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足止め・トーマ視点
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目を覚まして最初に見たのは真っ暗な天井だった。
いや、ここが室内かどうかなんて分からないからそれは正しくない。
俺は本を読んでいた筈だ。
ここに来る時はいつも嫌な事が起きた後だ。
だから疑ってしまう。
またなにか間違えてしまったのではないのか。
今回は姫は無事な筈だから俺になにかあったのかもしれない。
立ち上がると砂嵐のテレビの横で動くものがあった。
「自家製の漬物って手間が掛かるんだよねぇ…美味しいけど」
フードの子供は何故か茶色いツボで漬物を作っていた、臭い。
ゲーム以外にもしているんだな、ここに住んでいるのか?
とりあえず、今回はどうやったら帰れるんだ?
もうやり直しをしないと言っていたが、そうなるともう二度と姫に会えなくなる。
俺は子供に近付くと子供はぬか漬けを作るのをやめてこちらを見た。
もう、会う事はないと思っていたんだけどな。
「どうしたの?座ってなよ」
「帰りたいんだ、帰る方法を知ってるか?」
「そう焦るなよ、今アルトは大事な事をしてる…それが終わったら会えるからさ」
そう言った子供は再びぬか漬けを作っていた。
姫がなにかをしている?なにかってなんだ?
この場所にいるのか?
子供はゲームをしていないという事は俺達になにかあったわけじゃない、そう思っていいのだろうか。
ツボを端に置き、台所の水を出して手を洗っていた。
台所なんて今まであっただろうか。
のんびりと「もうちょいでお湯が沸けるからこれでも食べて待っててな!」と俺の目の前に煎餅が入った器を置いた。
こんなところで長居はしてられない。
「アルトはこの世界にいるんだな」
「ん?あー、まぁね…多分上手くやったらここに来れるから待ってなよ」
「…それって、来れない場合があるって事か?」
俺の言葉に何も言わない子供に不安になる。
もしかしたら姫は危険な目に合ってるかもしれないのか、だとしたら助けに行かなくては…
二度と、誰にも傷つけさせない。
俺はそのまま歩き出そうとして何かに服の袖が引っかかった。
それを見ると子供の小さな手だった。
その手…漬物触ってなかったか?
「ちょい待てって、アルトなら大丈夫だって…信じて待てよ…好きなんだろ?」
「好きだからこそだ、アルトが困っているなら助けたい」
「…お前、あれか…童貞か」
馬鹿にしたような子供の声に眉を寄せる。
童貞ではない、アルト…姫とそういう行為をした事がある。
心が通じ合ってからはそんな暇はなくてしていなかったが…
そもそも童貞だと言うなら目の前の子供だろう。
その歳で経験なんてないし、神はそんな事をするのか?
子供だと言って大人をからかうもんじゃないだろと呆れたため息を吐く。
「あ、今いやらしい事考えてたでしょ?アルトに言っちゃうよ」
「………お前が先に言ったんだろ」
「俺が言ったのは恋愛童貞って事、アルト以外好きになった事がないから付き合い方が分からない…大人の余裕をアルトに見せたいけど、今のトーマ…ダサいよ」
なにか言い返したいのに言葉に詰まる。
仕方ないだろ、俺の初恋はアルトで…ずっと想い続けていたんだから…
ダサいと言われ、こんなに棘が胸に突き刺さる経験がなくて戸惑った。
確かにアルトを前にすると大人の余裕がなくなる時がある。
好きで、独り占めしたくて、俺を見てほしくて、大好きで…
俺は恋愛に関してはまだ子供なのだろうと思った。
「アルトはほっとくと大変な時かあるけど、信じて待つ事も愛だよ」
「…アルトの事は信じてる」
「そう?じゃあ今邪魔するなよ、アルトはトーマの全てを受け入れようとしている…これは愛の試練でもあるんだ、アレの正体が分からずアルトが怯えてしまったら殺されてしまうだろう」
「!?」
「…でも、信じて待つんだろ?」
俺の服の袖を下にくいくいと引っ張り、俺はされるがまま座った。
俺の前にさっきの煎餅を出した。
なにか食べる気にはなれず下を向く。
あのゲームは姫の行動を写してはくれないのだろうか。
ただ待つだけでも、とても苦しい。
姫はなにと戦っているのだろう。
「ねぇ、気になってたんだけどさ」
「……なんだ?」
「なんでアルトとか姫とかいろんな呼び方してるの?わけわかんなくならないの?」
煎餅を掴みボリボリと噛み砕きながら聞いてくる。
わけわかんなくはならないだろ、姫と呼ぶのはアルトだけなんだから…
でも特に意識はしていなかった、感情が高ぶるとアルトと呼んでいた気はするが…普通の時も呼んだりする。
どっちもアルトだから、アルトが嫌にならないのなら呼び名を統一する必要もないだろう。
それに姫と呼ぶのは多分俺だけだから特別な感じがして悪くない。
「別に…」と素っ気なく答えると自分から聞いたくせに興味なさげに「ふーん」と言ってノイズのテレビ画面を見つめている。
俺にはうるさい砂嵐にしか聞こえないがこいつにはなにが見えてるんだ?
