拾った狼が絶倫の聖獣だった。

かるぼん

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狼拾いました。

sideウォル⑥

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こいつの身体の奥深くに、毒が根を張っている。
これだけ根を張るには相当の年月、毒を摂取し続けたということ。
 
(お前は一体、何者だ?)
 
俺の知っている人間とは違う。
俺が回復するよう、心から励ましの言葉をかけ、俺がここまで動けるようになるほどの治療を施してくれた。
だが、この毒の深さ。
一日動いているのもしんどいはずだ。
そんな中で俺を手当てしてくれたというのか。
―――それに。
 
「よくも僕の目の前で新しい傷を作ったな!」
 
数刻前の出来事を思い返す。
自分だってスープがかかって熱かっただろうに。
自分のことより、俺を心配してくれた。
残り僅かなやけどの薬を俺に使ってくれた。
 
俺は人間の手を持ち上げる。
赤くなり、わずかに水ぶくれができていた。
持ち上げた手首は細く、色白で明らかに健康体ではないことが分かる。
白い肌に赤いやけどは、痛々しさを感じる反面――俺には艶っぽく見えた。
 
ああ、落ちたな。
 
一瞬で理解した。
こんな感情は初めてだ。
まさか俺が人間を好きになるなどと。
まだ名も知らないというのに。
まだ話もしていない。
 
「俺が、お前を救ってやるよ。」
 
そう言って俺は、苦しげな吐息を吐く人間の口を俺の唇でふさいだ。
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