マジカルハンター

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マジカルハンター

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「はぁっ!!」

クリスは思いっきり剣を振りかざした。

ザクッ!!

モンスターは頭と胴体に綺麗に分かれた。

「さすがクリスだ。魔法も使えて戦闘もできる。こんな人材はなかなかいないだろう。」

「ありがとうございます。
魔法で剣を強化することで、綺麗に切れました。」

「うむ。こやつの甲羅は軽くて丈夫だから、加工して盾や鎧になる。
この切り方なら綺麗な商品ができるぞ。
倒し方が雑だと仕上がりも雑になるからなぁ。
ハッハッハッ!」

「この魔法と戦闘術は友人から教わったんです。」

「もしかして、あいつらのことか?
懐かしいなぁ。」

「はい。そういやぁ、しばらく会ってないなぁ・・・。」

クリスは右手に持った剣を見つめ、昔のことを思い出した。

3年前。

キーンコーンカーンコーン・・・。

魔導学校の下校のチャイムが村に鳴り響く。

「いいかお前ら、来週までには進路希望調査を出すように。」

「先生!もし遅れたらどうなるんですか?」

「そうだな………。うちの学校の雑用にでもなるか?ガハハ!」

「そんなぁ。」

「不満があるなら期限内に提出すること。
それと、この季節はモンスターの気性が荒いから、村の中にモンスターが入ってくるかも知れんから気をつけること。以上。」

魔道学校は、将来仕事をするために基礎知識を学ぶところだ。

魔導学校ではさらに、専門分野別に学科が分かれている。

魔法を究める魔法学科。

治療魔法で傷ついた人を癒す医学科。

魔法を使えなくても、武器を作る技術科。

戦士になったり戦闘術を極める武術科など、学科の選択肢は広い。

中には学校を中退して傭兵になったり、ひっそりと農家を営んだりする人もいるけど、やっぱり卒業生の方が、仕事は来やすい。

クリスは頭を抱えていた。

何となく入った学校だ。

特になりたい職業はなかった。

「クリス。あなた、進路は決まってるの?」

黒ずくめのローブと、赤いオーバルメガネがトレードマークの彼女はコリン。

魔法のスペシャリスト、ソーサラーの卵だ。

「いや、全然。コリンはソーサラー志望だっけ?」

「ええ。魔法でモンスターと戦う人を、後ろからサポートしたいの。」

「そっか。この前の試験も1位だったもんね。」

「あれは・・・、たまたまよ。」

「でも、ずっと1位2位を争ってるじゃんか。」

コリンは校内ではエリート中のエリートだった。

「そ、それよりクリスは進路を決めないと。武術科ってことは戦闘職?」

「うーん・・・。」

クリスは別に戦いが得意で武術科を選んだわけではなく、他に入りたい学科がなかったからだ。

「昔はソーサラーになりたかったんでしょ?」

「ああ、それはもう諦めたよ。」

クリスとコリンは幼馴染だ。

親同士の仲が良く、小さい頃からよく遊んでいた。

コリンは本が好きで、クリスによく話を聞かせていた。

魔法が使える優秀な人は他にいくらでもいる。

その中に飛び込む勇気はクリスにはなかった。

特に、目の前の知的生命体に勝てる気がしなかった。

「なによ、私の顔に何かついてる?」

「いや。別に。」

「二人とも!どうした!?表情が暗いぞ!?」

バンッ!!と後ろから背中を叩かれた。

彼は冗談のつもりだろうが、結構痛い。

筋骨隆々の彼はウォレン。

彼のポリシーなのか、いつも白いタンクトップを着ている。

「いてて・・・。ウォレン、やっぱり君か。
いいよなぁ、君は進路が決まってて。」

「ああ!進路希望調査の話か!気にするな!
