ぶっとんだ男

タニマリ

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ぶっとんだ男

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夢敗れた───────


私は今日、夜行バスに乗って田舎に帰る。

上京したての頃は良かった。
たまたま受けた広告のオーディションでテレビCMのお仕事が決まり、大手のモデル事務所にも入れた。

正直内心チョロいなとか思ってた。

でもその後が全然続かなかった……


よくよく周りを見渡せば、私より可愛い子なんてたくさんいた。
都会ってみんなレベルがすごい。
石を投げれば可愛い子に当たる。


なんかもう…
やり直すなら若い方がいいやと思って諦めた。


バスの発車時刻は22時50分。まだまだだ。

事務所を辞め、アパートも引き払った。
金もない。行くあてもない……


「……あぁ、ヒマ。」

ため息とともにつぶやいてしまった。



どこからか猫の鳴き声が聞こえた。
野良猫かな……
周りを見渡すとふわふわのぬいぐるみみたいな白いネコが私にかけより、膝の上にチョコんと座った。

「か、可愛いっ。」
なんてこった。
都会はネコまでレベルが高い。

迷子かな?
すごく高そうな猫…絶対私よりいいもん食ってる。

「あなたはペルシャネコ?それともヒマラヤン?」
私は猫の喉をゴロゴロ撫でながら聞いてみた。


「ラグドールだ。」


猫の飼い主らしき男の人が立っていた。
おそらくフルオーダーのスーツだろう…
少し光沢のある生地が体にピタッとフィットし、とても高級感があった。
ツーブロックを入れたショートレイヤーベースの髪型はやり手の実業家という雰囲気をかもし出している。

この猫にピッタリな、いかにも金持ってますって感じの自信ありげな人だった。
私とそう年は変わらないと思うんだけど…
成功する人は成功するのね。


「なんだおまえ?今から海外旅行でも行くのか?」
金持ち男は私が持っている大量の旅行バックやらリュックやらを見て聞いてきた。

「にしてはヒマそうに座ってるな。夜逃げか?」

夜逃げって。初対面の人に向かって失礼なやつだ。
まあそんなもんかもしれない。


「田舎に帰るんです。夜行バスに乗って。」
私はそう言って猫を抱かえて金持ち男に渡した。
でも受け取ろうとする気配がない…


「おまえにはこれから3つの選択肢がある。」
「はい?」
金持ち男がいきなり三択クイズを言いだした。

「まず一つ目、夜行バスの時間までここでアホづら下げて時間を潰す。」
はあ?アホづらって…
こいつ口悪い。

「二つ目、割愛。」
何それ、ちゃんと言えよ。

「三つ目、俺と今から夜まで付き合え。」
「えっ……?」



「白石、こいつの荷物を運べ。 」
「はい、社長。」
白石と呼ばれたメガネの中年男性が私のスーツケースをガラガラと運び出した。
この人、いつからいたんだろう…

いやいや、今はそんなこと気になってる場合じゃない。

「あのっ、私まだ答えてませんよね?」
「俺の誘いを断る女がどこにいる?答えを待つだけ時間の無駄だ。」
なんなのこいつのこの自信はっ。
なんだこれは…新手のナンパか?
いや、待てよ。人さらいかもしれないっ。

「茶々丸持ってついてこい。そいつは俺が触ろうとすると逃げる。」
ちゃ、茶々丸?
どうやら猫の名前らしい。随分可愛い名前をつけている。
猫好きみたいだし…悪い人ではないのかな?

