逆転機ニルヴァーシュ -朝斬りの夜明け-【バンダナコミック01】

ボス子ちゃま

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13話ー『チンコVS筋肉』

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 空中に投げ出された身体が、バク宙を決めながら頭から堕ちる。
 同じように空中でムーンサルトを決めたレイズは、その手に持ったブロードソードの切っ先を真っ直ぐに俺の心臓へと向けて来ている。

「ーーチッ!! 流石に速いなッ!!」

 空気抵抗など微塵も感じさせない、軽やかな動きだ。
 とてもノーヘルの甲冑を来ている門兵とは思えない。

「カラス隊の誇りッ!!
 貴様の身を持ってしかと受け止めよッ!!
 魔法剣一閃ーーサンダーボルテックスッ!!」
 
 そう言ってレイズは、突きの構えから真っ直ぐに雷撃を飛ばして来た。
 ブロードソードの切っ先から放たれたその黄色の雷は、魔法から作り出された魔力を帯びた斬撃だ。

「拳で受け止めるのは、困難そうだなッ!!」

 ならば俺も、魔法剣を使うしかないッ!!
 後方を一瞥してから空中で身を翻した俺は、背中を大地に向けた状態で魔法剣を取り出す。

「魔法チン一閃ーーマジカルチンコソードッ!!」

 ビュッ、と伸びた肌色の魔力の塊が、雷の斬撃と衝突して余波を起こす。
 ビューンと伸びた巨大なチンコソードが、放電する電撃のすべてを吸収して、むくりとその亀頭でどや顔を浮かべる。

『ちゃお~♪』

「バカなッ!? 雷魔法の編み込まれた斬撃を吸収しただとッ!?」

「効かないねえッ!! ゴムだから?」

「貴ッッッ様ァ!! 騎士の剣を愚弄する気かぁッ!!」

 そう言ってレイズは、さみだれ斬りのごとく剣を突き立てる。

「フンフンフンフンッ!!」

 そのすべてを、俺はマジカルチンコソードでいなし続けた。
 ーーチンコは、剣よりも強し。

「チン刀流奥義ーー三千タバコ世界ッ!!」

 説明しよう。三千タバコ世界とはーーッ!!
 無数のタバコを繋いでひとつなぎの大タバコを作りあげ、仕事の途中に「ちょっとタバコ一本吸って来ます」と言ってから、退勤までやり過ごすと言う伝説の離れ業である。
 これを受けた者は、ただでは済まないッ!!
 エターナル・タバコフォース・タバコブリザードッ!!
 ーー相手は死ぬッ!!

「グオッ!? 何だこの煙を纏ったチンコの動きはッ!?
 読めんッ!! 全く動きが読めんッ!!」

 タバコの煙を纏うことにより、チンコの剣筋を読みづらくしている。
 それにより翻弄されるレイズは、目くまらしの中その身にチンコを受けることになる。

「させるかぁッ!! 我が弟者の命は、兄者である俺が守るッ!!」

 そう言って外壁を遅れて駆け上がって来たドゥクスが、その背に背負っていたメイスをレイズの手前へと投げ捨てる。
 木こりで出来たメイスがチンコに接触して木っ端微塵になる。
 ぱらぱらと木屑が足元のアスファルトへと向けて堕ちていく。

「誉れ高き騎士が、チンコに負けるなんぞ、あってはならんッ!!
 弟者よ、アレを使うんだッ!!」

「こんなふざけたヤツにアレをかッ!?」

「チャチなプライドはひとまず捨てろッ!!
 このチンコは、見たところ只者ではないッ!!」

 そう言って弟レイズの足首を掴んだドゥクスは、そのまま弟を持ちながら大車輪のごとく回転し始める。

「我ら兄弟が編み出した、必殺の秘技を見せてやろうッ!!

