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第二十話 「人」の定義
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ミハイルさんの理解は得られたものの、元の世界への手掛かりを得るのに私ができることと言えば、とくに思い当たらず。結局何をしているかと言えば、いつも通り掃除をしているのだけど。
「捗らないなあ……」
部屋の窓を拭きながら、思わず愚痴を零してしまった。
ライサに妨害されていた頃は、邪魔さえなければと思ったし、和解した後は「なんて捗るんだ!」と感動していたものだけど。
元の世界では強力洗剤や便利グッズを使っていただけに、落ち着いたらこのレトロな掃除が煩わしくなってきた……。
洗剤やメラミンスポンジがあれば一撃な汚れも、途方もなく時間と体力が要る。
それでも落ちるならまだ良いけれど、場合によってはもうお手上げってところもある。今できるベストな状態になるよう手は尽くしているけれど。
果物洗剤でもないよりはマシだけど、いや、思っていた以上の効力はあったんだけど、汚れによっては太刀打ちできないわけで。
「アラムさん……あれから会ってないなぁ」
薬品ならもっと効率的に汚れを落とせるのではないかと思う。でもアラムさんやライサが正気を失くして襲い掛かってきたあの日から、彼は私の前に姿を現していない。
もしかして、まだあの時のことを気にしているのだろうか。
そりゃ怖かったし忘れられることではないけど、ライサとは今もわだかまりなく話しているのにな。
私から声を掛けるにも、どこにいるのかわからないし。あのとき使った薬類も、アラムさんがおかしくなったときにぶちまけちゃったし。
「今あるもので地道にやっていくしかないか……」
不意に声をかけられたのは、ため息をついたそのときだった。
「ミオ嬢! 探したよ」
振り向くと、今まさに考えていた人……いや幽霊が、私の前に漂っていた。
「できたよ、汚れを落とす薬品が。ぼくが所有している薬品を調合してみてね。こんなに何かに熱中したのは生きてるとき以来だよ」
愉快そうに喋るアラムさんを見て、私は驚きながらも問いかけてみた。
「もしかしてあれからずっと、調合してたんですか?」
「ああ、最初はお詫びのつもりだったけど、やってたら楽しくなってきて。生前を思い出したなぁ」
懐かしむように、アラムさんが腕を組んで何度もうなずく。
「まあ生きてたところで、今は魔法でなんでもできるから、ぼくの研究なんて必要ないんだろうけど」
眼鏡の奥の瞳に、少し寂しそうな色が宿る。
その言い様に、少し引っ掛かりを覚える。
今は――ということは、アラムさんが生きていた頃は魔法は存在していなかった?
「まあ、それはいい。薬品を容器に移したはいいんだけど、生憎僕が動かせるのは液体だけでね。取りにきてもらえるとありがたい。ああ、前みたいなことになるのは嫌だから、ミハイルの坊やにでも探してきてついてきてもらうといい」
やっぱり、少しは気にしているんだな。
……それにしても、アラムさんはミハイルさんに対して悪い感情こそ持っていないみたいだけど、もう彼が大人で、今は当主だってことはあんまり理解していなさそう。
うーん、どうしようかな。さすがの私も、雇い主の手を気安く煩わせるのは気が引ける。でも迷っている間に、アラムさんはさっさとミハイルさんの部屋に向かってしまう。
確かに怖くないといえば嘘だ。ミハイルさんについてきてもらえるならありがたい。
そう結論付けてアラムさんの後を追っていく。お願いして、断られたらそのとき考えればいい。と思いながら歩いていると、ふと廊下の角にうずくまる人が見えて、足を止めた。多分幽霊だろうけど、酷く苦しそうな呻き声が聞こえてくる。
思わず声を掛けようと足をそちらに足を向けると、アラムさんに固い声で呼び止められた。
「近づかない方がいい」
「でも、苦しそうで……怪我とか病気ではないかと」
「ミオ嬢、この屋敷にいるのは坊と嬢以外はみな幽霊だよ。幽霊は死なない、怪我も病気もない。あれば僕にももう少し存在意義があったかもね」
「アラムさん……?」
また、アラムさんが寂しげな表情を見せる。けれど次の瞬間にはその憂いのようなものは綺麗に消えていて。
「人に触れられないから人は治せないけど、幽霊の医者というのも面白かったかもね。でもぼくら幽霊に医者はいらないから。大丈夫」
「でも……」
「ミオ嬢はぼくらを……幽霊を怖がらない。それは僕にとって気分がいいけど、幽霊みんながそうとは限らない。そして幽霊は人じゃない。それは覚えておいた方がいいよ」
アラムさんの言葉に、ミハイルさんの忠告を思い出す。
別に幽霊をなめてるとかそういうわけじゃない。でも、幽霊が人じゃないっていうのはどうなんだろうか。
「確かに生者ではないかもしれないけど、死者も人は人でしょう?」
「人の定義を何とするかによるけどね。言い方を変えれば、死者には死の概念がないんだ、自分にも相手にも。その事実は時に倫理を崩壊させる。理性を喪失すれば人じゃない……と、ぼくは思う。少なくとも心を許すものじゃない」
そう言ってアラムさんはくるりと踵を返した。
アラムさんの話は少し難しい。幽霊は簡単に理性を失うってことなんだろうか?
