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141.捕縛(SIDE:ダミアン)
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「初めに剣を習う時に、教えられませんでしたか?剣を握るということがどういうことなのか…………」
ダミアンは目を細めると、すっと指先を移動させた。
途端に浮遊していた剣が、はじめからそこに存在しなかったかのようにその場で霧散する。
その場にいた誰もが、信じられないといったように剣があった場所を見つめていた。
「武器を持つと言うことは、刃を向ける相手を傷付けるのと同時に、己も傷付き、死と向き合う覚悟が必要なのだそうですよ。…………まあ、これは主からの受け売りですが」
にこりと嗤うダミアンがぐっと拳を握りしめる。すると、先程剣が霧散した時に生じた細かな破片がダミアンの周囲へと集まり、次第に無数の矢の形を形成していく。
「あなた方を生かしておく価値など微塵も感じませんが、『捕えろ』との主の命令ですからね。………それでも、主に危害を加えようとした事は、大変許し難い事です」
「や…………やめっ…………!」
男達は我先にと逃げ出すが、ジークヴァルトが張った防御壁のせいで、それ以上先に進めない。
逃げられないという事を悟ると、今度は無様な格好で命乞いを始めた。
「知っていることは全て話す!だから殺さないでくれ!!」
「俺たちは、雇われただけで………巫女姫様に恨みがあるわけじゃないんだ!」
地べたに這いつくばる男達を、まるで虫螻でも見るような、恐ろしく冷たい目で見下すと、ダミアンは溜息をついた。
「そんなこと、聞かなくても初めから分かっています」
鋭い光を帯びた鈍色の矢が、男達の足元へと降り注ぐ。
触れるか触れないかのギリギリの場所に、深く突き刺さる矢を見て、男達は更に震え上がった。
「うわあああっ!」
「頼むっ!殺さないでくれ!!」
「本当に、小物は何処までも小物なのですね。何と手応えのないことでしょう。この前の小娘といい、汚れ役は仕方がないとしても…………」
一斉に悲鳴を上げる男達を呆れ顔で眺めながら再び溜息をつくと、ダミアンは心底つまらなそうに靭やかな指を動かして、捕縛魔法で男達を締め上げていく。
「あまり残酷なことをすると、主の大事な麗しのご令嬢が倒れられてしまいますからね…………今日の所はあなた方を肉体的に甚振るつもりはありませんよ。………ただ、それはあくまでも私の考えです。主がどうされるのかまでは私には分かりません。命が惜しいのならば主の機嫌を損ねないように、先に忠告しておきますからね?」
ダミアンは抵抗出来ない男達を足蹴にしながら一箇所に纏めると、男達の恐怖心を煽ってから、外で待つジークヴァルトに合図を送った。
ダミアンは目を細めると、すっと指先を移動させた。
途端に浮遊していた剣が、はじめからそこに存在しなかったかのようにその場で霧散する。
その場にいた誰もが、信じられないといったように剣があった場所を見つめていた。
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にこりと嗤うダミアンがぐっと拳を握りしめる。すると、先程剣が霧散した時に生じた細かな破片がダミアンの周囲へと集まり、次第に無数の矢の形を形成していく。
「あなた方を生かしておく価値など微塵も感じませんが、『捕えろ』との主の命令ですからね。………それでも、主に危害を加えようとした事は、大変許し難い事です」
「や…………やめっ…………!」
男達は我先にと逃げ出すが、ジークヴァルトが張った防御壁のせいで、それ以上先に進めない。
逃げられないという事を悟ると、今度は無様な格好で命乞いを始めた。
「知っていることは全て話す!だから殺さないでくれ!!」
「俺たちは、雇われただけで………巫女姫様に恨みがあるわけじゃないんだ!」
地べたに這いつくばる男達を、まるで虫螻でも見るような、恐ろしく冷たい目で見下すと、ダミアンは溜息をついた。
「そんなこと、聞かなくても初めから分かっています」
鋭い光を帯びた鈍色の矢が、男達の足元へと降り注ぐ。
触れるか触れないかのギリギリの場所に、深く突き刺さる矢を見て、男達は更に震え上がった。
「うわあああっ!」
「頼むっ!殺さないでくれ!!」
「本当に、小物は何処までも小物なのですね。何と手応えのないことでしょう。この前の小娘といい、汚れ役は仕方がないとしても…………」
一斉に悲鳴を上げる男達を呆れ顔で眺めながら再び溜息をつくと、ダミアンは心底つまらなそうに靭やかな指を動かして、捕縛魔法で男達を締め上げていく。
「あまり残酷なことをすると、主の大事な麗しのご令嬢が倒れられてしまいますからね…………今日の所はあなた方を肉体的に甚振るつもりはありませんよ。………ただ、それはあくまでも私の考えです。主がどうされるのかまでは私には分かりません。命が惜しいのならば主の機嫌を損ねないように、先に忠告しておきますからね?」
ダミアンは抵抗出来ない男達を足蹴にしながら一箇所に纏めると、男達の恐怖心を煽ってから、外で待つジークヴァルトに合図を送った。
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