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15話ー『再会・グレゴリオ・ライオット二世』
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(ーーウゲッ、まさかグレゴリオのヤツと再会するとはッ!!)
引き攣った笑みを浮かべて俺も半歩と下がると、横合いではミントが思いっきり頭を振った。
「しゃしゃっ、借金のご返済でしたら、必ず後日には致しますので!!
今日のお取り立ては、何卒ご勘弁を……っ!!」
ブゥン、と振り下ろされた頭が、店内の床につかん勢いで思いっきり下げられる。
ペコペコと何度も頭を下げるミントに、グレゴリオは「んっ?」と視線を上げて顎に手をつく。
「借金? あぁ、そう言えばここは、あのオンボロ魔道具店、ミント・ボンハーネット魔道具店でしたか」
思い出したようにクツクツと喉を鳴らしたグレゴリオは、手近にあった本棚から一冊の魔導書を取り出す。
その中身の魔導書を床へと落とすと、
「全く汚い店内だ」
そう言って魔道具を足蹴にして、粉々に踏み砕いた。
「ひっ!!」
と言うミントの情けない声があがる。
店の事情は詳しく知らないけど、ひょっとしてミントって俺の友だちなんじゃない?
ーー貧乏。
そう言っていたミントの言葉と“借金”と言うワードから、どうやら俺たちは似た者同士であることを理解する。
つまり俺たちは、お互い様。
金に恵まれない腐れ縁の仲と言う訳だ。
「にしても酷いことをするな。勿体ねえ……」
「お前、一体何をしている?」
「何って、見て分かんねえのかよ?
店内の掃除をしているんだ」
そう言って俺は、床に散らばる魔道具の欠片を拾い集めて、そのすべてをミントの手元に返してやる。
「ゴミは、ゴミ箱に捨てろとお母さんから習わなかったのか?」
「ゴミは、リサイクルしたほうがどう考えてもお得だろ?」
対抗心を募らせ、俺はグレゴリオに口答えをする。
せっかくミントが作った魔道具に対する所業と言い、俺を殺したことと言い。
俺はどうにもグレゴリオのことが、現時点ではあまり好きにはなれないみたいだ。
「ふん。どうやらこの店内には、ゴミ拾いが二匹居るだけで、お目当ての不法入国者は居ないようだな?」
「まっ、そういうことだ。引き取ってくれ」
俺がグレゴリオにそう告げると、バツの悪そうにフンと鼻を鳴らしたグレゴリオは、俺から視線を外して店内の様子を舐めるように見る。
「とは言え、このまま手持ち無沙汰で帰ると言うのも癪に障る……おい」
そう言ってグレゴリオは、水平に腕を振るう。
すると背後に控えていた国家王国騎士たちが、ゾロゾロと店内に侵入して来て一斉に本棚を荒らし始めた。
その手に取った魔道具を床へと叩きつけては、足蹴にしてその中身の魔道具を踏み砕きまくる。
「ハハッ、最低だなお前ら」
こんなヤツらが国家王国騎士なら、俺は一生冒険者で良かったのかも知れない。
次々と魔道具を破壊し、嘲笑を漏らしてクツクツと笑う国家王国騎士たち。
その所業を見ていたミントが、一番近くに居た国家王国騎士へと向かって泣きついた。
「ーーやっ、やめてくださいッ!!
その魔道具は、私が素材を取って来て、苦労して仕上げた大事な売り物の魔道具なんですッ!!」
ガシャンと食器が割れるような音が店内に響く。
涙目のミントに抱きつかれた一人の国家王国騎士が、その腕をウザったそうに振り払う。
「ふんッ!! 身なりの汚え庶民が、この私に触れるんじゃあないッ!!」
そう言って突き飛ばされたミントが、床に尻もちをついて涙を浮かべる。
「良いかッ!? この国では、国家王国騎士こそがお前らよりも上の権力者なんだッ!!
それにこのクソオンボロ店は、祖父の遺産を相続した際、国へ多額の借金をしている身なんだぞ?
それを返せないと言うなら、何かしらで払って貰うのが当然であろうッ!!」
そう言って国家王国騎士たちは、尚も辞めることなく魔道具を次々と壊していく。
「一体、どんな想いで作られた物なんだろうな?」
冒険者である俺には、魔道具士であるヤツらの気持ちは、実際のところはよく分からない。
だけど、こんなことは間違っていると、俺は直感でそう思う。
ミントを突き飛ばした国家王国騎士。
それとはまた別の国家王国騎士が、尻もちをついたミントの髪に手を触れようとする。
その直前で俺は、その国家王国騎士の手首を力強く握る。
「もうその辺で良いだろうッ!!