それとも、こないだの一件でそう考えるに至ったのだろうか。
どちらにしても、苦しむ幽霊に声をかけて私にできることはありそうにない。
少し気がひけるけど、アラムさんに従って、声をかけるのをやめる。すると、その姿はすぅっと消えてしまって、面食らいながらも、私はまたアラムさんの後について歩きだした。
ミハイルさんの部屋にたどり着くと、アラムさんはその扉に近づいて、すぐに離れる。そして私の方を向いて声を上げた。
「ミオ嬢、悪いけど坊を起こしてきてくれる? 多分寝てる」
そう言って、アラムさんがくるりと私を振り返る。
「私が……ですか? どうして寝ているってわかるんですか?」
「幽霊除けが掛かってる。寝てるときはいつもそうだから。坊やは幽霊が嫌いだからね」
アラムさんが肩をすくめる。ミハイルさんの幽霊嫌いって、やっぱり幽霊にも周知されているんだな。いやでも、幽霊じゃなくとも他人がうろうろしてる中じゃよく眠れないと思うし、そこは仕方ないんじゃないかな。
まぁ、アラムさんが入れないなら仕方ないけど……私が入ってもいいものだろうか?
とりあえず、ノックしてみる。が、返事はない。よほどよく眠っているのだろうか……
「あの、アラムさん。ミハイルさん、まだお休みのようですし。せっかくなんですけど後にしてもらっても構いませんか?」
「休んでいると何か都合が悪いことでもあるのかい?」
「使用人ごときが自分の都合で主人の就寝を邪魔するのはどうかなと」
「そういう人間の都合はよくわからないな。ぼくらは寝ないし」
アラムさんが顎に手をあてながら、不思議そうな顔をする。
そうは言っても、生きているときは寝ていたでしょうに。それとも、もう生きていた頃のことは思い出せないんだろうか。
幽霊は忘れっぽいとリエーフさんは言っていた。そうやって、人としての生活を忘れていくなら……確かに、人ではなくなっていくものなのかもしれない。人それぞれとは言え、眠らない人間などいない。私たちとは違うんだ。
そうやって生きていた頃とかけ離れた存在になっていくのって、どういう感じなんだろう。辛かったり苦しかったりはしないのだろうか。そういう感情さえも忘れていくのだろうか。
さっき見かけた人は、苦しそうだったけれど。病気や怪我じゃないのなら、どうして苦しんでいたのだろう?
「ミオ嬢」
焦れたようなアラムさんの声に、思考の渦から我に返る。
ミハイルさんを起こさないと納得してくれないみたいだし、仕方ない。
もう一度少し強めにノックしても返答がないので、扉ごしに声をかけた。
「捗らないなあ……」
部屋の窓を拭きながら、思わず愚痴を零してしまった。
ライサに妨害されていた頃は、邪魔さえなければと思ったし、和解した後は「なんて捗るんだ!」と感動していたものだけど。
元の世界では強力洗剤や便利グッズを使っていただけに、落ち着いたらこのレトロな掃除が煩わしくなってきた……。
洗剤やメラミンスポンジがあれば一撃な汚れも、途方もなく時間と体力が要る。
それでも落ちるならまだ良いけれど、場合によってはもうお手上げってところもある。今できるベストな状態になるよう手は尽くしているけれど。
果物洗剤でもないよりはマシだけど、いや、思っていた以上の効力はあったんだけど、汚れによっては太刀打ちできないわけで。
「アラムさん……あれから会ってないなぁ」
薬品ならもっと効率的に汚れを落とせるのではないかと思う。でもアラムさんやライサが正気を失くして襲い掛かってきたあの日から、彼は私の前に姿を現していない。
もしかして、まだあの時のことを気にしているのだろうか。
そりゃ怖かったし忘れられることではないけど、ライサとは今もわだかまりなく話しているのにな。
私から声を掛けるにも、どこにいるのかわからないし。あのとき使った薬類も、アラムさんがおかしくなったときにぶちまけちゃったし。
「今あるもので地道にやっていくしかないか……」
不意に声をかけられたのは、ため息をついたそのときだった。
「ミオ嬢! 探したよ」
振り向くと、今まさに考えていた人……いや幽霊が、私の前に漂っていた。
「できたよ、汚れを落とす薬品が。ぼくが所有している薬品を調合してみてね。こんなに何かに熱中したのは生きてるとき以来だよ」
愉快そうに喋るアラムさんを見て、私は驚きながらも問いかけてみた。
「もしかしてあれからずっと、調合してたんですか?」
「ああ、最初はお詫びのつもりだったけど、やってたら楽しくなってきて。生前を思い出したなぁ」
懐かしむように、アラムさんが腕を組んで何度もうなずく。
「まあ生きてたところで、今は魔法でなんでもできるから、ぼくの研究なんて必要ないんだろうけど」
眼鏡の奥の瞳に、少し寂しそうな色が宿る。
その言い様に、少し引っ掛かりを覚える。
今は――ということは、アラムさんが生きていた頃は魔法は存在していなかった?
