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罠
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「アルト」
姉と共に部屋に戻ろうと廊下を歩いている時、凛とした声が廊下に響いた。
俺と姉は同時に振り返った。
そこには何人もの使用人を引き連れた母が立っていた。
姉は父に逆らったからか、それともトーマを助ける作戦を実行しようとしているからか母の目をまともに見れず俯いていた。
しかし母はそんな姉に見向きもせずまっすぐに俺を見ていた。
緊張からか嫌な汗を掻く。
帰ってから使用人の様子が可笑しかった、そして目の前にいる母は俺に向かって愛しい我が子を見つめるような瞳で見ていた。
赤ん坊の頃でさえこんな優しい顔をしていただろうか。
背筋が冷たくなる。
嫌に鼓動が早くなる。
「アルトはまだ帰ってきていなかったから作戦について知らないわよね、お父様がお話してくれるそうよ」
「…お、お母様」
「ヴィクトリア、貴女は部屋で待機していなさい」
俺に話す柔らかい口調と違い、姉には冷たく氷の棘のように姉に突き刺さった。
突然の母の豹変に姉はショックを受けて固まっていた。
一度だけ姉を見てそのまま母は俺の手を握り歩き出した。
生まれてから一度も母の手の温もりを感じた事がなかった。
こんなに冷たいのか……俺の手まで凍えそうだ。
振り払うわけにもいかず俺から逃げ場を奪うように後ろから着いてくる使用人達を不気味に思いながら母に従う。
姉は殺人兵器にするために愛されたと言っていた、じゃあ俺も…?
でも俺の魔力ランクはZだ、殺人兵器どころか魔力なしなんて邪魔者でしかない。
じゃあ、これはなんだ?なにが起こっているんだ?
母は会議室前に来て足を止めた。
使用人達にここで待つように命令した。
俺と母は会議室の重い扉を開いた。
そこには父だけがいた。
父は俺が部屋に入るなり、駆け足で近付いてきた。
恐怖で怯えていた体を抱き上げて抱きしめられた。
意味が分からず戸惑う。
「アルトっ!!今まですまなかった!寂しい思いをさせてしまったな」
「…と、父さん」
「これからはお前とずっと一緒に居よう」
母が俺の手を握っている。
俺は両親も更正させられたら皆幸せになると考えていた。
そのためには父の野望を阻止してゲームの未来を変えようとそう思っていた。
俺はまだ英雄ラグナロクの死を防いだだけだ、その失敗で父が更正するとは思えない。
なにがあった?何を企んでいる?
とりあえず離してほしくて父を押してみるがびくともしない、そりゃあ自分より2、3倍は大きい大男である父に抵抗したところで痛くも痒くもないだろう。
「どうしたアルト、嬉しくないのか?」
「…お、俺の事…嫌いじゃなかったの?」
「そんなわけないじゃないか、お前は私達の唯一の子供だ…嫌いになるわけがない」
そこで疑問に思った。
唯一の…子供?
姉は?姉も両親の子供ではないのか?
何故だろうか、姉への扱いが昔の俺がされた扱いに似ていた。
両親にいないもののように扱われて、使用人達にも見向きもされなかった。
俺にはグランとガリュー先生がいた、でも姉には?
……ガリュー先生なら姉の味方をしてくれると思うが震えが止まらない。
俺は声を振り絞り父に言った。
「…姉さんは?姉さんだって、父さんの…」
「アイツはもう使えない、私に逆らう人形などいらないからな……アルト、お前こそが私達を勝利に導く大切な家族だ」
勝利って何の?…俺は何をさせられるんだ?
耳に小さくカチャッとなにかを嵌める音が聞こえた。
視線を下に向けると、母は俺の手を握って愛しそうに撫でていた。
手首には金属の腕輪のようなものが嵌められていてだらんと鎖がぶら下がっていた。
……すぐに分かった、これは手枷だ。
母はすぐにもう片方の手首にも手枷を嵌めて後ろで固定された。
抵抗したかった……でも出来なかった。
この手枷はなにか変だ、力を込める事が出来ず力が抜けていく。
父が俺を解放すると寄りかかるものがなくなり地面に膝をついた。
驚いて父を見る、相変わらず父は優しく微笑んでいた。
俺には恐怖しか感じなかった、今さら遅い…母に優しくされただけで着いていき…罠にはまってしまった。
怪しいと思っていたけど、父がいるなら父に会って聞きたかった。
シグナム家の異変、その答えがこんな形で知るなんて…
父は口を開いた、俺は力が抜けた体でただ父を見上げる事しか出来なかった。
「お前こそ我がシグナム家に相応しい、その命…尽きるまで私と共にいろ……ゼロの魔法使い」
父は、知っていたのか……俺の力を…
何故、何処で?
