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いろいろ考えるのは面倒くさいよな。
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ルドは推しだ。推しなんだが、顔が良すぎて近づかれるとめちゃくちゃドギマギする。
「ち、近い、近いよ、ルド。少し離れて。」
その顔はおでことおでこ、いやもう少し近づけばキスだって可能な距離だった。
あまりの近さにきっと、俺の顔はみたこともないぐらい真っ赤になっているだろう。
その顔はあんまり見られたくない。
「…………これが、ふぁんさ?」
そんな俺の葛藤を知ってか知らずかルドはあくまで純粋な疑問をぶつけるように俺に尋ねた。ルドとしては俺の反応を見てそれが何なのか確かめたいってのがあるのだろうけど。
「う、うーん。そうだけど。」
結局ルドにはなんとも曖昧な返事を返すことなった。厳密に言えば過剰すぎて少し違うとは思うんだが、それをルドに説明したところで、あまり理解を得られないと思ったからだ。それに、これ以上推しから何かされたら俺の心臓が持たないってのが俺の本音だ。
「そうか。これがふぁんさなのか。」
「………え、えーと………」
「ふぁんさって、凄いんだな。」
これが無自覚故の恐ろしいところか……。
それからルドは終始楽しそうにしていた。
「また、明日もここで一緒に食べてもいいか?」
なんということだろう。
それは推しからの思ってもみない提案だった。
ただ、ルドの推しをしている自分としてはそれはとてつもなく魅力的な提案であることには違いない。
推しと一緒にご飯を食べる約束。
こんなシュチュエーションは普通に生きていたらなかなか味わえないものだろう。
それに、推しからそんなにキラキラした目で見られたら断りづらいってのが正直なところだ。
「い、いいの?」
「ふ、なんで疑問形?じゃあまた明日だな。」
うん、これで良かったんだ。きっと。
だって推しの笑顔。
凄く嬉しそうなんだもん。
「あぁ~~~!推しの顔が良すぎるぅぅぅ。」
あんなの反則じゃないか?
と一人で意味のない発言をする。
売店のバイトは休み。
自室には俺だけで、カインはまだ帰ってないみたいだった。だから、ベッドの上で悶えていても誰にも文句は言われることはない。
今この部屋にカインが居たらきっとうるさいって怒鳴られてたと思うけど。
「はぁ、ルドってほんと日本に居たら一流アイドル並みに持て囃されても可笑しくないよなぁ。」
この世界にアイドルという存在がいないのがいいのか、悪いのか。あんなの現実のファンイベントなんかでやってたら発狂もんだったに違いない。
ルド、彼は本当に罪な男だ。
……シュークリームも早く作ってあげたいな。
あんなに楽しみにしてくれてるんだ。きっと喜んでくれるだろう。
さて、そんなこんなで門限まであと少しって時間にカインが部屋に戻ってきた。
「遅かったな。何してたんだ?」
「うわー、でたでた。アンタ、オレの行動何でもかんでも把握してないと気がすまないわけ?そういう嫉妬深いとこなくしたほうが良いよー?」
「なわけないだろ!ただ気になっただけだ。……カインだって多少は俺のこと気にしてるときあるだろ。俺だってそれと同じだ。」
カインの態度は俺を小馬鹿にしたような何処か煽っているかのような感じだ。それに食い気味に返す俺も、その態度に乗せられてしまっているみたいで少し悔しい。
「……アンタ、それわざと?」
「……どういう意味だ?」
「さぁね、どういう意味なんだろうね。」
なんだコイツ。ナゾナゾでもしているのだろうか?それとも俺がカインに何かしたのだろうか。いや、どちらかと言うと、今何かされてるのは俺の方だ。
「…………降参だ。教えてくれ。」
「えー。別に教えることでもないと思うけど?分からない?」
「分からない。というかなんでそんな嫌みったらしいんだよ。」
「だって、アンタ、無自覚なんだもん。それがムカつくから絶対教えてやんない。」
「なんだそれ。意味わからん。」
カインはそれ以上何もいうつもりがないらしく、手に着替えを持つとそのまま部屋を出ていこうとする。共同風呂の方へと向かうらしい。
「カイン。夕食は?食べてきたのか?」
「軽く軽食食べてきたからね。この時間帯に食堂行っても余り物しかないでしょ?……まさかアンタまだ食べてなかったの。」
「…………悪いのか……。」
「アンタ、そういうとこだよホント。」
カインは呆れたようにため息をつくと俺に見向きもせず、部屋を出ていった。
しかし、これには俺にも言い分がある。
先ず、アレク寮長。仮に彼に出くわしたとき、1人だと話しかけられるリスクが高い。まぁ、2人の時でも話しかけられる可能性があるが、カインの性格的にうまく話を交わしてくれそうなので一緒にいると心強いのだ。
だからなるべく寮内では一緒に行動したいと思っている。
だから、それを実践中なのだ。
そして、もう一つの理由があるとすればカインとのこと。
今朝の寝言もそうだが、最近のカインが何を考えているのかいまいちよくわからない。気まぐれなのか、俺を困らせて楽しんでいるのか。
どっちみち、俺とカインがいまいち仲良くなれてないことが原因なのかもしれないと俺は思う。
寮だけでなく、学内でも話せればいいのだが、カインは俺と違って交友関係が広い。
そこに割って入る勇気は生憎俺にはない。
「……人間関係ってこんなに難しいもんだったか?」
日本にいた頃は考えもしなかったが、問題のある人間に成り代わると、いろいろと面倒くさいことになるらしい。
今の俺にはルドという心の拠り所があるだけ救いだ。
しかし、どっちみち今日は一人飯になるみたいだ。