ミントの作った魔道具は、この魔道具店の大事な売り物なんだッ!!
そんなことをしたら借金を返すだなんて、余計に出来なくなるだけじゃないかッ!!」
そんな理不尽な話が、あって良い訳がない。
金を返せと言いながら、その金になるかも知れない魔道具を壊す。
それでは、元も子もないと普通に考えれば分かるだろう。
コイツらがやっているのは、借金の取り立てと言う名目のただの憂さ晴らしだ。
「大事にしていた物を、他者に力づくで奪われる。
その苦しみが、俺には痛いほどよく分かるから……」
『気が付けニシジマッ!!
この世の中、お前の思い通りになんてなりゃあしねえッ!!
お前みたいな弱者はなッ!!
いつだって俺みてえなクズに奪われちまう側なんだッ!!』
「だから、俺はもう何も奪わせたくないんだ」
「ぼぼっ、冒険者の分際で俺たち権力者に逆らうつもりかッ!?」
「だったら何だ?」
ギュッ、と力を込めて手首を掴む。
ミントの髪に手を触れようとした国家王国騎士が、「ぐぁッ!!」と手首を抑えて後ろへと下がる。
続いてグレゴリオを睨みつけた俺は、一目散にグレゴリオに向かって走ると、その右拳で左頬を貫く。
グイッ、とねじ込むように直撃した俺の右ストレート。
その一撃でグレゴリオの身体が吹き飛び、「グオッ!?」とうめき声をあげて店内の床に尻もちをつく。
「野郎、やりやがった……ッ!!」
「グレゴリオ様をぶん殴ったぞッ!?」
「考えらんねえ、俺たちには……ッ!!」
その光景に店内の国家王国騎士たちが、全員揃って唖然としてその場に立ち尽くす。
青ざめた表情で見守られるグレゴリオは、その真っ赤に染まった左頬を手先で撫でる。
「なんだ……? 何が起きて……」
パンチが速すぎて、自分の身に何が起こったのか、全く理解していないらしい。
グレゴリオは呆然と頭にクエスチョンマークを浮かべて、その左頬をさすさすと撫でた。
次第に痛み始めるその左頬の熱が、たった今自分が殴られたのだと否応なく理解させるまでーー。
「き、貴様ッ!! よ、よくも庶民の分際でこの私の顔をぶったなッ!?」
「あぁ、ぶったな」
「ーーま、ママにもぶたれた事がないのに……ッ!!」
恨みがましく俺を睨めつけるグレゴリオは、その額に青筋を浮かべると、部下の肩を借りてゆらゆらと立ち上がる。
空き手で腕を水平に振るう。
「ーーや、やれッ!! グレゴリオ一番隊ッ!!
そいつらを職務妨害の罪でひっ捕らえるんだッ!!」
直後に俺とミントを取り囲む、グレゴリオ率いる一番隊の国家王国騎士たち。
「悪いミント。俺……我慢できなかった」
「い、いえ!!
でも、良いんですか? ターニャさん。
国家王国騎士の皆さんに喧嘩なんか売っちゃって……」
「うん、良いか悪いかで言うなら、状況は良くないなぁ」
「ダメじゃないですかぁ!!」
ヒィッ!! と喉を震わせて立ち上がったミントを横目に、俺は作業机に置かれていた白い手袋を手に取った。
「この作業用の手袋、ちょっと借りても良いか?」
「はい、それは良いですけど、一体何をするつもりなんですか?」
「サンキュー、ミント」
そう言って俺は、グレゴリオの眼下にその白い手袋を投げ捨てる。
「なッ!? たたたッ!! ターニャさんッ!!
あなたーーなんてことをしてるんですかッ!?
その手袋の意味が、分かってやってるんですかッ!?」
「あぁ、知ってる。だからやった」
俺はにこりとミントに微笑み、それからグレゴリオにその手袋の意味を突き返す。
「拾えよグレゴリオ」
その行動がもたらす意味。
それは、国家王国騎士としての決闘の合図を意味している。
「ぐぅ~ッ!! 貴ッッッ様ァッ!!
