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第二章
第28話
しおりを挟む「今すぐそのなよっちぃ手を退けろ新入り。これは俺んだ」
「その目は節穴か?こっちの方が先に触れてる」
「お前こんな子供じみた図鑑読みたいのかよ。はっ、やっぱガキだな」
「その言葉、そっくりそのまま返す。というかそう思うならさっさと手を放せ」
「恩知らずなやつだな。俺が二度も助けてやったの忘れか?」
「別に頼んでない。ネチネチと恩着せがましい奴だな」
それぞれ図鑑の端を掴み引っ張り合いながらの言葉の応酬。たかが図鑑ひとつで揉め続ける両者に、偶々図書館にいた組員たちは呆れながら遠巻きに傍観していた。
そんなに見たいならもう一緒に見ればいいじゃん。子供かよ。と心の中で呟く。
その時、陸翔ははたと気づいた。前回の任務から2日。確か新入りはずっと寝たきりで部屋にこもっていたはずだ。小生意気な蓮華の顔を見下ろし、陸翔は口を開く。
「お前、体調はもういいのかよ」
「は?……別に、平気だ」
「……あっそ」
なんだか妙な空気になり、ふたりは視線を逸らす。居心地の悪い沈黙が続いた。
「ん~、甘酸っぱいねぇ~」
「おわっ!?」
突然近くで声が聞こえ驚く。振り返るといつの間にか背後にニヤニヤと笑みを浮かべる充が立っていた。
「ボ、ボス…!いきなりなんすかっ」
「いやぁ微笑ましい会話が聞こえて来たから、つい」
先ほどの会話のどこが微笑ましいと…?
理解できずジト目で睨みつける陸翔に構わず、充は相変わらずのにやけ面を浮かべる。
「それにしても、陸翔が相手のことを気遣うなんて昔からは考えられないよね。立派に成長してくれて、父さん嬉しいよ」
「はぁっ?」
「以前はそれはもうグレてたからねぇ。狂犬さながらの目つきで全部を威嚇しちゃってさ~」
「黙れこのおしゃべり野郎…ッ」
かつての黒歴史をぺらぺらと話され顔が引き攣る。
こいつ…、マジでほんと余計なことしか言わねぇ…ッ!
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