この時間帯ならほとんど人はいないだろうし、今行ってもアレク寮長とは出くわさないよな。
これが特大フラグであることを俺は後から知った。
「ち、近い、近いよ、ルド。少し離れて。」
その顔はおでことおでこ、いやもう少し近づけばキスだって可能な距離だった。
あまりの近さにきっと、俺の顔はみたこともないぐらい真っ赤になっているだろう。
その顔はあんまり見られたくない。
「…………これが、ふぁんさ?」
そんな俺の葛藤を知ってか知らずかルドはあくまで純粋な疑問をぶつけるように俺に尋ねた。ルドとしては俺の反応を見てそれが何なのか確かめたいってのがあるのだろうけど。
「う、うーん。そうだけど。」
結局ルドにはなんとも曖昧な返事を返すことなった。厳密に言えば過剰すぎて少し違うとは思うんだが、それをルドに説明したところで、あまり理解を得られないと思ったからだ。それに、これ以上推しから何かされたら俺の心臓が持たないってのが俺の本音だ。
「そうか。これがふぁんさなのか。」
「………え、えーと………」
「ふぁんさって、凄いんだな。」
これが無自覚故の恐ろしいところか……。
それからルドは終始楽しそうにしていた。
「また、明日もここで一緒に食べてもいいか?」
なんということだろう。
それは推しからの思ってもみない提案だった。
ただ、ルドの推しをしている自分としてはそれはとてつもなく魅力的な提案であることには違いない。
推しと一緒にご飯を食べる約束。
こんなシュチュエーションは普通に生きていたらなかなか味わえないものだろう。
それに、推しからそんなにキラキラした目で見られたら断りづらいってのが正直なところだ。
「い、いいの?」
「ふ、なんで疑問形?じゃあまた明日だな。」
うん、これで良かったんだ。きっと。
だって推しの笑顔。
凄く嬉しそうなんだもん。
「あぁ~~~!推しの顔が良すぎるぅぅぅ。」
あんなの反則じゃないか?
と一人で意味のない発言をする。
売店のバイトは休み。
自室には俺だけで、カインはまだ帰ってないみたいだった。だから、ベッドの上で悶えていても誰にも文句は言われることはない。
今この部屋にカインが居たらきっとうるさいって怒鳴られてたと思うけど。
「はぁ、ルドってほんと日本に居たら一流アイドル並みに持て囃されても可笑しくないよなぁ。」
この世界にアイドルという存在がいないのがいいのか、悪いのか。あんなの現実のファンイベントなんかでやってたら発狂もんだったに違いない。
ルド、彼は本当に罪な男だ。
……シュークリームも早く作ってあげたいな。
あんなに楽しみにしてくれてるんだ。きっと喜んでくれるだろう。
さて、そんなこんなで門限まであと少しって時間にカインが部屋に戻ってきた。
「遅かったな。何してたんだ?」
「うわー、でたでた。アンタ、オレの行動何でもかんでも把握してないと気がすまないわけ?そういう嫉妬深いとこなくしたほうが良いよー?」
「なわけないだろ!ただ気になっただけだ。……カインだって多少は俺のこと気にしてるときあるだろ。俺だってそれと同じだ。」
カインの態度は俺を小馬鹿にしたような何処か煽っているかのような感じだ。それに食い気味に返す俺も、その態度に乗せられてしまっているみたいで少し悔しい。
「……アンタ、それわざと?」
「……どういう意味だ?」
「さぁね、どういう意味なんだろうね。」
なんだコイツ。ナゾナゾでもしているのだろうか?それとも俺がカインに何かしたのだろうか。いや、どちらかと言うと、今何かされてるのは俺の方だ。
「…………降参だ。教えてくれ。」
「えー。別に教えることでもないと思うけど?分からない?」
「分からない。というかなんでそんな嫌みったらしいんだよ。」
「だって、アンタ、無自覚なんだもん。それがムカつくから絶対教えてやんない。」
「なんだそれ。意味わからん。」
カインはそれ以上何もいうつもりがないらしく、手に着替えを持つとそのまま部屋を出ていこうとする。共同風呂の方へと向かうらしい。
「カイン。夕食は?食べてきたのか?」
「軽く軽食食べてきたからね。この時間帯に食堂行っても余り物しかないでしょ?……まさかアンタまだ食べてなかったの。」
「…………悪いのか……。」
「アンタ、そういうとこだよホント。」
カインは呆れたようにため息をつくと俺に見向きもせず、部屋を出ていった。
しかし、これには俺にも言い分がある。
先ず、アレク寮長。仮に彼に出くわしたとき、1人だと話しかけられるリスクが高い。まぁ、2人の時でも話しかけられる可能性があるが、カインの性格的にうまく話を交わしてくれそうなので一緒にいると心強いのだ。
だからなるべく寮内では一緒に行動したいと思っている。
だから、それを実践中なのだ。
そして、もう一つの理由があるとすればカインとのこと。
今朝の寝言もそうだが、最近のカインが何を考えているのかいまいちよくわからない。気まぐれなのか、俺を困らせて楽しんでいるのか。
どっちみち、俺とカインがいまいち仲良くなれてないことが原因なのかもしれないと俺は思う。
寮だけでなく、学内でも話せればいいのだが、カインは俺と違って交友関係が広い。
そこに割って入る勇気は生憎俺にはない。
「……人間関係ってこんなに難しいもんだったか?」
日本にいた頃は考えもしなかったが、問題のある人間に成り代わると、いろいろと面倒くさいことになるらしい。
今の俺にはルドという心の拠り所があるだけ救いだ。
しかし、どっちみち今日は一人飯になるみたいだ。
この時間帯ならほとんど人はいないだろうし、今行ってもアレク寮長とは出くわさないよな。
これが特大フラグであることを俺は後から知った。
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