「合体技だッ!!」

「「ーー秘技ッ!!
  ダブル・ローリング・サンダーブレェエエエエドッ!!」」

 二人の兄弟の声がピタリと揃う。
 その光景に、俺は目を見開いて驚愕した。

「バカなッ!? 飛行魔法だとッ!?」

「秘技って言うのは、決まって秘められない物・・・・・・・なんだッ!!」

「回れ回れ回れ回れ~ッ!!」

 UFOのようにクルクルと回転する二人の兄弟。
 レイズの手に持たれたブロードソードから雷撃が迸る。

「これが俺たちの鍛えた、筋肉魔法の真髄だぁあああああッ!!」

「遂に編み出したぞッ!! 神域の飛行魔法ッ!!」

「これこそが人類の正しい空の飛び方……ッ!!」

 自信と気迫に満ち溢れる、二人の兄弟の合体技が迫り狂う。
 それは決して飛行魔法と呼べる代物ではーー勿論ない。

(だが、限りなくその領域に片足を突っ込んでいるなッ!!)

 世界に5人しか居ないと言われる、飛行魔法の使い手。
 そのクラスジョブは、ウィザードである者に限られる。
 が、二人のクラスジョブは、見たところ騎士系統のクラスジョブだ。
 ーーにも関わらず、空を飛んでいると言うことは、

「物理的な身体能力一つで、空を飛んでいるって言う訳かッ!!」

 ーー飛行魔法(物理)。
 彼ら兄弟は、限りなく鍛えた筋肉の合わせ技により、擬似的とは言え、神域に迫る魔法を実現させることに成功したッ!!

「なんて恐ろしい兄弟だッ!!」

 筋肉バカもここまで突き抜けたら、決して侮れんッ!!

「チンコと筋肉ッ!! どちらが勝るかここに決めようッ!!」

 男としての究極のカードが、今ここに出揃うッ!!
 強いのは、チンコか? はたまた筋肉か?
 最強の難題が成立した瞬間だッ!!

「良いだろうッ!!
 ならばこちらも、さらに奥の手を見せるしかないようだなッ!!」

 明鏡止水のごとく、俺は瞳を閉じてチン呼吸を繰り返す。
 おびただしい量の魔力量が、俺のマジカルチンコソードの切っ先から溢れ出す。

「シャッセーッ!!」

「ーーッ!! 何だこの魔力量はッ!?」

 飛び出した白い液体魔法が、空中で球体のような空間を作り上げる。

「ガンッシャー!!」

「ーーグオッ!? バカなッ!? ヤツの姿を見失っただとッ!?」

「兄者ッ!! どこを見ているッ!! ヤツは上だぁッ!!」

 白い液体魔法に包み込まれた二人の兄弟が、直後に暗転して俺と空中で立ち位置を逆転させる。
 上空から降り注ぐように回転していた二人の兄弟が、ハッとして背後から降る俺に視線を上げて来る。

「なぜヤツが俺たちの上にッ!!」

「分からんッ!! だが、さっき射出された“ガンッシャー”とか言う液体魔法を喰らった瞬間、俺たちは気がつけばヤツに背後を取られていたッ!!
 信じられない物を見ているぜッ!!」

「アナルドラグーンッ!!」

 俺は即座に二人の上からマジカルチンコを叩き込むッ!!

「バックトゥザフューチャーIIッ!!」

 二人分に分裂したマジカルチンコが、ズキュンと音を立てながら二人の兄弟の臀部を射抜く。

「ーーフィストッ!!」

「イェアアアアアアッ!!」

「アァアアアアアイッ!!」

 ドン、と言う衝撃音の直後、二人の兄弟が顔を赤らめて落下していく。
 アスファルトの地面にドカンとクレーターを作り上げ、俺は遅れてその上に着地した。
 悶絶しながら気絶した二人の兄弟を足蹴にしつつ、俺は周囲をキョロキョロと見回す。
 商店街で歩いていた無数の人々の視線が、無遠慮に俺の降りた地面に突き刺さる。

「何だ? 急に空からなんか降って来たぞ?」

「スゲー砂埃だ。アスファルトが割れてるし、女の子か?」

「いや、チンコと男二人が降って来たんだ」

 ぶつぶつと呟かれる人々の声に、俺は砂埃に隠れながら手近な路地裏へと逃げ込む。

「二度目のトチはごめんだからな」

 足早に移動し、歓楽街へと向けて魔道具を求める。

「迂回して慎重に向かおう」

 鑑定対策ができるようになるまで、もうすぐそこだ。
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