茶々丸を抱いてついていくとロールスロイスのリムジンが停車してあった。まさか……

「乗れ。俺の車だ。」
「やっぱり私いいですっ!」

「何がだ?」
金持ち男がムッとしながら聞いてきた。

「だって意味がわからないですっ。いきなり付き合えとかロールスロイスとか!」
金持ちオーラに圧倒されてびびってしまった。

「……茶々丸は誰にも懐いたことがない。だから少しおまえに興味が沸いた。」

えっそうなの?
すごく人懐っこいんだけど…
茶々丸は私の腕の中でずっとスリスリしてきていた。

「それに今俺は非常に退屈だ。乗れっ。」
もう一度強く命令されてしまった。
この冬空の中、何時間もあの場所で座っているのは正直つらかった。

リムジンを運転しているのはとても人の良さそうな柔和な白髪の紳士だった。
大丈夫そうかな……

私は車に乗り込んだ。






「おまえ名前はなんだ?」

金持ち男が窓の外の景色を見たまま尋ねてきた。
なんかあんまり興味なさそうなんだけど…

私は芸名を如月《きさらぎ》キララと名乗っていた。
キラキラ過ぎてあまり好きではない。
それにもう事務所も辞めてしまったし…

でも本名もダサいと言われる。
大好きなおばあちゃんが付けてくれた大事な名前なのに……

「名前はっ?」
もう一度強く聞かれてしまった。

「……木村 良子《よしこ》です…」
「良子か。いい名前じゃないか。」

ビックリした。

絶対バカにするタイプだと思っていたからだ。
「ありがとうございます。」
ちょっと嬉しかった。案外良いやつかも…

「さっきから俺に二度同じことを言わすな。クソが。」
あっ、やっぱりこいつサイアク……



「社長、これから石橋グループの会長と会食が入っていますが?」
向かい合わせの席に座っている白石さんがノートパソコンをいじりながら話しかけてきた。
「断っておけ。」

「その後の社内コンペは?」
「出ない。」

うん?あれ?
さっきは退屈だとか言ってなかった?

「今日の予定があと7件ほどございますが…」
「全部キャンセルだ。」

ええええええええええええっ?!

「私、やっぱりいいです!」
ちょうど赤信号で止まったので私は外に出ようと車のドアをガチャガチャと触った。
すぐに金持ち男に手を強く握られ引き止められてしまった。

「人の予定を真っ白にしといて逃げる気かっ!!」

知らないよっあんたが勝手にやったんじゃんっ。
ヒマだと思ったら予定パンパンに詰まってるじゃん!


「なんなんですか、ホントに…なんなの?」
私が泣きそうな目でじっと金持ち男を見つめていると、男の頬が赤くなった。

「……別に。たんなるヒマ潰し…」
だからあんたヒマじゃないよね?
金持ち男の道楽か?
私がそんな安っぽい女に見えたんだろうか…
確かに茶髪の長い髪をクルクルに巻いてキャバ嬢みたいな服装をしている。
でもこれは事務所の方針だ。
したくってしてるわけじゃない。むしろいやだ。

