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第1勝~始まりの王都〜
父の足跡と再会
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「では私達はここまでだからあとはごゆっくりしてね」
そう言うとサキとハウは去っていった。
「ふぅ…今日はすごい1日だったなぁ…」
家を失い、騎士とぶつかり、ハウと戦い、新しい家が見つかった。ただ1つ父のことで気がかりがあった。ハウとの戦いのあと、お父さんから何か言われてないかと聞いてみたのだ、そしたら…
《あぁ、俺の子が家を失ってお前のところに訪ねてくるから、そん時はよろしくな…っとしか言われてないな》
つまりは私が家を失うことをお父さんは知っていたということになる。失うと知っておきながら家を任せたというなんて…なんていう親だ。
「もう、お父さん何処にいるのよ…」
~回想
あれは私が7つの時だった、お父さんと2人で武器屋を営んでいたのだが、突然お父さんは
「ちょっと仕事に行ってくるよ、この家を任せた。がんばれよ」
っと言い出して家をあとにした。明日には帰ってくると信じて待っていたが、季節が変わっても帰ってこなく、ある時は泣き崩れ営業できない日もあったが、月日がたつと涙は枯れていき私は立派な商人として育っていった。そして10年がたち、いまにいたる。
~
「10年かぁ…長かったなぁ」
…コン……コン………
そんな昔を思い出していると窓に何かがぶつかる音が聞こえた。私はそれが小石だということが分かり、窓が傷つくから止めさせないとと思い、窓を開けた。
「ちょっと!石投げないで…イタッ!」
開けた瞬間、丁度自分の頭に石が当たった。体は頑丈な方だが地味に痛かった。
「あ!す、すまん!!大丈夫かぁ!?」
そこにいたのは木の枝に座っている猿…ではなくハウの店の前でぶつかった騎士様であった。
「大丈夫ですけど…なんで貴方がここに?」
そう言うと騎士様は少し困った顔をした。
「えーと、話せば長いんだが…」
「短くお願いします」
騎士様の話によると、途中で忘れ物に気づいて戻ってきた時に、たまたま私とハウが戦っている場所に出くわしたらしい、そこで私がハウから剣を取ったところを見て
「ぜひ自分の側近になってもらいたい…と思った…?」
「そういうことだ、飲み込みが早いな!」
いや、むしろ逆である。まず、側近ということはこの人は偉い人なのだろうか。まったくこの人のことがわからない。
「側近をつけるくらいだから貴方は偉い人ですか?」
そういうと騎士様は先程まで笑顔だった顔とは一変、真剣な顔になった。
「これは失敬、名乗ってなかったな。俺はリアフィス王国の王子レイだ。気軽にレイと呼んでくれ」
いや、いやいやいやいや。王子様の側近をしろってことだよね、無理だよ、無理、絶対…
「無理です」
「え?」
「いや、だから王子の側近とか無理なんで…」
そういうとレイは思ってもみなかった反応がショックだったのか、固まった状態になった。そして木の下からは笑い声が聞こえてきた。
「ふははは」
「振られましたねレイ」
「お、お前ら笑うんじゃねぇ!」
下にいたのはレイと一緒に店にいた側近らしき人達だった。その2人に笑われてレイの顔は見る見るうちに赤くなっていった。まるで子供のようだ。
「と、とにかく。俺は諦めないぞ、お前を側近にするまでは俺もここに住むからな!」
「ご、ご自由に…」
そう言うとレイは早速住む手続きをするためオーナーの家へ向かった。すると長身の側近が木を登ってそばに来た。
「俺はレクト、うちのレイがすまなかった。あいつは一度言い出すと止まらない性格でな。君には迷惑をかける」
「は、はぁ…」
「でも、君の腕は確かだ。ぜひ君にはレイを守る剣の1つになってもらいたい」
真っ直ぐな瞳からは真剣さが伝わってきた。この人の顔に免じて側近の件をもう一度考えてみることにした。
「か、考えてみます…」
「ありがとう」
レクトは木から降りて私に一礼をしてから立ち去っていった。さっきので疲れが一気にきたのか眠気が襲ってきた。