「あ…マズイかも」
「…は?アルトになにかあったのか?」
俺の質問に答えず首を傾げる子供にどんどん不安になる。
なんだ?なにが起きているんだ?
その時だった、幻聴のようなものが聞こえた。
俺を呼ぶ、アルトの声だ。
それを聞きアルトになにかあったのではないかと不安が募る。
やっぱりただ黙って帰りを待ってられない。
俺とアルトは心が通じ合った恋人同士だろ、もうお互い一人なんかじゃない。
二人で解決出来る事は二人で解決すればいい…俺はそう思う。
恋愛童貞だと言われても構わない、まだ子供でいい…二人で大人になっていけばいい。
行こうと立ち上がると子供が俺の服の袖を掴んだ。
「どこ行くの?」
「…姫のところに……俺はもう待つのはごめんだ」
歩き出そうとするが強く掴まれて振り払おうと子供の手を掴むが、子供の力だと思えないくらい強く握られて離れない。
なんでそんなに行かせたくないのか理解出来ない。
この子供は俺達の事をずっと見ていたなら分かっている筈だ、俺は大人しく出来るほど冷たい人間でも心が広い人間でもない。
また子供は「これだから恋愛童貞は」と言っていて、とうとう頭にきて子供の腕を振り払った。
本当の子供ならこんな事はしないが相手が神様だと子供ではないだろう。
アルトを助けてくれたことは感謝してる、でもだからこそ大切なアルトを守りたいんだ…今度こそ…
「だから!アルトを探しに行かなきゃいけないって言ってるだろ!」
「待ってればいいじゃん、行き違いになったらどうするの?」
そんな言い合いをしていた時、背中に衝撃と共に暖かな温もりを感じた。
すぐにそれがアルトだと分かった。
会いたかったその温もりを抱きしめた。
本当に会いたかった。
お互い体を少し離して見つめ合った。
その時違和感を感じた。
…なんで、アルトに?
その時あの少年が言っていたやばい事ってこれの事なのかって思っていた。
いや、ここが室内かどうかなんて分からないからそれは正しくない。
俺は本を読んでいた筈だ。
ここに来る時はいつも嫌な事が起きた後だ。
だから疑ってしまう。
またなにか間違えてしまったのではないのか。
今回は姫は無事な筈だから俺になにかあったのかもしれない。
立ち上がると砂嵐のテレビの横で動くものがあった。
「自家製の漬物って手間が掛かるんだよねぇ…美味しいけど」
フードの子供は何故か茶色いツボで漬物を作っていた、臭い。
ゲーム以外にもしているんだな、ここに住んでいるのか?
とりあえず、今回はどうやったら帰れるんだ?
もうやり直しをしないと言っていたが、そうなるともう二度と姫に会えなくなる。
俺は子供に近付くと子供はぬか漬けを作るのをやめてこちらを見た。
もう、会う事はないと思っていたんだけどな。
「どうしたの?座ってなよ」
「帰りたいんだ、帰る方法を知ってるか?」
「そう焦るなよ、今アルトは大事な事をしてる…それが終わったら会えるからさ」
そう言った子供は再びぬか漬けを作っていた。
姫がなにかをしている?なにかってなんだ?
この場所にいるのか?
子供はゲームをしていないという事は俺達になにかあったわけじゃない、そう思っていいのだろうか。
ツボを端に置き、台所の水を出して手を洗っていた。
台所なんて今まであっただろうか。
のんびりと「もうちょいでお湯が沸けるからこれでも食べて待っててな!」と俺の目の前に煎餅が入った器を置いた。
こんなところで長居はしてられない。
「アルトはこの世界にいるんだな」
「ん?あー、まぁね…多分上手くやったらここに来れるから待ってなよ」
「…それって、来れない場合があるって事か?」
俺の言葉に何も言わない子供に不安になる。
もしかしたら姫は危険な目に合ってるかもしれないのか、だとしたら助けに行かなくては…
二度と、誰にも傷つけさせない。
俺はそのまま歩き出そうとして何かに服の袖が引っかかった。
それを見ると子供の小さな手だった。
その手…漬物触ってなかったか?
