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ライネル・コーンウェル、違法植物の密輸入と過失致死で禁錮半年。禁錮刑の執行は学園卒業後。
ロード・フェアリ、密輸入の教唆と過失致死で禁錮一年、及び爵位の継承禁止。始業式での特定多数への傷害事件については大きな被害はなかったため、禁錮刑執行中に通信教育で一定の成績を収める事で卒業を認める。
アラン・ルーセント、密輸入と過失致死、ライネルとロードを監督する立場にあったとして、臣籍降下、王位継承権の剥奪。
以上が裁判所から言い渡されたアランたちの罪と罰だ。
「アランは、学園を卒業するまで…あと四か月余りだが、それまでは寮には戻らず王宮から学園へ通わせる。生徒会副会長の職は辞する。学園で薬草畑を作るのは禁止。卒業の次の日に臣籍降下、公爵位を賜るが、領地はない。薬学研究所へ勤務し研究所の寮へ住まう事になる」
レスターが執務机でそう言うと、前に立ったアランは意外そうな表情になる。
「…薬学研究所へ勤務?」
「お前にとっては罰ではなく褒美のような物かもな。ただ、薬学の知識の悪用防止のための措置だと肝に命じろよ」
レスターはアランを見上げて言う。アランは口元を引き締めた。
「はい」
「王位継承権は剥奪されるが、王太子及び第二王子に男児が誕生するまで婚姻は禁止する。従って、デンゼル侯爵家長女パトリシアとの婚約は解消される」
「はい」
「俺とアレン両方が男の子を授かるまで、か。アレンはまだエリザベス嬢との婚約解消を議会へ申し出ていないし、パトリシアとの婚姻も許可されるのはいつになるやら…アラン、お前場合によっては結婚できないかもな?」
アランを見上げて苦笑いを浮かべるレスター。
「…ビビアン・ミルトンの事を思えば、俺の婚姻など些末な事です」
アランは俯いて言った。
-----
父デンゼル侯爵と共に応接室で待っていたパトリシアの元にアレンとアランの二人がやって来た。
「この様な事になって申し訳ありません。デンゼル卿」
アランはパトリシアの父に頭を下げる。
「王族が臣下に頭を下げるなど…」
柔和そうなデンゼル侯爵は困った様に眉を下げた。
「いえ、俺…私は学園を卒業したら臣籍降下する事が決まりました。名目は公爵ではありますが、領地も屋敷も持たない者になります」
「そうですか」
「パトリシアとの婚約も、解消されると正式に決まりました。デンゼル侯爵にはご迷惑と、今後もご心痛をかける事になり、本当に申し訳ありません」
「甚だ不敬ではありますが…生まれた頃からアランくんを知っている者として、アランくんの今後にも幸多からん事を祈るよ」
デンゼル侯爵は幼い頃の呼び名でアランを呼ぶと、アランの腕をポンポンと叩いた。
「それで、我が娘パトリシアの今後ですが」
デンゼル侯爵はアランの隣に立つアレンに視線をやる。
「デンゼル卿…」
アレンが何かを言おうとすると、侯爵は手を挙げてそれを制した。
「パトリシアの今後は殿下が責任持ってくださるんですよね?」
敢えて名前を呼ばず、侯爵は口角を上げてアレンをじっと見つめる。
アランに元婚約者としての責任でパトリシアの相手を探せ、と言っている様にも聞こえるが、本当はアレンに「パトリシアを娶ってくれるんですよね?」と問い掛けている。
エリザベスと婚約解消していない以上、パトリシアとの婚姻話をデンゼル家に申し込む事もまだできない。素知らぬ振りで他の有力貴族にパトリシアを嫁がせる事もできるのに「アレンを待つ」とパトリシアの父が言っているのだ。
アレンは無言で大きく頷いた。
デンゼル侯爵が王家からの説明と、諸々の手続きのために応接室を出て行くと、アランはパトリシアにも頭を下げた。
「パティ、ごめん」
「アランが謝る事なんて…私だってアランが薬を作ってるの知ってて止めなかったんだもの…」
「いや。それは違う。悪いのは俺だけだ。…それに婚約の事も」
「…どうして?アランを裏切ったのは私の方なのに…」
「裏切られたなんて思ってないよ。アレンは昔からパティを好きだったんだ。知ってて婚約を受け入れた俺とアレンが悪いんだ」
「そうだな」
アレンもアランの言葉に頷く。
「パティは俺の婚約者じゃなくなるけど、大切な幼なじみなのには変わりないからな。アレンに幸せにしてもらえよ」
アランはポンポンとパトリシアの頭を叩く。
「ありがとう。アラン」
「絶対に幸せにする。でもパティに触るな」
アレンがパトリシアを後ろから緩く抱いて自分の方へ引き寄せた。
「きゃあ。アレン」
「アレン、心が狭すぎるよ」
アランとパトリシアは視線を合わせて笑った。
