修復スキルで無限魔法!?

lion

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装備調達

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  「ふうー危なかったなぁ」

「いや何がだよ?だいたい騒ぎに首突っ込んだのはゼニだろ?てかそんなに焦る事なのか?」

 ギルドで騒ぎを起こした張本人達はギルドを飛び出した後は方々に散って行った。それもまぁえらい速さで。それから察するに、冒険者にとってギルドで騒ぎを起こすと言うのは、と言うよりもギルドマスターに目をつけられるのがとんでもなくまずいんだろう。
 オレとゼニもしばらく走って十分にギルドから離れてからゆっくり歩き出した。

「そりゃあよぉ、まずいっての。ギルドマスターから処罰の必要ありって言われちまったら、ギルドから永久追放だけじゃ済まねぇって話だぜ?事によってはギルドの人間自ら処刑に来るって話もある。まあ言ってみれば世界中に広がっためちゃくちゃデカい組織って訳だからな」

「さすがにギルドの中でケンカしたってぐらいでは処刑されない……よな?」

「まぁ……そうだろな。でもよぉ、冒険者ギルドに登録する奴なんて腕っぷしで金稼いでる様な奴らばっかりだろ?それが永久追放されただけでも食いっぱぐれちまうよ。そりゃー焦るだろ」

「確かに……」

 あの牛の獣人は脳筋丸出しだったもんな。

「とにかくだ、まぁあれぐらいなら大目に見てもらえるだろ。で、夢中になって走ってたらこんなとこまで来ちまってたな。丁度いいっちゃ丁度いいな、せっかく金が手に入ったんだ、装備を整えようぜ」

 装備?ゼニに言われて周りを見渡して見る。すると確かにこの辺りは商店が多いし冒険者風の客も多い。いくつか同じ看板が軒先にかかっている店がある。雰囲気としてはギルドの入口にあった看板と同系統の様だ。

「あぁ、あれか?ありゃー武器屋の看板だ。んであっちが道具屋、で、向こうのが同じ道具屋でもテントや料理道具や日用品なんかが売ってる店。このにはねぇが変わったとこだと治療院や移動用の魔獣屋なんてのもある」

「んじゃあそれぞれに決まったデザインの看板を出してるのか?」

「そういうこった。国や地域によって多少の違いがあるって話だが、だいたい同じような絵が書いてあるな。だから遠くへ旅に出たとしても、迷う事無く買い物が出来るって訳だ。便利だろ?」

 確かに便利だ。これなら言葉が通じなくてもどの店が何を売ってるかは分かるな。ていうかこの世界にも別の言葉を使う国があるのか?

「てことでよぉ!オレはさっそく武器屋を覗きてぇぜ!せっかくだからお前もついてこいよ!」

 言うなり駆け出すゼニ。子供か。返事も聞かずに走っていくゼニを早足で追いかける。まずはコインと紙幣が描かれた看板の店に入るそうだ。そこは換金所、聞いた所銀行、と言うよりATMみたいな場所らしい。クラウドを使ったカードからお金を出し入れ出来るそうだ。つまりクラウドを使ったカードならどのギルドでも利用出来る。盗賊ギルドなんて言う非公式なギルド相手にも商売してるそうだ。
 換金所は中に入るととても狭い。入ってすぐ目の前にカウンターがあり、カウンターの向こうに受け付けのおじさん。で、こちら側とおじさん側の間にはガラスの仕切りがあって、真ん中の下の部分が空いていて、そこからお金の受け渡しなんかをするんだろう。見た目はパチンコ屋の換金所みたいな感じだな?パチンコ屋の方は実物は見た事無いんだけど。でも非公式なギルドも相手にするのにガラスの仕切りなんかで大丈夫なのか?と思ったが、どうやらこのガラスは特別で、魔法にも物理攻撃にも耐えられる特殊な物らしい。そう簡単には壊せないそうだ。
 オレたちはおじさんの差し出す端末にカードをかざし降ろしたい金額を端末に打ち込む。後はおじさんが紙幣を渡してくれて終了だ。お金を受け取りさっさと換金所を出る。
 
 換金所を出るとまた子供の様に走り出したゼニは1番手前にあった、盾とその前に2本の剣が交差している絵の看板の店に入った。分かりやすくそこは武器屋なのだろう。
 ゼニを追いかけ店内へ入る。予想通り中には何本もの剣や斧、槍なんかが壁にかかっている。正直素人のオレには違いがよく分からないが、それぞれ微妙に形が違ったり、色目が違ったりしている。中には明らかに魔物の素材を使用して作られたんだなって分かる物もある。
 分からないなりにも色々見て回ると、他よりもふた周り程も小さい剣がポツンと壁にかかっていた。

「ふーん、これはなんか特別なのかな?……って500万エル!?」

 たっかい!高いよこれ!え!ていうか魔獣の素材売ったお金っていくらなの!?そういや聞いてないけど!?