金持ち男は私が逃げ出さないようにと掴んだ手を、ずっと離してくれなかった。



ぎゅるるるる~っ。


私は一気に真っ赤になった。
私のお腹の虫が鳴り響いたからだ。
昨日から何も食べてない。

「なんか食うか?」
金持ち男が笑いをこらえながら聞いてきた。
「……はい。お願いします。」
これ以上腹の虫を聞かれるのは耐えられそうにない。

「白石。」
「ここからならLINOが近いかと。イタリアンのお店で女性が好きな内装かと。」
「そこでいい。」

LINOって聞いたことある。
超高級店で人気があって予約なんて取れないんじゃ…

私の心配を他所に車は店の裏通りで横付けされた。



「お待ちしておりました加賀見《かがみ》様。」
店のオーナーらしき人が待ち構えていて私達を裏口から個室の部屋へと通してくれた。

これが噂に聞くVIP待遇というやつか…
なんか悪いことしてるような気がした。


「名前って…加賀見なんていうんですか?」
なんか聞き覚えのある名前だった。
この人有名人かもしれない。
いろいろ、浮世離れしてるし…

横にいた白石さんが名刺ケースを出して金持ち男に渡そうとしたのだが制止した。

「ケイでいい。ケイと呼んでくれ。」
ケイが白石さんに目で合図を送ると、白石さんはお辞儀をして個室から出ていった。


個室でケイと二人っきり……


「妙な気起こすなよ。」
「はあ?!こっちのセリフだし!」
ケイは笑いながら私にメニューを渡してくれた。

「なんでも食え。隣りでぎゅるぎゅる言われたら堪らん。」
赤くなった私を見てケイはまた笑った。




「ケイって家がお金持ちなの?」
私の質問にケイはムッとしてパスタをからめていたフォークを置いた。

「俺の家は普通のサラリーマンだ。俺は学生の頃にネットでデイトレードをして設けたお金で先物取引をして今の会社をここまで大きくした。」
よくわからない単語がいっぱい出てきた。

「俺には先見の明がある。今までこれが売れると思って外れたことはない。」
ケイの全身から自信に満ちたオーラが出てるように見えた。

「親には反対にバカでかい家を買ってやった。以上!」
そう言ってまたパスタを食べだした。


すごいなこの人……
ケイを見てると自分が情けなくなってきた。


まだ親には事務所を辞めたことも今日夜行バスで帰ることも伝えてない。
おばあちゃんは私がCMに出た時泣いて喜んでくれた。
ずっとテレビにかじりついて見ていてくれたらしい。

私がこのまま帰ったら悲しむだろうな……



「良子っ。」
急に名前を呼ばれて我に返った。
「俺と一緒にいるくせに暗い顔するな。」
そんなことを言われても……

「2分で食え。次の料理いくぞ。」
えええっ!!まだ半分も食べてないのに!

必死で食べ始めた私を見てケイが吹き出した。
「……冗談だ。おまえホント面白いな。」
こいつっ……!







「おまえにはこれから5つの選択肢がある。」
ケイがまた選択クイズを出し始めた。


「まず一つ目、俺と映画を見に行く。俺が見たい映画がある。」
何の映画かの選択権は私にはないのね。

「二つ目、割愛。」
これ入れる意味ある?

「三つ目、VR。」
VRとはバーチャルリアリティのことだっ。
これ面白そうかも!

「四つ目、スカイツリー。」
いつも見上げるだけでいつか行きたいとは思ってたんだ。

「五つ目、猫カフェ。」
可愛いの来た──────!


「どれがいい?」
「えっと……えっと…」
早く決めないと、また無駄な時間と怒られそうだ。
でも悩む……う~ん。


私の意見など無視してケイが口を開いた。
「答え、全部行く。」

「えぇ?今から全部?!」
「そうだ。全部だ。」
ケイが自信ありげにニッと笑った。

「白石。」
白石さんがケイの隣りでノートパソコンのキーボードをカチャカチャと叩き出す。
この人、いつの間に来たんだろう?
忍者みたいだ。

「準備完了です。あと10分で食べ終えて下さい。」

ケイはコース料理だったものをデザートまで全部持ってこさせた。

せっかくの高級料理…味わうどころじゃなかった。





まず映画館。

広い映画館には私達が二人っきりだった。
どうも貸し切ったらしい…

ケイが見たいと言っていた映画は意外にも外国の純愛ものだった。
ケイが隣で泣くのでハンカチを差し出したら泣いてないっと言われた。
なんの強がりだろう。


次にVR。

また貸し切ろうとしたので止めた。
せっかく遊ぼうとして来た子供が可哀想すぎる。
ケイは私に負けると自分が勝つまで何度も同じゲームをした。
子供みたいだ。


次はスカイツリー。

この頃にはすっかり日も暮れて眼下に広がる街がキラキラと輝いていた。
ケイはあまり夜景には興味なさそうだった。住んでる部屋からこれと似たようなのが見えるらしい…

私、この街に5年間いたんだ─────
よく頑張ったと思う……うん、頑張った。
ちょっと泣きそうになった。


最後は猫カフェ。

ケイは一番ここが楽しそうだった。
やっぱり猫好きなんだな。
そのカフェにいる聞いた事のないような猫の種類も全部言い当てた。
てか猫の名前も全部言えた。
どうやらここの常連さんらしい…
帰り際、ここにいる猫を全部買って連れて帰ると言い出したので止めた。