「ちょい待てって、アルトなら大丈夫だって…信じて待てよ…好きなんだろ?」
「好きだからこそだ、アルトが困っているなら助けたい」
「…お前、あれか…童貞か」
馬鹿にしたような子供の声に眉を寄せる。
童貞ではない、アルト…姫とそういう行為をした事がある。
心が通じ合ってからはそんな暇はなくてしていなかったが…
そもそも童貞だと言うなら目の前の子供だろう。
その歳で経験なんてないし、神はそんな事をするのか?
子供だと言って大人をからかうもんじゃないだろと呆れたため息を吐く。
「あ、今いやらしい事考えてたでしょ?アルトに言っちゃうよ」
「………お前が先に言ったんだろ」
「俺が言ったのは恋愛童貞って事、アルト以外好きになった事がないから付き合い方が分からない…大人の余裕をアルトに見せたいけど、今のトーマ…ダサいよ」
なにか言い返したいのに言葉に詰まる。
仕方ないだろ、俺の初恋はアルトで…ずっと想い続けていたんだから…
ダサいと言われ、こんなに棘が胸に突き刺さる経験がなくて戸惑った。
確かにアルトを前にすると大人の余裕がなくなる時がある。
好きで、独り占めしたくて、俺を見てほしくて、大好きで…
俺は恋愛に関してはまだ子供なのだろうと思った。
「アルトはほっとくと大変な時かあるけど、信じて待つ事も愛だよ」
「…アルトの事は信じてる」
「そう?じゃあ今邪魔するなよ、アルトはトーマの全てを受け入れようとしている…これは愛の試練でもあるんだ、アレの正体が分からずアルトが怯えてしまったら殺されてしまうだろう」
「!?」
「…でも、信じて待つんだろ?」
俺の服の袖を下にくいくいと引っ張り、俺はされるがまま座った。
俺の前にさっきの煎餅を出した。
なにか食べる気にはなれず下を向く。
あのゲームは姫の行動を写してはくれないのだろうか。
ただ待つだけでも、とても苦しい。
姫はなにと戦っているのだろう。
「ねぇ、気になってたんだけどさ」
「……なんだ?」
「なんでアルトとか姫とかいろんな呼び方してるの?わけわかんなくならないの?」
煎餅を掴みボリボリと噛み砕きながら聞いてくる。
わけわかんなくはならないだろ、姫と呼ぶのはアルトだけなんだから…
でも特に意識はしていなかった、感情が高ぶるとアルトと呼んでいた気はするが…普通の時も呼んだりする。
どっちもアルトだから、アルトが嫌にならないのなら呼び名を統一する必要もないだろう。
それに姫と呼ぶのは多分俺だけだから特別な感じがして悪くない。
「別に…」と素っ気なく答えると自分から聞いたくせに興味なさげに「ふーん」と言ってノイズのテレビ画面を見つめている。
俺にはうるさい砂嵐にしか聞こえないがこいつにはなにが見えてるんだ?
「あ…マズイかも」
「…は?アルトになにかあったのか?」
俺の質問に答えず首を傾げる子供にどんどん不安になる。
なんだ?なにが起きているんだ?
その時だった、幻聴のようなものが聞こえた。
俺を呼ぶ、アルトの声だ。
それを聞きアルトになにかあったのではないかと不安が募る。
やっぱりただ黙って帰りを待ってられない。
俺とアルトは心が通じ合った恋人同士だろ、もうお互い一人なんかじゃない。
二人で解決出来る事は二人で解決すればいい…俺はそう思う。
恋愛童貞だと言われても構わない、まだ子供でいい…二人で大人になっていけばいい。
行こうと立ち上がると子供が俺の服の袖を掴んだ。
「どこ行くの?」
「…姫のところに……俺はもう待つのはごめんだ」
歩き出そうとするが強く掴まれて振り払おうと子供の手を掴むが、子供の力だと思えないくらい強く握られて離れない。
なんでそんなに行かせたくないのか理解出来ない。
この子供は俺達の事をずっと見ていたなら分かっている筈だ、俺は大人しく出来るほど冷たい人間でも心が広い人間でもない。
また子供は「これだから恋愛童貞は」と言っていて、とうとう頭にきて子供の腕を振り払った。
本当の子供ならこんな事はしないが相手が神様だと子供ではないだろう。
アルトを助けてくれたことは感謝してる、でもだからこそ大切なアルトを守りたいんだ…今度こそ…
「だから!アルトを探しに行かなきゃいけないって言ってるだろ!」
「待ってればいいじゃん、行き違いになったらどうするの?」
そんな言い合いをしていた時、背中に衝撃と共に暖かな温もりを感じた。
すぐにそれがアルトだと分かった。
会いたかったその温もりを抱きしめた。
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