別に書いたことを絶対に守らなきゃいけないってことはないだろ!?
俺なんて昔ヒーローになるって言ってたぜ!」

「親父さんの道場を継ぐんでしょ?
ヒーローみたいなものだよ。」

ウォレンの家は、この村でも有名な道場を営んでいる。

毎年応募が絶えないそうだ。

「まあな!俺は魔法が使えないから筋肉しか頼るものがなくてな!お陰で頭の中まで筋肉だ!」

「でも、すごいよ。この間の武闘大会で優勝したんだよね?」

「いやいや!あの時は運が良かっただけだ!
それに、あの武闘大会は学校内限定だったからな!
学校の外には自分より強い人がいくらでもいる!」

クリスはウォレンとも親繋がりの幼馴染だ。

小さい頃、ウォレンはいじめからクリスをよく守ってくれていた。

それからクリスはウォレンの道場で修行しているのだが、二人が手合わせをすると、華奢なクリスの体がポッキリ折れてしまうのではないかと心配になる。

「ところでクリス、今日も修行をするのか?」

「ざんねーん。今日は私と魔法の補習でーす。」

「そうか!それなら明日だな!明日は学校休みだから、朝早くから修行ができるな!それじゃあ!」

ウォレンはそう言うと、颯爽と立ち去って行った。

「・・・補習ってあったっけ?」

「試験で平均ちょっと超えたくらいでいい気になってんじゃないわよ。一緒にいる私が馬鹿にされるんだから。」

「ハイ、スミマセン。」

こうして、今日と明日のスケジュールがあっさりと埋まってしまった。

クリスとコリンは、ちょうどよく空き教室を見つけたので、そこで補習をすることにした。

コリンは黒板に文字を書いて説明した。

「まずは属性の話をしましょう。
世界には属性が6つあることがわかっているわ。

1つ目は炎。炎を使った攻撃力が高い技が多いわ。
鍛冶屋で炎を使うのもこのためね。

2つ目は水。敵の防御力を無視できる柔軟な技が多いの。
どんな家でも、川の氾濫があればひとたまりもないでしょ?

3つ目は風。風のように素早い技を繰り出せるわ。

そして4つめが・・・」

「ちょっ・・・ちょっと待って。」

「どうしたの?」

「そんなこといきなり言われてもイメージ出来ないからわからないよ!」

「そうね。確かに実践して見せた方が早そうね。」

クリスは言葉だけの説明だけでは覚えられなかった。

そのため、実践を伴わない板書だけの授業だと、どうしても成績が上がらないのだ。

コリンはため息をつきながら教室から出た。

「じゃあ、あそこで実践しましょう。」

コリンは窓の外を指差した。

この教室から窓の外を見下ろすと、1万人は入れそうな大きな建物が見える。

ここは訓練所だ。

訓練所では、今日も生徒達が戦闘訓練を行なっている。

クリスとコリンは空いたスペースを見つけ、魔法の実践をすることにした。

「あそこに的が見える?あの的を魔法無しで壊してみて。」

コリンは20歩ほど遠くにある丸い的を指差した。

的の中心は赤く塗られ、周りは白く塗られている。

クリスは的めがけて思いっきり拳を入れた。

バンッ!!

しかし、的はびくともせず、クリスの拳が痺れるだけだった。

「いってぇ・・・。こんなの武器でも使わないと壊れないよ。」

「じゃあ、私が手本を見せるわ。」

コリンはそう言うと、人差し指から飴玉ほどの火の玉を出し、的めがけて発射した。

火の玉は的の中心に当たり、真っ二つに割れてしまった。

「すごい・・・。あんなに小さな玉なのに。」

「まだまだ的は残ってるわね。どんどんいきましょうか。」

コリンは同じく、小さな水の玉と風の玉を出し、的にめがけて発射した。

ビュン!!

二つの玉は同時に飛ばされたのだが、先に的に当たったのは風の玉だった。

風の玉は的に命中したが、壊れずに切り刻んだ跡がつく程度だった。

パァン!!