この人、ホントぶっとんでる。





「もうすぐバス停に着きますので。」
リムジンの中で白石さんが言った。
時刻は22時40分。
バス出発まであと10分だ。
車はバス停のすぐ近くで停めてくれた。

「ありがとうございました。今日はすごく楽しかったです。」
私はみんなにお礼を言った。
あのままあのベンチにいたら暗い気持ちのままでバスに乗っていただろう。

ケイはちょっと怖い顔で黙ったまんまだった。

「じゃあ……」
バスの出発まであと少しだ。荷物を入れないといけない。
私はケイに背中を向け、歩き出した。



「おまえ本当にこのまま帰るつもりか?」



ケイの声が夜空に響く──────

「テレビ見るしか楽しみのない車椅子のばあさんに自分が映ってる姿見せたいんじゃなかったのか?」

それは…………


「……なんでケイがその話を?」
今日その話はしなかったはずだ。
いや、私の仕事の話自体してなかったはずなのに。

ケイは私のところまで来て自分の名刺を渡した。


ケイの会社名は私が上京した時に受かった、あのCMの会社の名前だった。


「自分が仕事した会社の社長の顔くらいチェックしとけ。だからダメなんだ。負け犬が。」
「なっ……」


「最終審査に残ったやつらのビデオを見た時、一目でおまえだと決めた。こいつは売れるやつだってな。」

ケイは大袈裟にため息をついた。
「それが何だこの体たらくは!事務所も辞めて、のこのこ田舎に逃げ帰るだなんて。ガッカリだっ。」

そんなこと言われたって……
私だって何もしてなかったわけじゃない。
何回落ちてもオーディションに行った。
小さな仕事でも一生懸命した。
お金なんてなかったけど、それでも自分磨きは手を抜かなかった。

でも私より可愛い後輩にどんどん追い抜かれていく……
それでも頑張れるとこまでは頑張ったんだ。

「だいたいなんだあのふざけた名前は。本名でやれ。」
だって本名じゃ売れないって言われたんだもん。
なんだよ。自分だって猫に茶々丸って付けてるくせに。

「それにそのチャラチャラした格好はなんだ?おまえあん時はショートで黒髪だっただろう?」
だって事務所がこうしろって言ったんだもん……


「泣くな良子っ。俺がいじめてるみたいだろ!」
だって……



いや…

私だ。

全部私が悪い。
私の努力が足りなかったんだ。


私だってこんな偽りの姿じゃなくて本当の自分で頑張りたかった。
それを強く望めば叶えられたかもしれないのに流された自分が弱かったんだ。



「俺には先見の明がある。今までこれが売れると思って外れたことはない。」




「……ケイ…」

ケイは私を見つめながら、強い口調で言った。





「諦めるなっ。」






ケイの姿が涙で霞む……

私はもうとっくに自信なんて失っていたのに。
ケイはまだ私のことを信じてくれている。
粉々に砕けてしまった私の夢を、ケイが優しく拾い集めてくれた気がした。

「……諦めたくない。ホントは諦めたくなんかない…」


でももう遅い。私は事務所を辞めてしまった。
今更諦めずに再び頑張ろうと思っても、もう引き返せないのだ。

「諦めるしかないよ。事務所辞めちゃったもん…」
「そんなもん社長に土下座してでもまた契約してもらえ。」

「無理だよ…」
「無理じゃない。今すぐ頼んでみろ。」

「今すぐ?」
「ああ、この俺に。」
はい?


「おまえが入っていた事務所は俺がのっとった。」
えっ……

ええええええええええええっ?!