仮にも庶民の分際で、国家王国騎士の真似事ぉおおおおッ!!」
「この手袋の意味が、お前ならよく分かる筈だろ?
お前も仮にも国家王国騎士の一人だと言うなら、この俺と一対一で決闘をしろグレゴリオ」
「ぬ~~んッ!! クソボケがァッ!!
良いだろうッ!! この国のエリートたる私に喧嘩を売ったことぉッ!!
その身を持って後悔させてやるゥッ!!
ーーただしぃッ!!
やるのは、互いに魔導戦機を使った一騎打ちだぁッ!!
負けたら勝者の従僕として、その望みを叶えることッ!!
私の望みはお前ら二人の処刑と、このオンボロクソ魔道具店の解体だぁッ!!」
そう言ってグレゴリオは、今にも剣を引き抜こう勢いで顔を真っ赤に染めて憤慨する。
「分かった。それで問題ない。
こちらの望みも、同じく二つ。
ミントの借金をチャラにすること。
そしてーーこの俺の国家王国騎士入りだ。
お前が推薦してくれ」
「こ、ここっ、国家王国騎士になりたいだとォッ!?
どこまでもクソふざけた冒険者だぁッ!!
お前のようなゴミクズがぁッ!!
この私に勝って、国家王国騎士になるだとうッ!?
なれる訳がないだろうッ!! マヌケえッ!!」
「うん、でもーー勝負はやってみなくちゃ分からないだろ?」
「こっ、ここここっ、このクソボケがぁあああああッ!!
万に一つも、お前が私に勝つなどッ!!
ずぇえええっっっったいにあり得ないから、安心しろ、このゴミクズがぁあああああッ!!」
ーーペッ、と床に落とされた白い手袋に唾を吐き捨てたグレゴリオは、カンッと足を力強く踏み鳴らしてその場でターンする。
「着いて来いウンコ。今日がお前の命日だ」
「光栄だよ。ウンコ連れて歩く国家王国騎士を見るのは、初めてさ」
「う~~~んッ!! こがぁあああああッ!!
ーー決闘は、これより第二内地ヒルの闘技場で執り行う」
そう言ってズカズカと肩を揺らし、店内から出ていくグレゴリオに続く。俺とミントも揃って魔道具店を後にする。
引き攣った笑みを浮かべて俺も半歩と下がると、横合いではミントが思いっきり頭を振った。
「しゃしゃっ、借金のご返済でしたら、必ず後日には致しますので!!
今日のお取り立ては、何卒ご勘弁を……っ!!」
ブゥン、と振り下ろされた頭が、店内の床につかん勢いで思いっきり下げられる。
ペコペコと何度も頭を下げるミントに、グレゴリオは「んっ?」と視線を上げて顎に手をつく。
「借金? あぁ、そう言えばここは、あのオンボロ魔道具店、ミント・ボンハーネット魔道具店でしたか」
思い出したようにクツクツと喉を鳴らしたグレゴリオは、手近にあった本棚から一冊の魔導書を取り出す。
その中身の魔導書を床へと落とすと、
「全く汚い店内だ」
そう言って魔道具を足蹴にして、粉々に踏み砕いた。
「ひっ!!」
と言うミントの情けない声があがる。
店の事情は詳しく知らないけど、ひょっとしてミントって俺の友だちなんじゃない?
ーー貧乏。
そう言っていたミントの言葉と“借金”と言うワードから、どうやら俺たちは似た者同士であることを理解する。
つまり俺たちは、お互い様。
金に恵まれない腐れ縁の仲と言う訳だ。
「にしても酷いことをするな。勿体ねえ……」
「お前、一体何をしている?」
「何って、見て分かんねえのかよ?