水の玉は的に命中し、粉々に砕けた。

「まぁ、こんなものね。
壊れ方に違いがあるのがわかる?
炎は一点に集中すると攻撃力が上がる。
水は防御力を下げながら、攻撃する。
風は攻撃力は弱いけど、早いから防御される前に討つ。」

「へぇ!そんな違いがあるんだ!」

「クリスもやってみて。」

「うん!」

クリスはコリンと同じように、火の玉を的にぶつけた。

ゴッ!

しかし、コリンのように的は壊れなかった。

「うーん・・・、まだ難しいみたいね。」

「もっと近づいたらいけるかも・・・。それより疲れたから休憩しない?」

「そうね。休憩にしましょう。」

二人は訓練所の端に座り、戦っている生徒達を眺めていた。

「コリンはすごいよね。全部の属性の魔法が使えるんでしょ?」

「一つ一つ奥が深いから、まだまだではあるけどね。
クリスも魔法は使えるんでしょ?」

「う、うん。炎と風くらいだけど。」

しばらく沈黙が続いた。

すると、コリンは表情を曇らせてクリスに尋ねた。

「昔・・・。」

「ん?」

「昔、私は何考えてるか分からないって言われたことがあって・・・。
ほんのいたずらのつもりだったんだけど、自分で作った毒を他の子に飲ませたの。
幸い、近くの先生が解毒魔法を使って一命は取り留めたんだけどね。
その時にみんなに言われたわ。
あなたは何考えてるか分からないって。」

「あぁ・・・。それは、その子に同情するね。」

「それから、他の人は私の言うことに耳を貸さくなったわ。
聞いてはくれるけど、真面目に聞いてもらえなくて・・・。
あなたもお母さん達が仲良いから一緒にいてくれるんでしょ?本当はこんな私なんて・・・。」

コリンの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

「いや、そんなことはないよ。」

「え?」

クリスは続けた。

「僕は好きで君の話を聞いているだけなんだ。
僕が知らない世界を君は知っている。
それを聞くだけで僕は楽しい気分になるんだよ。」

「・・・クリス。
・・・だったら今度のテストで10番以内になりなさいよね。」

「え!そ、それは無理だよ!」

「クスッ。冗談よ。今日はもう遅いから、また今度ね。」

「うん、また。」

訓練所の外は夕焼けに染まっていた。

夕方の時報が、早く家に帰れと言っている。

そして、だんだん暗くなり、やがて朝日が村を明るく照らした。

クリスは、ウォレンの道場へ向かった。

ウォレンは既に一人で修行を始めていた。

「おお!来たな!じゃあ、いつものようによろしく!」

クリスとウォレンは毎週この道場で修行している。

もちろん毎回ウォレンが優勢になるのだが、修行は勝ち負けではなく、何を学ぶかが重要だ。

「どうしたクリス!もう終わりか!」

「まだまだ!」

「そっちが来ないなら、こっちから行くぞ!」

ウォレンはクリスの胸めがけて真っ直ぐ拳を突いた。

クリスはそれに合わせ、両腕で防いだ。

ゴッ!!

「痛って!」

「防御するときは脇は締める!でないと押し負けてしまうぞ!」

「わかった!」

その時だった。

サイレンが村中にけたたましく鳴り響く。

「緊急事態発生!!緊急事態発生!!
北の外壁が壊され、ヨロイムシが村へ侵入!!
直ちに避難すること!!
繰り返します!!
ヨロイムシが村へ侵入!!
直ちに避難すること!!」

