8 / 73
忙しい1日
しおりを挟む
「なんだ……?」
クッタさんは何か良からぬ予感がしているのか怪訝な顔をしながら土煙が舞う方を凝視する。
「まさかまた……」
見るとトーラさんの顔が一気に青ざめていく。
「くそ……!またコドクグモのやつらだったら……!」
言うとトーラさんは腰のナイフを取り出し駆け出そうとする。
「トーラくん!大丈夫なのか!?」
「大丈夫も何も無いですよクッタさん!もしまたコドクグモが襲って来ているんなら何とかしないと!」
トーラさんはクッタさんに向き直り叫ぶ。
「それはそうだが……」
「うわああああ!!!コ、コドクグモだ!コドクグモが出たぞ!みんな逃げろぉ!」
男性が叫びながらこちらへ走って来る。
「コドクグモ!?」
トーラさんが言ってたやつか?もしかしてこの村の人達のやられている毒って……?
すると走って来る男性の後ろから3匹の大きな蜘蛛が追ってきていた。しかしそれは蜘蛛と呼ぶにはあまりにも大きい。胴体だけでも5歳児ぐらいの大きさはありそうだ。
「くそ!コドクグモめ!」
トーラさんは駆け出し逃げてきた男性とコドクグモの間に割って入りナイフをコドクグモの背中目掛けて振り下ろす。しかしナイフを突き立てたとは思えない鈍く、刺すと言うよりは殴るような音が響きコドクグモは一瞬動きを止める。
その隙に残りの2匹がトーラさんの脇をすり抜けこちらに迫って来た。
「う、うわあああ!来る!」
逃げてきた男性は腰を抜かして地面に座り込む。そこへ目掛けてコドクグモが飛び上がり上から襲いかかる。
「これ!借ります!」
オレは叫ぶとクッタさんの売り物の盾を手に取り男性に襲いかかるコドクグモを無我夢中で盾で受け止める。
重い、これが蜘蛛の重さかよ!?
オレは盾を左に薙ぎ払いコドクグモを吹き飛ばす。予想外の反撃に空中で体制を崩したコドクグモは腹を見せて地面に転がった。オレはすかさずリュックを降ろし中からスクロールを取り出し開く。
「黒焦げになれ!」
スクロールから火球を放ちひっくりがえっているコドクグモの腹目掛けて放つ。
「ギィィ!」
火球を腹に受けたコドクグモはたまらず足を縮こめる。てか蜘蛛って鳴くのか……?
「もう1発だ!」
オレはもうひとつのスクロールを開き火球を放つ。狙いはバッチリ、さっきと全く同じ場所に炸裂させた。弱い腹に炎を2発喰らったコドクグモはそれで動かなくなった。
『修復』
スクロールをふたつとも直しながら残る1匹に向き直る。魔法で仲間が倒されるという全く予想していなかった事態にコドクグモは動かず警戒をしている。オレも盾を構え様子を伺う。チラッとトーラさんを見ると何とかナイフで応戦している様だがその顔には余裕は全く無い。これはどうにかしないと。
「狙うならやっぱ腹か」
スクロールを開いたまま右手に持つ。
「こいつ、全然襲って来ないな?もしかしてビビってんのかな?それなら……」
オレは両手を広げて精一杯大きな声で叫ぶ。
「うおおおおおーーー!!!」
「ギ…ギイィィイーーー!!!」
それに応えるかの様にコドクグモが足を4本高く掲げて威嚇してくる。
「思った通りなんだよ!」
オレは怯むこと無くコドクグモに向かって駆け出し、1メートルほど手前でスライディングしてコドクグモの下へ滑り込む。
当然コドクグモは掲げた足を振り降ろし上からオレを押さえつけようとしてくる。それを盾で受け止め、隙間からファイアボールの魔法を放つ。
至近距離で炸裂した魔法は激しく炎を撒き散らしたが、今はそれどころじゃない。
「もう1発喰らえ!」
すかさず2つ目のスクロールを発動、コドクグモの腹にもう1発ファイアボールをぶち当てた。
するとコドクグモは静かに全体重をオレにかけてくる。これは襲っているのでは無く、力なく崩れ落ちているだけだ。
オレはコドクグモの死体を横にどけ立ち上がる。
「何とかやったか……」
そうだトーラさん!大丈夫か!?
