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Episode3

夢なら覚めないで

　あれからどのくらい経っただろう、多分一ヶ月以上は経っている。
何故なら、いちごちゃんが月9を終えて、クランクアップした直後だから。
クランクアップ映像も放映されていた。
ネットニュースで…。
今はネット時代だから、そのような情報は容易に手に入る。
だからわたしたちは、あの子の動向を知ることが出来る。
クランクアップの映像を見たわたしは、真っ先に、悲しいと思った。
この気持ちは何故だろう。
あの子はわたしの知ってるいちごちゃんじゃ無いのかな。
翌日彼女は学校に来た。
話しかけようと思ったら、彼女は囲まれていた。
わたしは人混みが嫌いだ。
だから、近付くのは至難の技だからまた、距離を取った。
他の人が、彼女に近付くのは芸能人というブランド…。
わたしも、そうなのかな？それで彼女が気になってるのかな？
違う、絶対違う
こうしてわたしは癇癪を起こした。
わたしは、自分に罰を与えないといけない。
そんな、わたしは吹奏楽局という部活に入っていた。
そのクラリネットパートだ。
最初はたくさんいた部員も今じゃ同級生はわたしだけに、なっていた。
この部活に関わることはわたしのトラウマの一つでもある。
これは楽器のトラウマだ。
わたしは後輩に良く思われてないらしい。
部長は一個下の下級生であり、
主犯は、その部長と副部長だ。
夕日先輩、もう部活辞めたらどうですか？
あ、うんそだねと答えるわたし。
それに対して下級生二人は、嫌な顔をする。
こんな毎日に、わたしは無意識のうちに壊れていった。
大体夕日先輩、何のために生きてるんですか？生きてて楽しいですか？
クスクスと笑う他の後輩たち。
わたしには、それすらも怖かった。
わたしが何したっていうの。
わたしはただ、普通が…普通が…普通に過ごしたいだけ…普通に笑って普通に泣いて普通に…そんな暮らしがしたいだけ。
ただ、結婚は信じられないけどね、と心の中で思う。
わたしは平凡に生きたかった…。
それをその小さな願いを…聞き届けてくれなかった。
あの子ならどうするのかな？
あの子は平凡な生活ではないだろう。
気付いたら、いちごちゃんと同じクラスになっていた。
修学旅行も、あってますます仲良くなった。
いちごちゃんは、わたしの中で大切な存在となった。
でも、交わってはいけないのだろうか。
いちごちゃんが大切ってわたしは気付きたくなかった。
気付いたら終わってしまうと思ったから。
それに、気付いたからわたしは無責任にいちごちゃんから距離を取るんだ…。
そんなことしたら、いちごちゃんが、壊れてしまう、傷つけてしまうと知らずに…。