タイミングからして英雄ラグナロクとの戦闘の時、誰かに俺とトーマのキスシーンを見られていたのか。
ゼロの魔法使いの事を知っている人なら魔法陣が出ただけでも分かるのかもしれない。
ガリュー先生は知っていたが、ガリュー先生が告げ口をする人だとは思えない。
じゃあ騎士さん?でも、使用人が優しくしてきた時に何も知らない顔が気になった。
誰がなんて関係ない、俺は止めないと…じゃないと…じゃないと…
「父さん、俺を…ゼロの魔法使いをどうするの?」
「魔法使いは魔力を使いすぎると干からびて死ぬ、それは分かるな…しかしお前がいるなら話は別だ…死ぬ事を恐れずにこの王都だけではない、世界を力で服従させる事が出来る」
「そ、そんな事…したくないっ!誰かを傷付けるために俺の力があるわけじゃない!!」
「誇りを持て、自分の素晴らしい力を…今ゼロの魔法使いの力を最大限に放出出来る装置を開発している、まずは…国王を襲撃し、国民を従わせよう…従わない国民は見せしめに死刑にする……騎士団は皆殺しだ」
「嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ!むぐっ!?」
口に何かを押し込まれた、これは猿轡?
母が耳元で「舌を噛みきって死なれては困るから我慢なさい」と言われた。
涙を流しても誰にも響かない、この場にいる人達は俺を息子だなんて思っていない…以前の姉のような殺人人形だ。
俺は誰かを助けるために使いたいのに誰かを傷付けるために使われるなんて堪えられない。
俺が死んだら力を使われずに済むかもしれない、姉はもう父の言う通りにしないと思うから俺がいなくなっても自由に生きられるかもしれない。
でも猿轡をされてるし、手枷で脱力状態だから何も出来ない。
俺は何処でバッドエンドの選択肢を選んでしまったのだろう。
もう一度やり直したい、でもこの世界はゲームではない……そんな事不可能だ。
両親は何かを話しているが耳には何も入ってこない。
俺はそのまま暗い暗い眠りに落ちていった。
これが騎士さんが望んでいた世界なのか?
いや、ゼロの魔法使いはゲームにはなかった…ならばこれは……
このバッドエンドはいったいなんだ?
姉と共に部屋に戻ろうと廊下を歩いている時、凛とした声が廊下に響いた。
俺と姉は同時に振り返った。
そこには何人もの使用人を引き連れた母が立っていた。
姉は父に逆らったからか、それともトーマを助ける作戦を実行しようとしているからか母の目をまともに見れず俯いていた。
しかし母はそんな姉に見向きもせずまっすぐに俺を見ていた。
緊張からか嫌な汗を掻く。
帰ってから使用人の様子が可笑しかった、そして目の前にいる母は俺に向かって愛しい我が子を見つめるような瞳で見ていた。
赤ん坊の頃でさえこんな優しい顔をしていただろうか。
背筋が冷たくなる。
嫌に鼓動が早くなる。
「アルトはまだ帰ってきていなかったから作戦について知らないわよね、お父様がお話してくれるそうよ」
「…お、お母様」
「ヴィクトリア、貴女は部屋で待機していなさい」
俺に話す柔らかい口調と違い、姉には冷たく氷の棘のように姉に突き刺さった。
突然の母の豹変に姉はショックを受けて固まっていた。
一度だけ姉を見てそのまま母は俺の手を握り歩き出した。
生まれてから一度も母の手の温もりを感じた事がなかった。
こんなに冷たいのか……俺の手まで凍えそうだ。
振り払うわけにもいかず俺から逃げ場を奪うように後ろから着いてくる使用人達を不気味に思いながら母に従う。
姉は殺人兵器にするために愛されたと言っていた、じゃあ俺も…?
でも俺の魔力ランクはZだ、殺人兵器どころか魔力なしなんて邪魔者でしかない。
じゃあ、これはなんだ?なにが起こっているんだ?
母は会議室前に来て足を止めた。
使用人達にここで待つように命令した。
俺と母は会議室の重い扉を開いた。
そこには父だけがいた。
父は俺が部屋に入るなり、駆け足で近付いてきた。
恐怖で怯えていた体を抱き上げて抱きしめられた。
意味が分からず戸惑う。
「アルトっ!!今まですまなかった!寂しい思いをさせてしまったな」
「…と、父さん」
「これからはお前とずっと一緒に居よう」
母が俺の手を握っている。
俺は両親も更正させられたら皆幸せになると考えていた。
そのためには父の野望を阻止してゲームの未来を変えようとそう思っていた。
俺はまだ英雄ラグナロクの死を防いだだけだ、その失敗で父が更正するとは思えない。
なにがあった?何を企んでいる?