「ゼ、ゼニ、お前いくら持ってんだよ……?」

 ニヤニヤしながら剣を眺めているゼニに小声で聞く。

「あぁ?そりゃー手持ちなんてほとんど無かったから、さっき素材売って手に入った120万エルだよ?おんなじ金額がお前のカードの中にも入ってるぞ?」

「120万?結構な額……なんだよな?」

「まあなぁ。だから旅に必要な物と数日分の宿代で20万エルってとこだから、50万ぐらいの武器を2本買おうかと思ってな!お前のおかげでいくら壊れても武器は2本でいいからな!ありがてぇなぁ!」

「ん?じゃあお前、武器しか買わないのか?防具とかは?」

「そんなん今持ってんのでも大丈夫だ!トウゴ、戦いは攻撃だぞ!殺られる前に殺れだ!」

 攻撃全振りかよ。お前サムライか?ゼニがそれでいいって言うならそれでいいか。
 とりあえずウキウキで武器を見てるゼニはほっといて、せっかくだからオレも色々見てみよう。さすがにこんな店、前の世界には無かったからな。とは言うものの、どれを見ても今のオレに扱える気がしない。単純に重た過ぎる。さらに剣の心得なんて全く無いから、どうやって扱ったらいいかも分からない。

「こりゃあー武器はパスだなぁ」

 てことで防具のコーナーへ。いやちょっと、誰がこんな鉄の塊みたいな鎧着て歩けるんだよ?あ、でも王国騎士団とか言う人達はこんなん着てたな?改めてすげぇな。
 でも良く考えたら、オレって何も防具を着ていないよな?紙装甲どころかただの村人レベルだな。

「防具をお探しですか?」

 ゴツイ鉄鎧を見ながら首を傾げていたら店員らしきおじさんに話しかけられた。

「え、ええまあ。と言っても何がいいのか全然分からなくて……。今まで旅に出た事すら無いので、どんな物が自分に合っているか分からなくって」

「なるほど……見たところ冒険者という感じでも無さそうですが、商人志望ですかな?」

「あ、いえ、実はついさっき冒険者登録を済ませたばかりで……。一応冒険者って事になってます」

「これは失礼!そうでしたか。では防具を揃えるのも初めてですかな?」

「そうなんです。だからどうしたものかと……」

「では私がある程度見繕いましょう。そうですね……重さや形について何か希望はありますか?」

 希望?うーん……。そうだなぁ。

「お恥ずかしながらあまり体力も筋力も自信がなくて……。重たいのは無理ですね。後は一応これでもグラップラーで登録してるぐらいなので、出来れば動きを阻害しない様な物の方がいいかな?」

「ふんふん、なるほど……」

 おじさんはしばらくオレを眺めながら、あごに手を当てて考え込んでいる。

「そうですね、では岩トカゲの皮で作られた革鎧なんていかがでしょう?冒険者登録をされたばかりという事は、まずは薬草採取や簡単な素材の納品当たりからですか?それならこれで十分かと思いますよ」

 おじさんが見せてくれたのは革鎧。岩トカゲっていうのが何なのかは分からないが、軽い代わりに防御力は低そう。必要最低限の部分を守る様な形をしている。でも確かにこれなら動きやすそうだ。そして何よりお値段が5万エル。良心的だ。このおじさん親切なんだな。

「これ良さそうですね、これにします。あ、あと盾って置いてますか?」

「盾?ありますとも。ではこちらへどうぞ」

 革鎧を手におじさんが盾のコーナーへ案内してくれる。

「グラップラーなのに盾ですか?」

「まぁーそうですね。変わってますか?」

「いやいや!まあ……あまりいらっしゃいませんが……。盾は重さも重要ですからぜひお手に取ってみてください」

 色々あるなぁ……。重さも材質も色々。その中でも1つの丸い盾に目が止まった。

「それですか?それはこの国の王国騎士団が使用する盾を模倣して作られた物です。もちろん材質は段違いですがね。それとさすがに王国騎士団のシンボルである五芒星は描かれていませんが。それでも中々に良い品ですよ」

 言われて手に取ってみる。割とズッシリとしているが持てなくは無い。何よりコドクグモとの戦いを思い出していた。あの時は四角い盾だったけど、フリスビーの様に投げ飛ばすといい威力だったのを思い出した。これならもっと真っ直ぐ飛びそうだ。

「盾、これいただきます。いくらですか?」

「ありがとうございます。王国騎士団と同じ形と言ってもさすがに安物ですよ、そこはご勘弁ください。それだけにお値段も10万エルとなっています」

 まあ安物と言えば安物なんだろう。でもこれが良さそうだ。

「じゃあこれもお願いします」

「毎度ありがとうございます。後はよろしいですか?よろしければ包んで参りますので、お連れ様も決まりましたらカウンターまでお越しください。それまでにまだ欲しい物が見つかれば一緒にお持ちください」

 おじさんはぺこりと頭を下げてカウンターの向こうに消えた。

「いんやぁー!迷うなあ!迷っちまうなぁ!」

 声がデカいよゼニ……。恥ずかしいだろ……。
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