店内の掃除をしているんだ」
そう言って俺は、床に散らばる魔道具の欠片を拾い集めて、そのすべてをミントの手元に返してやる。
「ゴミは、ゴミ箱に捨てろとお母さんから習わなかったのか?」
「ゴミは、リサイクルしたほうがどう考えてもお得だろ?」
対抗心を募らせ、俺はグレゴリオに口答えをする。
せっかくミントが作った魔道具に対する所業と言い、俺を殺したことと言い。
俺はどうにもグレゴリオのことが、現時点ではあまり好きにはなれないみたいだ。
「ふん。どうやらこの店内には、ゴミ拾いが二匹居るだけで、お目当ての不法入国者は居ないようだな?」
「まっ、そういうことだ。引き取ってくれ」
俺がグレゴリオにそう告げると、バツの悪そうにフンと鼻を鳴らしたグレゴリオは、俺から視線を外して店内の様子を舐めるように見る。
「とは言え、このまま手持ち無沙汰で帰ると言うのも癪に障る……おい」
そう言ってグレゴリオは、水平に腕を振るう。
すると背後に控えていた国家王国騎士たちが、ゾロゾロと店内に侵入して来て一斉に本棚を荒らし始めた。
その手に取った魔道具を床へと叩きつけては、足蹴にしてその中身の魔道具を踏み砕きまくる。
「ハハッ、最低だなお前ら」
こんなヤツらが国家王国騎士なら、俺は一生冒険者で良かったのかも知れない。
次々と魔道具を破壊し、嘲笑を漏らしてクツクツと笑う国家王国騎士たち。
その所業を見ていたミントが、一番近くに居た国家王国騎士へと向かって泣きついた。
「ーーやっ、やめてくださいッ!!
その魔道具は、私が素材を取って来て、苦労して仕上げた大事な売り物の魔道具なんですッ!!」
ガシャンと食器が割れるような音が店内に響く。
涙目のミントに抱きつかれた一人の国家王国騎士が、その腕をウザったそうに振り払う。
「ふんッ!! 身なりの汚え庶民が、この私に触れるんじゃあないッ!!」
そう言って突き飛ばされたミントが、床に尻もちをついて涙を浮かべる。
「良いかッ!? この国では、国家王国騎士こそがお前らよりも上の権力者なんだッ!!
それにこのクソオンボロ店は、祖父の遺産を相続した際、国へ多額の借金をしている身なんだぞ?
それを返せないと言うなら、何かしらで払って貰うのが当然であろうッ!!」
そう言って国家王国騎士たちは、尚も辞めることなく魔道具を次々と壊していく。
「一体、どんな想いで作られた物なんだろうな?」
冒険者である俺には、魔道具士であるヤツらの気持ちは、実際のところはよく分からない。
だけど、こんなことは間違っていると、俺は直感でそう思う。
ミントを突き飛ばした国家王国騎士。
それとはまた別の国家王国騎士が、尻もちをついたミントの髪に手を触れようとする。
その直前で俺は、その国家王国騎士の手首を力強く握る。
「もうその辺で良いだろうッ!!
ミントの作った魔道具は、この魔道具店の大事な売り物なんだッ!!
そんなことをしたら借金を返すだなんて、余計に出来なくなるだけじゃないかッ!!」
そんな理不尽な話が、あって良い訳がない。
金を返せと言いながら、その金になるかも知れない魔道具を壊す。
それでは、元も子もないと普通に考えれば分かるだろう。
コイツらがやっているのは、借金の取り立てと言う名目のただの憂さ晴らしだ。
「大事にしていた物を、他者に力づくで奪われる。
その苦しみが、俺には痛いほどよく分かるから……」
『気が付けニシジマッ!!
この世の中、お前の思い通りになんてなりゃあしねえッ!!
お前みたいな弱者はなッ!!
いつだって俺みてえなクズに奪われちまう側なんだッ!!』
「だから、俺はもう何も奪わせたくないんだ」
「ぼぼっ、冒険者の分際で俺たち権力者に逆らうつもりかッ!?」
「だったら何だ?」
ギュッ、と力を込めて手首を掴む。
ミントの髪に手を触れようとした国家王国騎士が、「ぐぁッ!!」と手首を抑えて後ろへと下がる。
続いてグレゴリオを睨みつけた俺は、一目散にグレゴリオに向かって走ると、その右拳で左頬を貫く。
グイッ、とねじ込むように直撃した俺の右ストレート。
その一撃でグレゴリオの身体が吹き飛び、「グオッ!?」とうめき声をあげて店内の床に尻もちをつく。
「野郎、やりやがった……ッ!!」
「グレゴリオ様をぶん殴ったぞッ!?」
「考えらんねえ、俺たちには……ッ!!」
その光景に店内の国家王国騎士たちが、全員揃って唖然としてその場に立ち尽くす。
青ざめた表情で見守られるグレゴリオは、その真っ赤に染まった左頬を手先で撫でる。
「なんだ……? 何が起きて……」
パンチが速すぎて、自分の身に何が起こったのか、全く理解していないらしい。
グレゴリオは呆然と頭にクエスチョンマークを浮かべて、その左頬をさすさすと撫でた。
次第に痛み始めるその左頬の熱が、たった今自分が殴られたのだと否応なく理解させるまでーー。
「き、貴様ッ!! よ、よくも庶民の分際でこの私の顔をぶったなッ!?」
「あぁ、ぶったな」
「ーーま、ママにもぶたれた事がないのに……ッ!!」
恨みがましく俺を睨めつけるグレゴリオは、その額に青筋を浮かべると、部下の肩を借りてゆらゆらと立ち上がる。
空き手で腕を水平に振るう。
「ーーや、やれッ!! グレゴリオ一番隊ッ!!
