ようこそ。夢を終わらせる学園都市へ

夜行回

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一章、3

1、79夏の太陽のような

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 普通科の廊下。補習室の前で立ち止まった俺は妙な匂いを感じ取った。室内なのに、グランドの砂が強い日差しによって焼けたような乾いた熱のこもった匂い。

「何この熱気!? まだ5月なんですけど!」

 夏の砂浜のような、モワッとした暑さにビビる。セラ先輩は何事もなく、俺に何かを差し出した。

「なぜサングラスを?」

「目に良くないからな」

「何もない時にかけます?」

 ずっとサングラスかけてるのも目に良くないのは聞いたことある。

「じゃあ、一応……」

 俺は受け取ったサングラスをかけてみた。サングラスはほぼ真っ黒のサングラスのためやはり見えにくい。

 サングラスをかけたのちに、補習室の戸を開けた。ちょっと開いた戸からは光の筋が溢れ出てくる。そのまま中に入ると教壇に太陽があった。

 この真っ黒のサングラスをかけてなお、光が強く先生自身は見えない。

「おっ! セラ君も来たな。その生徒は?」

「一年生のキズキだ。あちらは太陽先生。補習の担当教員」

「よろしくお願いします。てか、暑すぎ!!」

 よく見れば2年生3年生は夏のジャージを着ている。壁や床はやや溶けているように見える。それも、教壇から放射状の波紋みたいになって。

 俺と境遇を同じくする一年生の生徒たちは上着を脱ぎ袖をまくり、靴を半分脱いでいる。下敷きをうちわにしたりする始末だ。

「さあ、座った座った。学年ごとに予定を組んでいこう。次のテストではここに来ないように。次来たら、夏を味合わせてやろう」

「もう味わってるんですけど?!」

「私はまだ、本気でないよ。キズキさん」
 
 恐ろしい夏の熱気。補習室だけがサウナのような暑さだ。これでは熱中症になってしまう。すでに入っただけで汗が滲んできた。

 ちなみに教壇には熱中症対策の塩のタブレットと水がたくさん用意してある。

「揃ったね。では日程決めよう。水と塩タブレットを配布してからね」

 配られたものを受け取り、飲み干す頃には全員の日程が決まった。何人か倒れそうになりながらも予定表を持って教室から出た。廊下の涼しさに体が整う気さえする。一緒に出てきた太陽先生によって再度のサウナ地獄を味わうのだった。
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