トーラさんを見ると地面に仰向けに転がりその上からコドクグモが覆いかぶさっていた。トーラさんの手にはすでにナイフは無く、押さえつけてくるコドクグモの足を両手で掴み押し返していた。だがそれも徐々に押し負け今にも鋏角がトーラさんの顔に届きそうだ。
「くっそ!まずいな!」
オレは手に持つ盾を水平に構え時計回りに一回転し、その遠心力を盾に乗せフリスビーの様に盾を投げた。おそらく安物であろうその盾には余計な装飾も無く、形もただの平べったい長方形であったためか、狙い通りに真っ直ぐ進み覆いかぶさるコドクグモの前頭部にヒットした。
「ギィイ!」
思いがけない方向からの攻撃を受けたコドクグモはその衝撃で後ろに仰け反って体制を崩し、そのまま後ずさる。
「大丈夫ですか!トーラさん!?」
オレは駆け寄りトーラさんの手を引く。
「あ、ああ!何とか大丈夫だ……!ありがとう」
「良かった……でもアイツをどうにかしないと……」
残り1匹になったコドクグモは少し距離を取る。こちらの様子を伺っていると何かに気がついた様でやや左を向いてピタリと止まった。するとまた身を少し屈めて襲いかかるモーションに入る。
「なんだ?」
コドクグモの向く先を目で追うとそこには腰を抜かして地面に座り込むクッタさんの姿が。
「まずい!今度はクッタさんを狙う気か!」
くそ!盾はあっちに転がっている。間に合うか!?
オレは全力で走り出した。それと同時にコドクグモが弾かれた様にクッタさんに向かって突進を開始。オレの向かう先はクッタさんの少し前方。オレとコドクグモのスピードがうまく噛み合いちょうど狙った場所に着けそうだ。
オレはコドクグモと接触する地点の少し手前で前方に向かって思いっきりジャンプ。そのまま飛び蹴りを繰り出した。
「くらえぇ!」
渾身の飛び蹴りは見事にヒット。コドクグモはスピードが乗っている状態で横からの予想外の衝撃を受け、大きく体制を崩し転がるようにクッタさんの横を通り過ぎて行った。
「仮面ライダーならこれでトドメを刺してるんだけどなぁ!」
オレはクッタさんと転がったコドクグモの間に立つ。
「大丈夫ですか!?クッタさん!」
「あ、ああ!大丈夫だとも!」
クッタさんもヨロヨロと立ち上がる。
オレは手に持っていたスクロールをコドクグモに向ける。
「おいおい……嘘だろ……?」
対峙するコドクグモの後ろから現れたのは2匹のコドクグモ。ここへ来てさらに数が増えるとか……、最悪だろ……。
「トウゴくん……」
後ろでクッタさんも狼狽えてる。しかも目の前のコドクグモは今にも襲いかかってきそうだ。
そして先ほど地面を転がって行ったコドクグモが身を屈める。
来るか……?