そいつらを職務妨害の罪でひっ捕らえるんだッ!!」
直後に俺とミントを取り囲む、グレゴリオ率いる一番隊の国家王国騎士たち。
「悪いミント。俺……我慢できなかった」
「い、いえ!!
でも、良いんですか? ターニャさん。
国家王国騎士の皆さんに喧嘩なんか売っちゃって……」
「うん、良いか悪いかで言うなら、状況は良くないなぁ」
「ダメじゃないですかぁ!!」
ヒィッ!! と喉を震わせて立ち上がったミントを横目に、俺は作業机に置かれていた白い手袋を手に取った。
「この作業用の手袋、ちょっと借りても良いか?」
「はい、それは良いですけど、一体何をするつもりなんですか?」
「サンキュー、ミント」
そう言って俺は、グレゴリオの眼下にその白い手袋を投げ捨てる。
「なッ!? たたたッ!! ターニャさんッ!!
あなたーーなんてことをしてるんですかッ!?
その手袋の意味が、分かってやってるんですかッ!?」
「あぁ、知ってる。だからやった」
俺はにこりとミントに微笑み、それからグレゴリオにその手袋の意味を突き返す。
「拾えよグレゴリオ」
その行動がもたらす意味。
それは、国家王国騎士としての決闘の合図を意味している。
「ぐぅ~ッ!! 貴ッッッ様ァッ!!
仮にも庶民の分際で、国家王国騎士の真似事ぉおおおおッ!!」
「この手袋の意味が、お前ならよく分かる筈だろ?
お前も仮にも国家王国騎士の一人だと言うなら、この俺と一対一で決闘をしろグレゴリオ」
「ぬ~~んッ!! クソボケがァッ!!
良いだろうッ!! この国のエリートたる私に喧嘩を売ったことぉッ!!
その身を持って後悔させてやるゥッ!!
ーーただしぃッ!!
やるのは、互いに魔導戦機を使った一騎打ちだぁッ!!
負けたら勝者の従僕として、その望みを叶えることッ!!
私の望みはお前ら二人の処刑と、このオンボロクソ魔道具店の解体だぁッ!!」
そう言ってグレゴリオは、今にも剣を引き抜こう勢いで顔を真っ赤に染めて憤慨する。
「分かった。それで問題ない。
こちらの望みも、同じく二つ。
ミントの借金をチャラにすること。
そしてーーこの俺の国家王国騎士入りだ。
お前が推薦してくれ」
「こ、ここっ、国家王国騎士になりたいだとォッ!?
どこまでもクソふざけた冒険者だぁッ!!
お前のようなゴミクズがぁッ!!
この私に勝って、国家王国騎士になるだとうッ!?
なれる訳がないだろうッ!! マヌケえッ!!」
「うん、でもーー勝負はやってみなくちゃ分からないだろ?」
「こっ、ここここっ、このクソボケがぁあああああッ!!
万に一つも、お前が私に勝つなどッ!!
ずぇえええっっっったいにあり得ないから、安心しろ、このゴミクズがぁあああああッ!!」
ーーペッ、と床に落とされた白い手袋に唾を吐き捨てたグレゴリオは、カンッと足を力強く踏み鳴らしてその場でターンする。
「着いて来いウンコ。今日がお前の命日だ」
「光栄だよ。ウンコ連れて歩く国家王国騎士を見るのは、初めてさ」
「う~~~んッ!! こがぁあああああッ!!
ーー決闘は、これより第二内地ヒルの闘技場で執り行う」
そう言ってズカズカと肩を揺らし、店内から出ていくグレゴリオに続く。俺とミントも揃って魔道具店を後にする。
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