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動き出す運命の歯車
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「ごめんなさい、嫌な思いをさせて…いつか、俺の事を信用してくれる時が来たら食べてほしいです」
「……」
何も言わないがそれでいい、これから信頼関係を築いていけたらいい。
リカルドを落ち着かせると小さな声で「悪い」と謝った。
食事を再会させて、ちょっとぎこちない空気のまま解散した。
騎士さんは料理に手を付けなかったからリカルドが食べた。
食器を洗う俺はベランダにいる騎士さんを見つめる。
ゲームキャラに騎士さんはいない、シグナム家の使用人だからだろうか…しかし俺の護衛だったら俺からその話が少しでもあっていいものだ。
この人は…もしかして本来ゲームにはいないキャラ?
このまま行けばなにか変わってしまうかもしれない。
ゲームが変われば何処に死亡フラグがあるかバッドエンドがあるか分からない。
最後の皿を拭き終わり食器棚に入れて騎士さんがいるベランダに近付いた。
騎士さんはまっすぐ見つめていた、あの方向は騎士団の寄宿舎がある場所だ。
考えすぎだったら良いけど…
「あの、やっぱり俺…一人でも大丈夫です」
「………」
「護衛はいりません」
「…シグナム家の当主の命令だ、俺にはどうする事も出来ない」
確かにそうだ、なら父に話した方がいいのだろう。
……今までずっと怖くて無意識に避けてしまっていたが、直接話すいい機会なのかもしれない。
父が何をしようとしているのか、この前姉を呼び出した時に何を言ったのか……話してくれないかもしれないがゲームのために少しでも情報がほしい。
昔だったら門前払いだったかもしれないが護衛を付けてくれた今なら少しは息子と認めてくれていたらいいな。
騎士さんに「父に会いたいと、伝えてもらえますか?」とお願いすると騎士さんは何も言わずベランダから飛び降りた。
慌てて下を見ると走り去る騎士さんがいて凄い身体能力だと感心する。
二階でも飛び降りたらあんなに早く走れないぞ普通…
父に伝えに行ったのだろうか、俺は騎士さんが帰ってくるまで起きてようと思い机に勉強道具を置いたところで部屋のチャイムが鳴った。
俺に客が来て、リカルド達が忘れ物をしたのかと玄関に向かった。
そしてドアを開けて思ってもみなかった人物がそこにいた。
「…ガリュー先生、どうしたの?」
「遅くに悪いな、シグナム家の急用って言ったら坊っちゃんの部屋番号を管理人に聞いたんだ」
いつもとなにかが違う事はすぐに分かった。
姉の報告ならガリュー先生は次の日の夕方ぐらいにロビーに居て俺に報告する、いつもなら…
だからわざわざ部屋に訪れる事もない、しかもこんな夜遅くに…
急用ってなにかあったんだろうか、シグナム家の裏側はゲームでは語られてないからなにがあったのか分からない。
…でも多分、今日だったんだ…アレは…
ガリュー先生は自分が着ていた上着を脱ぎパジャマ姿の俺の肩に掛けた。
「外はまだ冷える、少し外に出ないか?」
「……はい」
寮で話すのはマズい話なのか、それともこの寮に入れない人物が外で待っているのか……この女人禁制の男子寮に…
騎士さんがいなくて良かった、もし居たらゲームが変わってしまったかもしれなかった。
騎士さんが戻る前に話を終わらせよう。
寮の外に出ると、自分と同じ黒髪が風に靡きこちらをジッと見つめる少女がいた。
ガリュー先生は話に入らないように少し離れたところに移動する。
姉は俺を見ている、その瞳には怒りが溢れて止まらないように感じた。
「私、殺したいほど憎い女がいるのよ…私の大切な人を奪ったあの女……アルト、あの女を殺しなさい…力がなくたって男と女なんだから…アンタの方が力は上でしょ」
「……分かった」
静かに応えると用件だけを言った姉は悪い顔で笑いガリュー先生に手を上げて帰る合図をした。
俺が動く時がやって来たようだった。
本当は姉をゲームが始まる前に止めたかったが学園内までは姉がどういう行動をして、どういう考えか分からなかった…いつも終わった後に聞かされていた。
でも今は姉の傍にいる、直接悲劇を止める事が出来る。
今この場で断るのはいい判断とは言えない、姉はすぐに俺を切り捨て…別の使用人に頼むだろう…そしたらまた自由に姉の傍に居て止める事が出来なくなる。
だから俺は頷いた、勿論ヒロインを殺すどころか傷一つ付けるつもりはない。
俺はガリュー先生に上着を返すと心配そうに見ていた。
俺が人を傷付けるところを見たくないんだろう、俺は心配させないように笑った。
「俺は大丈夫です、だから…姉をいつものように見守っていただけますか?」
「……なにかあったら遠慮せず言えよ」
俺は頷き、歩き出したガリュー先生と姉に手を振った。
さて、自分はヒロインを殺そうとするフリをしないといけない。
ヒロインに何もしなかったと分かれば切り捨てられる。
幸いゲームでは失敗しても姉と俺は一緒にいた。
実際フリとはいえ襲ったら騎士団の人に恨まれ、死亡フラグだろう。
だから向こう側にも協力者が必要だ。
やはりゲームの鍵を握っている彼に頼む方がいいだろう、父にも会わなくてはいけないが姉が何時実行するか読めない…ゲームでは普通の日常の時に襲いかかるから何日後か分からない。
早めに彼に会った方がいい……そしてきっと彼の協力なしでは姉を更正出来ない。
彼に惚れている姉だからこそだと思う。
遠くから人影が見えた。
彼もどうするか考えなくてはいけないだろう。
シグナムの使用人なら俺がトーマと知り合いだとバレたら大変な事になる。
一気に忙しくなるなと思いながら騎士さんの方に歩く。
「……」
何も言わないがそれでいい、これから信頼関係を築いていけたらいい。
リカルドを落ち着かせると小さな声で「悪い」と謝った。
食事を再会させて、ちょっとぎこちない空気のまま解散した。
騎士さんは料理に手を付けなかったからリカルドが食べた。
食器を洗う俺はベランダにいる騎士さんを見つめる。
ゲームキャラに騎士さんはいない、シグナム家の使用人だからだろうか…しかし俺の護衛だったら俺からその話が少しでもあっていいものだ。
この人は…もしかして本来ゲームにはいないキャラ?