「どおうりゃああああああ!!!」
コドクグモが走り出す寸前、何者かが怒声と共にコドクグモに剣を振りおろし頭を叩き潰した。
「よっしゃ次来いやぁ!」
そいつは援軍で来た残り2匹に向き直る。こちらからは後ろ姿しか見えないが、どうやら男性の様だ。軽装な鎧を纏い、何より特徴的なのは背中に大きな籠を背負いその中に何本もの剣や斧の様な武器が入っていた。
「来ねぇんならこっちから行くぞ!」
叫ぶと男は右のコドクグモに向かって走り出し、籠の重さなど感じていないかの様なスピードでコドクグモに接近し一気に頭に剣を突き立てた。しかし突き立てた剣は甲高い音と共に真ん中から2つに折れた。
「ちっ!」
舌打ちした男は背中の籠から一振のロングソードを取り出し抜刀する。コドクグモがそれを待っている訳も無く突進して来ていた。
「せっかちだなぁ!」
コドクグモは男の前で飛び上がり襲いかかる。その高さはゆうに2メートルを超え、男の頭上から襲ってきた。男は飛びかかるコドクグモの喉元辺りに下からロングソードを突き立てる。コドクグモ自身の重さがそのまま乗りロングソードはみるみるうちにコドクグモの体にめり込んでいく。そして遂には背中からロングソードの切っ先が突き抜けた。
しかしそれは逆に災いし、血を吹き出しながらもコドクグモの鋏角が男の顔に迫る。
「うおお!まじかよぉ!それは無しだろぉ!」
あいつやばそうじゃん!オレはきっちり狙いを定めてファイアボールを放った。放たれたファイアボールは真っ直ぐに男とコドクグモに向かって飛び、見事あと少しで顔に届く鋏角に命中し弾けた。
「うわっちぃー!」
弾けた火の粉が男にも降りかかる。文句言うなや。
ファイアボールが当たった衝撃で男はコドクグモごと横に吹っ飛び転がる。地面に転がったコドクグモは足を縮めひっくり返って動かなくなったが、その体には折れた剣の刃が刺さったままだ。
「あっちちちちち!あちい!けど助かったぜ!」
すぐさま起き上がって火の粉をバタバタ叩き落とした男がこちらを向く。男とは言ったが歳はオレと同じぐらいか?身長はオレよりも少し高い。筋肉もたっぷりと付き如何にも戦士という体躯で、無駄な肉の無い引き締まった体をしている。ボディビルと言うよりはフィジークって感じだな。爽やかな短髪にイケメンと言えばイケメン寄りの顔だがどこかアホっぽい。いわゆる残念イケメンだな。
「いやぁー助かったぜ。この魔法はあんたのか?あんた魔法使いなのか?にしても熱かったけどなぁ」
そう言うと豪快に笑ってオレの肩をバシバシ叩く。
「痛えよ!助かったのはこちらこそだけど、とにかく痛え!バシバシすんな!ほら!その顔の火傷治してやるからちょっと落ち着け!」
オレはリュックからヒールのスクロールを取り出して男に向けてヒールを放つ。
「おぉ?あんたヒールも使えんのか!やるじゃねえか!」
「いたた!もぉ分かったって!バシバシすんな!」
いちいちバシバシしてくるやつだな!
クッタさんは何か良からぬ予感がしているのか怪訝な顔をしながら土煙が舞う方を凝視する。
「まさかまた……」
見るとトーラさんの顔が一気に青ざめていく。
「くそ……!またコドクグモのやつらだったら……!」
言うとトーラさんは腰のナイフを取り出し駆け出そうとする。
「トーラくん!大丈夫なのか!?」
「大丈夫も何も無いですよクッタさん!もしまたコドクグモが襲って来ているんなら何とかしないと!」
トーラさんはクッタさんに向き直り叫ぶ。
「それはそうだが……」
「うわああああ!!!コ、コドクグモだ!コドクグモが出たぞ!みんな逃げろぉ!」
男性が叫びながらこちらへ走って来る。
「コドクグモ!?」
トーラさんが言ってたやつか?もしかしてこの村の人達のやられている毒って……?
すると走って来る男性の後ろから3匹の大きな蜘蛛が追ってきていた。しかしそれは蜘蛛と呼ぶにはあまりにも大きい。胴体だけでも5歳児ぐらいの大きさはありそうだ。
「くそ!コドクグモめ!」
トーラさんは駆け出し逃げてきた男性とコドクグモの間に割って入りナイフをコドクグモの背中目掛けて振り下ろす。しかしナイフを突き立てたとは思えない鈍く、刺すと言うよりは殴るような音が響きコドクグモは一瞬動きを止める。
その隙に残りの2匹がトーラさんの脇をすり抜けこちらに迫って来た。
「う、うわあああ!来る!」
逃げてきた男性は腰を抜かして地面に座り込む。そこへ目掛けてコドクグモが飛び上がり上から襲いかかる。
「これ!借ります!」
オレは叫ぶとクッタさんの売り物の盾を手に取り男性に襲いかかるコドクグモを無我夢中で盾で受け止める。
重い、これが蜘蛛の重さかよ!?