クリスとウォレンは動きを止め、放送を呆然と聞いていた。

「ヨロイムシ・・・!」

「クリス!知ってるのか?」

「コリンから聞いたことあるんだ。
この村の周辺に住んでいて、普段は大人しいんだけど、この時期は巣作りの季節だから凶暴になるって・・・。
他の人たちが危ない!!」

「なんだって!?すぐに北へ向かないと!」

「ちょっと待ってよウォレン!どうやって戦うのさ!装備は!?」

「いや!装備は付けた分だけ重くなる!
救助が最優先だ!もし危なくなったら、その時はその時だ!」

そう言うと、ウォレンは北へ全速力で走って行った。

「僕も行く!」

慌ててクリスも後を追った。

ヨロイムシは、教室一つ分ほどの大きさの甲虫だ。
ドーム状の硬い甲羅に覆われていて、攻撃をもろともしない。

そんなモンスターを武器一つ持たずに倒すのは至難の業だろう。

また、この村は軍事施設が整っていないため、モンスターが入ってきたら追い払う手段が少ない。

プロのハンターもあいにく出払っている。

クリスは道場を出ると、コリンがかけつけてくれた。

「大丈夫!?クリス!」

「コリン!来てくれたんだ!」

「ええ。昨日、修行するって聞いてたから、ここにいるんじゃないかって。」

「僕は大丈夫だけど、ウォレンが北へ走って行っちゃった。」

「そんな!急いで助けに行かないと!」

二人は北へ向かったが、ウォレンは既に交戦中だった。

「ぐぬぬぬ・・・。」

ウォレンは突進してくるヨロイムシを受け止めており、その後ろに小さな女の子が倒れているのが見えた。

「ウォレン!!」

「女の子を助けなきゃ!」

クリスとコリンは女の子を救助した。

「ありがとう!お兄ちゃんたち!」

「お礼はウォレンに。もし一足遅かったら・・・。」

「それより、ウォレンを助けないと。私が魔法で援護するわ。」

コリンは魔法に集中した。

大人が一人入りそうな大きな水の玉がみるみる浮かび上がってきた。

「アクアボール!!」

バシャッ!!

水の玉はヨロイムシに当たり、体の前半身に命中した。

しかし、突進の勢いは止まらなかった。

「なんて硬いの!」

ウォレンはヨロイムシを止めるのに必死だったが、限界のようだった。

動きを止められていたヨロイムシが動き出した

「ウォレン!!」

クリスがウォレンを助けに行こうとしたその時、頭の中で電撃が走った。

普通に走っても間に合わない。

ならば脚を速くする必要がある。

脚を速くするためには・・・。

ここまで考えるのに1秒とかからなかった。

次の一瞬、クリスはウォレンを抱え、ヨロイムシの突進を避けた。

クリスの腕と脚は、オーラに包まれていた。

「クリス!その腕と脚!」

「うん、自分でもびっくりだよ。
昨日、コリンから属性の話を聞いてたから、魔力を体に溜めたらどうなんだろうって、試してみたんだ。」

「クリス!ありがとう!」

「驚いた!魔法は攻撃するものだと思ってたけど、そんな使い方もできるのね。」

喜んでいるのも束の間だった。

ヨロイムシは方向を変え、こっちに向かってくる。

「また襲ってきた!このままじゃ埒があかないぞ!弱点はないのか!」

「ごめん、私の勉強不足だわ!弱点はわからない!」

すると、どこからともなく声が聞こえた。

「頭だ!頭を切り落とせ!」

三人はヨロイムシの頭の方を見た。

ヨロイムシは球を半分にしたようなドームの形をしている。

よく見ると、頭と胴体の間に関節があることがわかった。

「頭と胴体の関節部分を狙うわよ!」

「おう!」

「わかった!」

クリスとウォレンは、ヨロイムシに向かって走って行った。

コリンは再び魔法に集中しようとしたが、ふと考えた。

「同じことをしても意味ないわ。
狙うのは頭だけでいいから、大きさはこのくらいに凝縮して、あとは付帯効果の防御力を減らす方に調整すれば・・・。」

ぶつぶつと唱えながら、魔法で水の玉を作り出した。

さっきよりも小さく、ヨロイムシの頭ほどの大きさだった。

「いっけー!!」

水の玉は猛スピードでヨロイムシの方向へ向かって行った。

ジューッ!!