ライネル・コーンウェル、違法植物の密輸入と過失致死で禁錮半年。禁錮刑の執行は学園卒業後。
ロード・フェアリ、密輸入の教唆と過失致死で禁錮一年、及び爵位の継承禁止。始業式での特定多数への傷害事件については大きな被害はなかったため、禁錮刑執行中に通信教育で一定の成績を収める事で卒業を認める。
アラン・ルーセント、密輸入と過失致死、ライネルとロードを監督する立場にあったとして、臣籍降下、王位継承権の剥奪。
以上が裁判所から言い渡されたアランたちの罪と罰だ。
「アランは、学園を卒業するまで…あと四か月余りだが、それまでは寮には戻らず王宮から学園へ通わせる。生徒会副会長の職は辞する。学園で薬草畑を作るのは禁止。卒業の次の日に臣籍降下、公爵位を賜るが、領地はない。薬学研究所へ勤務し研究所の寮へ住まう事になる」
レスターが執務机でそう言うと、前に立ったアランは意外そうな表情になる。
「…薬学研究所へ勤務?」
「お前にとっては罰ではなく褒美のような物かもな。ただ、薬学の知識の悪用防止のための措置だと肝に命じろよ」
レスターはアランを見上げて言う。アランは口元を引き締めた。
「はい」
「王位継承権は剥奪されるが、王太子及び第二王子に男児が誕生するまで婚姻は禁止する。従って、デンゼル侯爵家長女パトリシアとの婚約は解消される」
「はい」
「俺とアレン両方が男の子を授かるまで、か。アレンはまだエリザベス嬢との婚約解消を議会へ申し出ていないし、パトリシアとの婚姻も許可されるのはいつになるやら…アラン、お前場合によっては結婚できないかもな?」
アランを見上げて苦笑いを浮かべるレスター。
「…ビビアン・ミルトンの事を思えば、俺の婚姻など些末な事です」
アランは俯いて言った。
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父デンゼル侯爵と共に応接室で待っていたパトリシアの元にアレンとアランの二人がやって来た。
「この様な事になって申し訳ありません。デンゼル卿」
アランはパトリシアの父に頭を下げる。
「王族が臣下に頭を下げるなど…」
柔和そうなデンゼル侯爵は困った様に眉を下げた。
「いえ、俺…私は学園を卒業したら臣籍降下する事が決まりました。名目は公爵ではありますが、領地も屋敷も持たない者になります」
「そうですか」
「パトリシアとの婚約も、解消されると正式に決まりました。デンゼル侯爵にはご迷惑と、今後もご心痛をかける事になり、本当に申し訳ありません」
「甚だ不敬ではありますが…生まれた頃からアランくんを知っている者として、アランくんの今後にも幸多からん事を祈るよ」
デンゼル侯爵は幼い頃の呼び名でアランを呼ぶと、アランの腕をポンポンと叩いた。
「それで、我が娘パトリシアの今後ですが」
デンゼル侯爵はアランの隣に立つアレンに視線をやる。
「デンゼル卿…」
アレンが何かを言おうとすると、侯爵は手を挙げてそれを制した。
「パトリシアの今後は殿下が責任持ってくださるんですよね?」
敢えて名前を呼ばず、侯爵は口角を上げてアレンをじっと見つめる。
アランに元婚約者としての責任でパトリシアの相手を探せ、と言っている様にも聞こえるが、本当はアレンに「パトリシアを娶ってくれるんですよね?」と問い掛けている。
エリザベスと婚約解消していない以上、パトリシアとの婚姻話をデンゼル家に申し込む事もまだできない。素知らぬ振りで他の有力貴族にパトリシアを嫁がせる事もできるのに「アレンを待つ」とパトリシアの父が言っているのだ。
アレンは無言で大きく頷いた。
デンゼル侯爵が王家からの説明と、諸々の手続きのために応接室を出て行くと、アランはパトリシアにも頭を下げた。
「パティ、ごめん」
「アランが謝る事なんて…私だってアランが薬を作ってるの知ってて止めなかったんだもの…」
「いや。それは違う。悪いのは俺だけだ。…それに婚約の事も」
「…どうして?アランを裏切ったのは私の方なのに…」
「裏切られたなんて思ってないよ。アレンは昔からパティを好きだったんだ。知ってて婚約を受け入れた俺とアレンが悪いんだ」
「そうだな」
アレンもアランの言葉に頷く。
「パティは俺の婚約者じゃなくなるけど、大切な幼なじみなのには変わりないからな。アレンに幸せにしてもらえよ」
アランはポンポンとパトリシアの頭を叩く。
「ありがとう。アラン」
「絶対に幸せにする。でもパティに触るな」
アレンがパトリシアを後ろから緩く抱いて自分の方へ引き寄せた。
「きゃあ。アレン」
「アレン、心が狭すぎるよ」
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