「やばい…もう寝ようかな…疲れたぁ…」
そして私は深い眠りに落ちた。
そう言うとサキとハウは去っていった。
「ふぅ…今日はすごい1日だったなぁ…」
家を失い、騎士とぶつかり、ハウと戦い、新しい家が見つかった。ただ1つ父のことで気がかりがあった。ハウとの戦いのあと、お父さんから何か言われてないかと聞いてみたのだ、そしたら…
《あぁ、俺の子が家を失ってお前のところに訪ねてくるから、そん時はよろしくな…っとしか言われてないな》
つまりは私が家を失うことをお父さんは知っていたということになる。失うと知っておきながら家を任せたというなんて…なんていう親だ。
「もう、お父さん何処にいるのよ…」
~回想
あれは私が7つの時だった、お父さんと2人で武器屋を営んでいたのだが、突然お父さんは
「ちょっと仕事に行ってくるよ、この家を任せた。がんばれよ」
っと言い出して家をあとにした。明日には帰ってくると信じて待っていたが、季節が変わっても帰ってこなく、ある時は泣き崩れ営業できない日もあったが、月日がたつと涙は枯れていき私は立派な商人として育っていった。そして10年がたち、いまにいたる。
~
「10年かぁ…長かったなぁ」
…コン……コン………
そんな昔を思い出していると窓に何かがぶつかる音が聞こえた。私はそれが小石だということが分かり、窓が傷つくから止めさせないとと思い、窓を開けた。
「ちょっと!石投げないで…イタッ!」
開けた瞬間、丁度自分の頭に石が当たった。体は頑丈な方だが地味に痛かった。
「あ!す、すまん!!大丈夫かぁ!?」
そこにいたのは木の枝に座っている猿…ではなくハウの店の前でぶつかった騎士様であった。
「大丈夫ですけど…なんで貴方がここに?」
そう言うと騎士様は少し困った顔をした。
「えーと、話せば長いんだが…」
「短くお願いします」
騎士様の話によると、途中で忘れ物に気づいて戻ってきた時に、たまたま私とハウが戦っている場所に出くわしたらしい、そこで私がハウから剣を取ったところを見て
「ぜひ自分の側近になってもらいたい…と思った…?」
「そういうことだ、飲み込みが早いな!」
いや、むしろ逆である。まず、側近ということはこの人は偉い人なのだろうか。まったくこの人のことがわからない。
「側近をつけるくらいだから貴方は偉い人ですか?」
そういうと騎士様は先程まで笑顔だった顔とは一変、真剣な顔になった。
「これは失敬、名乗ってなかったな。俺はリアフィス王国の王子レイだ。気軽にレイと呼んでくれ」
いや、いやいやいやいや。王子様の側近をしろってことだよね、無理だよ、無理、絶対…
「無理です」
「え?」
「いや、だから王子の側近とか無理なんで…」
そういうとレイは思ってもみなかった反応がショックだったのか、固まった状態になった。そして木の下からは笑い声が聞こえてきた。
「ふははは」
「振られましたねレイ」
「お、お前ら笑うんじゃねぇ!」
下にいたのはレイと一緒に店にいた側近らしき人達だった。その2人に笑われてレイの顔は見る見るうちに赤くなっていった。まるで子供のようだ。
「と、とにかく。俺は諦めないぞ、お前を側近にするまでは俺もここに住むからな!」
「ご、ご自由に…」
そう言うとレイは早速住む手続きをするためオーナーの家へ向かった。すると長身の側近が木を登ってそばに来た。
「俺はレクト、うちのレイがすまなかった。あいつは一度言い出すと止まらない性格でな。君には迷惑をかける」
「は、はぁ…」
「でも、君の腕は確かだ。ぜひ君にはレイを守る剣の1つになってもらいたい」
真っ直ぐな瞳からは真剣さが伝わってきた。この人の顔に免じて側近の件をもう一度考えてみることにした。
「か、考えてみます…」
「ありがとう」
レクトは木から降りて私に一礼をしてから立ち去っていった。さっきので疲れが一気にきたのか眠気が襲ってきた。
「やばい…もう寝ようかな…疲れたぁ…」
そして私は深い眠りに落ちた。
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