「おまえにはこれから3つの選択肢がある。」
ケイがまたいきなり三択クイズを言い出した。


「まず一つ目、夜行バスでそのアホづら下げて帰る。」


「二つ目、割愛。」




「三つ目……俺に頼んで夢を掴み直せ。」





「…ケイ……夜行バス出発した。」
「じゃあ一つ目はなしだ。まあもともと三つ目しか選ぶことは許さんがな。」

「何それ……選択にする意味ないじゃん。」
涙が止まらない。

「どうする?一応言っとくが土下座は冗談だからな。」

私は涙を拭き取り、ケイに向き直った。



「頑張るので、もう一度私を雇って下さいっ!」




そう言って深々と頭を下げた────




「よし、合格!それじゃあ今からその髪を切りに行くぞ。」
「えっ、今から?!」

もうすぐ23時だ。
開いてる美容室なんてあるのだろうか?

「おいっ白石!」
白石さんが慌ててノートパソコンで調べ始める……
白石さん、ずっとこき使われて可哀想だ。








「今日はこれで仕事終わりです。お疲れ様でした。」

私はあれから仕事がたくさんもらえ、忙しくなった。
髪を元の黒髪でショートにしたら人気が出てきたのだ。
名前もYOSHICOと改名した。

私のマネージャーは白石さんがしてくれた。
白石さんのマネジメント力はすごいとしかいいようがない。
常にそばにぴたっと寄り添い気を遣ってくれた。

私が恐縮してお礼を言うと、加賀見社長より全然ラクですと言われた。
確かに……納得である。

白石さんの代わりに新しく雇った秘書はみんな辞めていってるらしい。



私のマンションまで車で送ってくれた白石さんにお礼を言って別れた。
あの日宿無しになった私にケイが事務所の子達の寮用として用意してくれたものだ。


明日は久しぶりの休みだ。
何しよっかな~。



「久しぶりだな、良子っ。」
部屋のドアを開けるとケイがいた。

なんでいる?

「おまえが出てる新しいCM見たぞ。可愛かったな。」

だからなんでいるの?



「おまえにはこれから5つの選択肢がある。」
ケイがいきなり五択クイズを言いだした。
相変わらずである。


「まず一つ目、これから明日の休み中俺と一緒に過ごす。」

「二つ目、割愛。」

「三つ目、これから明日の休み中俺とデートする。」

「四つ目、これから明日の休み中俺と出かける。」

「五つ目、これから明日の休み中俺と遊ぶ。」


同じ内容だと思うんだけど……
「どれがいい?」

もう……ホント、ぶっとんでる。


「ケイ、気になってたんだけど二つ目の選択いる?」
「何でだ?」
「いつも割愛って…省略するなら意味ないじゃん。」

「意味はある。最初から二つ目には同じ選択が入っていたんだが、それを言うとおまえはそれを選んでしまうからあえて割愛してたんだ。」
私が選ぶ選択?

「それって何?」
なんだか内容がすごく気になる。


「俺の嫁さんだ。」


──────────ぶはっ!!

思わず吹いてしまった。
「おまえそこは笑うとこじゃないだろ。」
だって、ちょっと赤くなって照れてるのが可愛いんだもん。

「クソっ…言うんじゃなかった。」
すねたようにケイがそっぽを向いた。

「まあ二つ目は考えとく。」
「マジか?!」
ケイの顔がパッと明るくなった。

「良子はきっといい嫁さんになると思うんだ。」
「それも先見の明?」

「いや、俺の願望。俺以外の嫁さんは許さん。」


ホントにケイって……



「今から出かけるぞ。おまえと行きたいところがいっぱいある。おいっ白石!」
ケイは電話で白石さんを呼びだした。

あっ……白石さん可哀想…



この後ずっとこれでもかってくらい私はケイに連れ回された。
仕事の方がラクなくらいしんどかったが、すっごく楽しかった。



私が好きな人…



ホント、ぶっとんだ男だ────────





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