オレは盾を左に薙ぎ払いコドクグモを吹き飛ばす。予想外の反撃に空中で体制を崩したコドクグモは腹を見せて地面に転がった。オレはすかさずリュックを降ろし中からスクロールを取り出し開く。
「黒焦げになれ!」
スクロールから火球を放ちひっくりがえっているコドクグモの腹目掛けて放つ。
「ギィィ!」
火球を腹に受けたコドクグモはたまらず足を縮こめる。てか蜘蛛って鳴くのか……?
「もう1発だ!」
オレはもうひとつのスクロールを開き火球を放つ。狙いはバッチリ、さっきと全く同じ場所に炸裂させた。弱い腹に炎を2発喰らったコドクグモはそれで動かなくなった。
『修復』
スクロールをふたつとも直しながら残る1匹に向き直る。魔法で仲間が倒されるという全く予想していなかった事態にコドクグモは動かず警戒をしている。オレも盾を構え様子を伺う。チラッとトーラさんを見ると何とかナイフで応戦している様だがその顔には余裕は全く無い。これはどうにかしないと。
「狙うならやっぱ腹か」
スクロールを開いたまま右手に持つ。
「こいつ、全然襲って来ないな?もしかしてビビってんのかな?それなら……」
オレは両手を広げて精一杯大きな声で叫ぶ。
「うおおおおおーーー!!!」
「ギ…ギイィィイーーー!!!」
それに応えるかの様にコドクグモが足を4本高く掲げて威嚇してくる。
「思った通りなんだよ!」
オレは怯むこと無くコドクグモに向かって駆け出し、1メートルほど手前でスライディングしてコドクグモの下へ滑り込む。
当然コドクグモは掲げた足を振り降ろし上からオレを押さえつけようとしてくる。それを盾で受け止め、隙間からファイアボールの魔法を放つ。
至近距離で炸裂した魔法は激しく炎を撒き散らしたが、今はそれどころじゃない。
「もう1発喰らえ!」
すかさず2つ目のスクロールを発動、コドクグモの腹にもう1発ファイアボールをぶち当てた。
するとコドクグモは静かに全体重をオレにかけてくる。これは襲っているのでは無く、力なく崩れ落ちているだけだ。
オレはコドクグモの死体を横にどけ立ち上がる。
「何とかやったか……」
そうだトーラさん!大丈夫か!?
トーラさんを見ると地面に仰向けに転がりその上からコドクグモが覆いかぶさっていた。トーラさんの手にはすでにナイフは無く、押さえつけてくるコドクグモの足を両手で掴み押し返していた。だがそれも徐々に押し負け今にも鋏角がトーラさんの顔に届きそうだ。
「くっそ!まずいな!」
オレは手に持つ盾を水平に構え時計回りに一回転し、その遠心力を盾に乗せフリスビーの様に盾を投げた。おそらく安物であろうその盾には余計な装飾も無く、形もただの平べったい長方形であったためか、狙い通りに真っ直ぐ進み覆いかぶさるコドクグモの前頭部にヒットした。
「ギィイ!」
思いがけない方向からの攻撃を受けたコドクグモはその衝撃で後ろに仰け反って体制を崩し、そのまま後ずさる。
「大丈夫ですか!トーラさん!?」
オレは駆け寄りトーラさんの手を引く。
「あ、ああ!何とか大丈夫だ……!ありがとう」
「良かった……でもアイツをどうにかしないと……」
残り1匹になったコドクグモは少し距離を取る。こちらの様子を伺っていると何かに気がついた様でやや左を向いてピタリと止まった。するとまた身を少し屈めて襲いかかるモーションに入る。
「なんだ?」
コドクグモの向く先を目で追うとそこには腰を抜かして地面に座り込むクッタさんの姿が。
「まずい!今度はクッタさんを狙う気か!」
くそ!盾はあっちに転がっている。間に合うか!?