水の魔法はヨロイムシの頭に命中した。

頭はみるみるドロドロに溶けていった。

「ウォレン!クリス!今よ!」

「うおおおおお!!」

ウォレンはヨロイムシの頭に思いっきり拳を入れた。

ヨロイムシの頭は少し割れ、突進していた動きを止めた。

「ウォレン!コリンが関節を狙えって!」

「関節がどこかわからん!」

その時、ヨロイムシが前脚を振り上げ、ウォレンに襲いかかった。

「危ない!」

ガッ!!

クリスはヨロイムシの攻撃を受け止めた。

「脇は・・・、締める!!」

「クリス!!」

次の瞬間、ウォレンの力が緩み、ヨロイムシは前進した。

「くそ!こいつ!まだ力が余ってるのか!」

「ウォレン!僕のことはいい!止めることだけを考えろ!」

「わかった!」

防戦一方だった。

すると、後ろで見ていたコリンがウォレンに近づいて来た。

「君は来るな!後ろから援護を頼む!」

「私も力を貸すわ!」

コリンは、ウォレンの腕に手を添え、魔力を分け与えた。

「これは・・・!力が湧いてくる!」

「いっけー!!」

「うおおおおおお!!」

ウォレンの拳はみるみる威力を上げ、ヨロイムシの頭は粉々に砕けた。

ヨロイムシの動きは完全に停止し、力尽きたようだった。

「「「やった!!」」」

三人は飛び跳ねて喜んだ。

「クリス、驚いたわ。まさか、魔法を強化に使うなんて。」

「コリンの補習のお陰だよ。コリンのそれは、新しい魔法?」

「新しいというか、自分が知ってる魔法をアレンジしてみたの。」

「すごいなぁ!それと、ウォレンのお陰で女の子も助かったし。」

「俺は二人が来てくれると信じてたぞ!みんな無事でよかった!!」

喜んでいる三人に、一人の男性が近づいてきた。

大柄で、熊のような男性だった。

「あーあ、頭が粉々だ。派手にやってくれちゃったねぇ。けど、よく村を守ってくれた。」

「あなたは・・・?」

大男はクリスたちを横目に、ヨロイムシをジロジロと見ている。

「あー、気にするな。ただのハンターだよ。」

ハンターは素材を集め、道具を作る人に売る仕事だ。

「お嬢ちゃんの言う通り、ヨロイムシは頭と胴体を繋ぐ関節を切り落として倒すのがセオリーだ。
こいつの甲羅は軽くて丈夫だから、加工して盾や鎧になる。
君たちはここの学校の生徒かい?」

「はい、そうです。」

「そうか。三人ともいいハンターになりそうだな。
特に、細身の君はマジカルハンターと言ったところか。
魔法と武術を両方使えるのはなかなか珍しい。」

「マジカルハンター・・・。」

「ま、君たちはまだ若いから、せいぜい頑張んな。」

大男はそう言うと、ヨロイムシの解体を始めた。

そして、休日も終わり、学校が始まった。

今回の事件は学校でも大きく取り上げられた。

なんでも、とあるハンターがヨロイムシの子供を乱獲し、親を怒らせたようだった。

「・・・あのヨロイムシ、お母さんだったんだね。悪いことをしたなぁ。」

「気にすることはないわ。それより私、ソーサラーはやめることにしたわ。」

「え?なんで?」

「魔法の可能性をもっと研究したいと思ってるの。
魔力は人間の体にも宿ることがわかったから、もしかすると魔力を宿した道具も作れるんじゃないかと思って。
あと、やっぱり戦闘よりも色んな知識を手に入れる方が好きだから。」

「すごいじゃん!」

「クリスは志望は決まったの?」

「うん、僕は・・・。」

クリスは進路希望書をコリンに見せた。

第一志望の欄には大きく『マジカルハンター』と書かれていた。
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