このまま行けばなにか変わってしまうかもしれない。
ゲームが変われば何処に死亡フラグがあるかバッドエンドがあるか分からない。
最後の皿を拭き終わり食器棚に入れて騎士さんがいるベランダに近付いた。
騎士さんはまっすぐ見つめていた、あの方向は騎士団の寄宿舎がある場所だ。
考えすぎだったら良いけど…
「あの、やっぱり俺…一人でも大丈夫です」
「………」
「護衛はいりません」
「…シグナム家の当主の命令だ、俺にはどうする事も出来ない」
確かにそうだ、なら父に話した方がいいのだろう。
……今までずっと怖くて無意識に避けてしまっていたが、直接話すいい機会なのかもしれない。
父が何をしようとしているのか、この前姉を呼び出した時に何を言ったのか……話してくれないかもしれないがゲームのために少しでも情報がほしい。
昔だったら門前払いだったかもしれないが護衛を付けてくれた今なら少しは息子と認めてくれていたらいいな。
騎士さんに「父に会いたいと、伝えてもらえますか?」とお願いすると騎士さんは何も言わずベランダから飛び降りた。
慌てて下を見ると走り去る騎士さんがいて凄い身体能力だと感心する。
二階でも飛び降りたらあんなに早く走れないぞ普通…
父に伝えに行ったのだろうか、俺は騎士さんが帰ってくるまで起きてようと思い机に勉強道具を置いたところで部屋のチャイムが鳴った。
俺に客が来て、リカルド達が忘れ物をしたのかと玄関に向かった。
そしてドアを開けて思ってもみなかった人物がそこにいた。
「…ガリュー先生、どうしたの?」
「遅くに悪いな、シグナム家の急用って言ったら坊っちゃんの部屋番号を管理人に聞いたんだ」
いつもとなにかが違う事はすぐに分かった。
姉の報告ならガリュー先生は次の日の夕方ぐらいにロビーに居て俺に報告する、いつもなら…
だからわざわざ部屋に訪れる事もない、しかもこんな夜遅くに…
急用ってなにかあったんだろうか、シグナム家の裏側はゲームでは語られてないからなにがあったのか分からない。
…でも多分、今日だったんだ…アレは…
ガリュー先生は自分が着ていた上着を脱ぎパジャマ姿の俺の肩に掛けた。
「外はまだ冷える、少し外に出ないか?」
「……はい」
寮で話すのはマズい話なのか、それともこの寮に入れない人物が外で待っているのか……この女人禁制の男子寮に…
騎士さんがいなくて良かった、もし居たらゲームが変わってしまったかもしれなかった。
騎士さんが戻る前に話を終わらせよう。
寮の外に出ると、自分と同じ黒髪が風に靡きこちらをジッと見つめる少女がいた。
ガリュー先生は話に入らないように少し離れたところに移動する。
姉は俺を見ている、その瞳には怒りが溢れて止まらないように感じた。
「私、殺したいほど憎い女がいるのよ…私の大切な人を奪ったあの女……アルト、あの女を殺しなさい…力がなくたって男と女なんだから…アンタの方が力は上でしょ」
「……分かった」
静かに応えると用件だけを言った姉は悪い顔で笑いガリュー先生に手を上げて帰る合図をした。
俺が動く時がやって来たようだった。
本当は姉をゲームが始まる前に止めたかったが学園内までは姉がどういう行動をして、どういう考えか分からなかった…いつも終わった後に聞かされていた。
でも今は姉の傍にいる、直接悲劇を止める事が出来る。
今この場で断るのはいい判断とは言えない、姉はすぐに俺を切り捨て…別の使用人に頼むだろう…そしたらまた自由に姉の傍に居て止める事が出来なくなる。
だから俺は頷いた、勿論ヒロインを殺すどころか傷一つ付けるつもりはない。
俺はガリュー先生に上着を返すと心配そうに見ていた。
俺が人を傷付けるところを見たくないんだろう、俺は心配させないように笑った。
「俺は大丈夫です、だから…姉をいつものように見守っていただけますか?」
「……なにかあったら遠慮せず言えよ」
俺は頷き、歩き出したガリュー先生と姉に手を振った。
さて、自分はヒロインを殺そうとするフリをしないといけない。
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幸いゲームでは失敗しても姉と俺は一緒にいた。
実際フリとはいえ襲ったら騎士団の人に恨まれ、死亡フラグだろう。
だから向こう側にも協力者が必要だ。
やはりゲームの鍵を握っている彼に頼む方がいいだろう、父にも会わなくてはいけないが姉が何時実行するか読めない…ゲームでは普通の日常の時に襲いかかるから何日後か分からない。
早めに彼に会った方がいい……そしてきっと彼の協力なしでは姉を更正出来ない。
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