オレは全力で走り出した。それと同時にコドクグモが弾かれた様にクッタさんに向かって突進を開始。オレの向かう先はクッタさんの少し前方。オレとコドクグモのスピードがうまく噛み合いちょうど狙った場所に着けそうだ。
オレはコドクグモと接触する地点の少し手前で前方に向かって思いっきりジャンプ。そのまま飛び蹴りを繰り出した。
「くらえぇ!」
渾身の飛び蹴りは見事にヒット。コドクグモはスピードが乗っている状態で横からの予想外の衝撃を受け、大きく体制を崩し転がるようにクッタさんの横を通り過ぎて行った。
「仮面ライダーならこれでトドメを刺してるんだけどなぁ!」
オレはクッタさんと転がったコドクグモの間に立つ。
「大丈夫ですか!?クッタさん!」
「あ、ああ!大丈夫だとも!」
クッタさんもヨロヨロと立ち上がる。
オレは手に持っていたスクロールをコドクグモに向ける。
「おいおい……嘘だろ……?」
対峙するコドクグモの後ろから現れたのは2匹のコドクグモ。ここへ来てさらに数が増えるとか……、最悪だろ……。
「トウゴくん……」
後ろでクッタさんも狼狽えてる。しかも目の前のコドクグモは今にも襲いかかってきそうだ。
そして先ほど地面を転がって行ったコドクグモが身を屈める。
来るか……?
「どおうりゃああああああ!!!」
コドクグモが走り出す寸前、何者かが怒声と共にコドクグモに剣を振りおろし頭を叩き潰した。
「よっしゃ次来いやぁ!」
そいつは援軍で来た残り2匹に向き直る。こちらからは後ろ姿しか見えないが、どうやら男性の様だ。軽装な鎧を纏い、何より特徴的なのは背中に大きな籠を背負いその中に何本もの剣や斧の様な武器が入っていた。
「来ねぇんならこっちから行くぞ!」
叫ぶと男は右のコドクグモに向かって走り出し、籠の重さなど感じていないかの様なスピードでコドクグモに接近し一気に頭に剣を突き立てた。しかし突き立てた剣は甲高い音と共に真ん中から2つに折れた。
「ちっ!」
舌打ちした男は背中の籠から一振のロングソードを取り出し抜刀する。コドクグモがそれを待っている訳も無く突進して来ていた。
「せっかちだなぁ!」
コドクグモは男の前で飛び上がり襲いかかる。その高さはゆうに2メートルを超え、男の頭上から襲ってきた。男は飛びかかるコドクグモの喉元辺りに下からロングソードを突き立てる。コドクグモ自身の重さがそのまま乗りロングソードはみるみるうちにコドクグモの体にめり込んでいく。そして遂には背中からロングソードの切っ先が突き抜けた。
しかしそれは逆に災いし、血を吹き出しながらもコドクグモの鋏角が男の顔に迫る。
「うおお!まじかよぉ!それは無しだろぉ!」
あいつやばそうじゃん!オレはきっちり狙いを定めてファイアボールを放った。放たれたファイアボールは真っ直ぐに男とコドクグモに向かって飛び、見事あと少しで顔に届く鋏角に命中し弾けた。
「うわっちぃー!」
弾けた火の粉が男にも降りかかる。文句言うなや。
ファイアボールが当たった衝撃で男はコドクグモごと横に吹っ飛び転がる。地面に転がったコドクグモは足を縮めひっくり返って動かなくなったが、その体には折れた剣の刃が刺さったままだ。
「あっちちちちち!あちい!けど助かったぜ!」
すぐさま起き上がって火の粉をバタバタ叩き落とした男がこちらを向く。男とは言ったが歳はオレと同じぐらいか?身長はオレよりも少し高い。筋肉もたっぷりと付き如何にも戦士という体躯で、無駄な肉の無い引き締まった体をしている。ボディビルと言うよりはフィジークって感じだな。爽やかな短髪にイケメンと言えばイケメン寄りの顔だがどこかアホっぽい。いわゆる残念イケメンだな。
「いやぁー助かったぜ。この魔法はあんたのか?あんた魔法使いなのか?にしても熱かったけどなぁ」
そう言うと豪快に笑ってオレの肩をバシバシ叩く。
「痛えよ!助かったのはこちらこそだけど、とにかく痛え!バシバシすんな!ほら!その顔の火傷治してやるからちょっと落ち着け!」
オレはリュックからヒールのスクロールを取り出して男に向けてヒールを放つ。
「おぉ?あんたヒールも使えんのか!やるじゃねえか!」
「いたた!もぉ分かったって!バシバシすんな!」
いちいちバシバシしてくるやつだな!
186
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる