキツイ。
この頃はまだそうだった。
今じゃ何も気にしないのに。
それからどれくらいしただろうか、彼女はまた綺麗な笑みで笑っていた…。
そっからどう遊んだかも分からずに、きっと彼女はお仕事に向かうとマネジャーさんから電話が来たんだろう。
慌てて駆けて行ったから。
わたしも、真っ直ぐ帰ればいいのに、札駅を適当にグルグルしていた。
彼女のことが、もう少し知りたい。
そんなことを思うなんて、わたしは何て単純なんだろって呆れながら思ったのだった。
あの子はどこかわたくしに似ている気がする。
あの目が…
あの目は普通の人がしてはいけない…なってはいけない目…
とても苦しんだ人の目、絶望した目だから。
作り笑いが下手なあの子、とても苦しそうに笑っていた。
そんな、わたくし姫野いちごも人のこと言えない、辛い過去を持っている。
経験者だからこそ、あの子にはあんな目をしていて、欲しくなかった。
だから、近付いた。
いつか、二人で笑える未来がきますようにと、祈りながら…
そうして、私たちは放課後毎日のように札駅で降りて、夕方過ぎくらいまで遊んでいた。
夕方になると、いちごちゃんはお仕事に行くらしい。
わざわざわたしの為に、時間を割いてくれて、嬉しい、けど、同時に申し訳ない気持ちが込み上げてきて、罪悪感に苛まれているのだった。
次の日学校に行くと、暫くいちごちゃんは休みと聞いた。
ドラマの主演が決まったのだ。
月9ドラマの主演だそう。
月9ドラマの主演とは、売れっ子でも中々慣れない、むしろ売れっ子しか慣れないと言う固定概念が強いあの月9である。
月9ドラマとは月曜の夜9時にやっているドラマのことであり、視聴率が取りやすい為、主演にはかなりの実力派が勢揃いしている。
その枠にいちごちゃんは、選ばれたのだ。
わたしは、その感想に、凄いと言うより、住む世界が違うなと思っていたのだった。
翌日もいちごちゃんは休んだらしい。
月9ってやっぱ忙しいんだなと平凡な感想を抱く。
自棄にあの子が気になるのだ。
そんな自分が怖くもあり、受け入れたいとも思いつつ、今日も図書室のドアを開ける。
そして私は特等席の隅っこのソファーに向かうのだが、そこにはやはり、あの子が居る。
どうしたものか、、
そう考え混んでる内に彼女は口を開いた。
「ねぇ座らないの?詰めるけど?」
たった一言なのに、品のある話方である。
彼女は、本当に同じ人間なのか。
近寄らないで欲しい、でも、出来ることなら仲良くしたい。
でも、もう傷付きたくない。
期待するのはうんざりだ。
彼女は私のトラウマの子に似ている。
華やかで、外面が良い、だけど裏があるあの子に、、、。それに、彼女は芸能人だ。
だから、尚更怖い。
彼女に近づいて、仲良くなれたとして、どうせ不要になったら、彼女は捨てるんだろう。
住む世界が違うのだから
この時まではそう思ってたんだ。
何年かして私は考えを改めることになる。
いかにこの、考えが愚かで浅はかな考えかを思い知ったから。
でも、この時はまだ知らなかった。
そんな不思議な人も居るんだなって。
人を、交流関係を利用価値で決めないなんて、そんな人周りには居なかったから、私の考え方が浅はかだったなんて知らなかった。
あの子は大人だ。
利用価値を考える私より明らかに大人だ。
それから、あの子と話したのは、少し経ってからだった。
あの子は勉強出来る子だった。
だけど、手を抜いてるらしい
何故かまだ聞く勇気はない。
でも、仲良くはしてみたいそんな感じには思うようになった。
今日カフェに誘われた。
芸能人だから、わたしじゃ場違いな場所に連れてかれるのだろうか?
でも、あの子とは遊んでみたい。
でもどうしたら
こうやって、でもでもだってが、増えるたび、わたしは自分を嫌悪する。
こんなに、弱いんだって…
そして、これまでのわたしと、決別する為、わたしはその誘いに、のったのだった。
意外と彼女は、庶民派のドトールコーヒーに連れて行った。
気を使ったのだろうか、ココアしか飲めないでしょう?と聞いてくれた。
その通りだ。
わたしは、コーヒーも紅茶も甘いやつじゃないと飲めないくらい、子ども舌である。
彼女は、ココアとアイスティーを緊張しながら、注文してくれた。
どうやら、人見知りらしい。
それなのに、何故わたしとは、すんなり話せたのかそれは、何年経っても分からないだろう。
お会計もしてくれた。
お財布を出そうとしたけど、わたくしが誘ったんだから良くってよとそんな感じで、
それからは、久しぶりに笑った気がする。
彼女は、意外とお茶目で、わりと庶民派で、明るくて、優しい少女だった。
きっと実の親から愛されて育ったんだろうと…
だけど、それは違ったんだ。
たしかに愛されたけど、それは実の親以外だった。
あの時、わたしは大変失礼なことを彼女に言ってしまったのだ。
彼女がどんな境遇かも知らずに。
わたしが言った瞬間、彼女は今まで綺麗に笑っていたのに、その時だけは、泣き笑いのような顔だった。
彼女も気づいたんだろう、ごめん、、と小さく謝っていた。
この子の無言はキツイ。
この頃はまだそうだった。
今じゃ何も気にしないのに。
それからどれくらいしただろうか、彼女はまた綺麗な笑みで笑っていた…。
そっからどう遊んだかも分からずに、きっと彼女はお仕事に向かうとマネジャーさんから電話が来たんだろう。
慌てて駆けて行ったから。
わたしも、真っ直ぐ帰ればいいのに、札駅を適当にグルグルしていた。
彼女のことが、もう少し知りたい。
そんなことを思うなんて、わたしは何て単純なんだろって呆れながら思ったのだった。
あの子はどこかわたくしに似ている気がする。
あの目が…
あの目は普通の人がしてはいけない…なってはいけない目…
とても苦しんだ人の目、絶望した目だから。
作り笑いが下手なあの子、とても苦しそうに笑っていた。
そんな、わたくし姫野いちごも人のこと言えない、辛い過去を持っている。
経験者だからこそ、あの子にはあんな目をしていて、欲しくなかった。
だから、近付いた。
いつか、二人で笑える未来がきますようにと、祈りながら…
そうして、私たちは放課後毎日のように札駅で降りて、夕方過ぎくらいまで遊んでいた。
夕方になると、いちごちゃんはお仕事に行くらしい。
わざわざわたしの為に、時間を割いてくれて、嬉しい、けど、同時に申し訳ない気持ちが込み上げてきて、罪悪感に苛まれているのだった。
次の日学校に行くと、暫くいちごちゃんは休みと聞いた。
ドラマの主演が決まったのだ。
月9ドラマの主演だそう。
月9ドラマの主演とは、売れっ子でも中々慣れない、むしろ売れっ子しか慣れないと言う固定概念が強いあの月9である。
月9ドラマとは月曜の夜9時にやっているドラマのことであり、視聴率が取りやすい為、主演にはかなりの実力派が勢揃いしている。
その枠にいちごちゃんは、選ばれたのだ。
わたしは、その感想に、凄いと言うより、住む世界が違うなと思っていたのだった。
翌日もいちごちゃんは休んだらしい。
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