とりあえず離してほしくて父を押してみるがびくともしない、そりゃあ自分より2、3倍は大きい大男である父に抵抗したところで痛くも痒くもないだろう。
「どうしたアルト、嬉しくないのか?」
「…お、俺の事…嫌いじゃなかったの?」
「そんなわけないじゃないか、お前は私達の唯一の子供だ…嫌いになるわけがない」
そこで疑問に思った。
唯一の…子供?
姉は?姉も両親の子供ではないのか?
何故だろうか、姉への扱いが昔の俺がされた扱いに似ていた。
両親にいないもののように扱われて、使用人達にも見向きもされなかった。
俺にはグランとガリュー先生がいた、でも姉には?
……ガリュー先生なら姉の味方をしてくれると思うが震えが止まらない。
俺は声を振り絞り父に言った。
「…姉さんは?姉さんだって、父さんの…」
「アイツはもう使えない、私に逆らう人形などいらないからな……アルト、お前こそが私達を勝利に導く大切な家族だ」
勝利って何の?…俺は何をさせられるんだ?
耳に小さくカチャッとなにかを嵌める音が聞こえた。
視線を下に向けると、母は俺の手を握って愛しそうに撫でていた。
手首には金属の腕輪のようなものが嵌められていてだらんと鎖がぶら下がっていた。
……すぐに分かった、これは手枷だ。
母はすぐにもう片方の手首にも手枷を嵌めて後ろで固定された。
抵抗したかった……でも出来なかった。
この手枷はなにか変だ、力を込める事が出来ず力が抜けていく。
父が俺を解放すると寄りかかるものがなくなり地面に膝をついた。
驚いて父を見る、相変わらず父は優しく微笑んでいた。
俺には恐怖しか感じなかった、今さら遅い…母に優しくされただけで着いていき…罠にはまってしまった。
怪しいと思っていたけど、父がいるなら父に会って聞きたかった。
シグナム家の異変、その答えがこんな形で知るなんて…
父は口を開いた、俺は力が抜けた体でただ父を見上げる事しか出来なかった。
「お前こそ我がシグナム家に相応しい、その命…尽きるまで私と共にいろ……ゼロの魔法使い」
父は、知っていたのか……俺の力を…
何故、何処で?
タイミングからして英雄ラグナロクとの戦闘の時、誰かに俺とトーマのキスシーンを見られていたのか。
ゼロの魔法使いの事を知っている人なら魔法陣が出ただけでも分かるのかもしれない。
ガリュー先生は知っていたが、ガリュー先生が告げ口をする人だとは思えない。
じゃあ騎士さん?でも、使用人が優しくしてきた時に何も知らない顔が気になった。
誰がなんて関係ない、俺は止めないと…じゃないと…じゃないと…
「父さん、俺を…ゼロの魔法使いをどうするの?」
「魔法使いは魔力を使いすぎると干からびて死ぬ、それは分かるな…しかしお前がいるなら話は別だ…死ぬ事を恐れずにこの王都だけではない、世界を力で服従させる事が出来る」
「そ、そんな事…したくないっ!誰かを傷付けるために俺の力があるわけじゃない!!」
「誇りを持て、自分の素晴らしい力を…今ゼロの魔法使いの力を最大限に放出出来る装置を開発している、まずは…国王を襲撃し、国民を従わせよう…従わない国民は見せしめに死刑にする……騎士団は皆殺しだ」
「嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ!むぐっ!?」
口に何かを押し込まれた、これは猿轡?
母が耳元で「舌を噛みきって死なれては困るから我慢なさい」と言われた。
涙を流しても誰にも響かない、この場にいる人達は俺を息子だなんて思っていない…以前の姉のような殺人人形だ。
俺は誰かを助けるために使いたいのに誰かを傷付けるために使われるなんて堪えられない。
俺が死んだら力を使われずに済むかもしれない、姉はもう父の言う通りにしないと思うから俺がいなくなっても自由に生きられるかもしれない。
でも猿轡をされてるし、手枷で脱力状態だから何も出来ない。
俺は何処でバッドエンドの選択肢を選んでしまったのだろう。
もう一度やり直したい、でもこの世界はゲームではない……そんな事不可能だ。
両親は何かを話しているが耳には何も入ってこない。
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病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
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