「まあ、それはいい。薬品を容器に移したはいいんだけど、生憎僕が動かせるのは液体だけでね。取りにきてもらえるとありがたい。ああ、前みたいなことになるのは嫌だから、ミハイルの坊やにでも探してきてついてきてもらうといい」
やっぱり、少しは気にしているんだな。
……それにしても、アラムさんはミハイルさんに対して悪い感情こそ持っていないみたいだけど、もう彼が大人で、今は当主だってことはあんまり理解していなさそう。
うーん、どうしようかな。さすがの私も、雇い主の手を気安く煩わせるのは気が引ける。でも迷っている間に、アラムさんはさっさとミハイルさんの部屋に向かってしまう。
確かに怖くないといえば嘘だ。ミハイルさんについてきてもらえるならありがたい。
そう結論付けてアラムさんの後を追っていく。お願いして、断られたらそのとき考えればいい。と思いながら歩いていると、ふと廊下の角にうずくまる人が見えて、足を止めた。多分幽霊だろうけど、酷く苦しそうな呻き声が聞こえてくる。
思わず声を掛けようと足をそちらに足を向けると、アラムさんに固い声で呼び止められた。
「近づかない方がいい」
「でも、苦しそうで……怪我とか病気ではないかと」
「ミオ嬢、この屋敷にいるのは坊と嬢以外はみな幽霊だよ。幽霊は死なない、怪我も病気もない。あれば僕にももう少し存在意義があったかもね」
「アラムさん……?」
また、アラムさんが寂しげな表情を見せる。けれど次の瞬間にはその憂いのようなものは綺麗に消えていて。
「人に触れられないから人は治せないけど、幽霊の医者というのも面白かったかもね。でもぼくら幽霊に医者はいらないから。大丈夫」
「でも……」
「ミオ嬢はぼくらを……幽霊を怖がらない。それは僕にとって気分がいいけど、幽霊みんながそうとは限らない。そして幽霊は人じゃない。それは覚えておいた方がいいよ」
アラムさんの言葉に、ミハイルさんの忠告を思い出す。
別に幽霊をなめてるとかそういうわけじゃない。でも、幽霊が人じゃないっていうのはどうなんだろうか。
「確かに生者ではないかもしれないけど、死者も人は人でしょう?」
「人の定義を何とするかによるけどね。言い方を変えれば、死者には死の概念がないんだ、自分にも相手にも。その事実は時に倫理を崩壊させる。理性を喪失すれば人じゃない……と、ぼくは思う。少なくとも心を許すものじゃない」
そう言ってアラムさんはくるりと踵を返した。
アラムさんの話は少し難しい。幽霊は簡単に理性を失うってことなんだろうか?
それとも、こないだの一件でそう考えるに至ったのだろうか。
どちらにしても、苦しむ幽霊に声をかけて私にできることはありそうにない。
少し気がひけるけど、アラムさんに従って、声をかけるのをやめる。すると、その姿はすぅっと消えてしまって、面食らいながらも、私はまたアラムさんの後について歩きだした。
ミハイルさんの部屋にたどり着くと、アラムさんはその扉に近づいて、すぐに離れる。そして私の方を向いて声を上げた。
「ミオ嬢、悪いけど坊を起こしてきてくれる? 多分寝てる」
そう言って、アラムさんがくるりと私を振り返る。
「私が……ですか? どうして寝ているってわかるんですか?」
「幽霊除けが掛かってる。寝てるときはいつもそうだから。坊やは幽霊が嫌いだからね」
アラムさんが肩をすくめる。ミハイルさんの幽霊嫌いって、やっぱり幽霊にも周知されているんだな。いやでも、幽霊じゃなくとも他人がうろうろしてる中じゃよく眠れないと思うし、そこは仕方ないんじゃないかな。
まぁ、アラムさんが入れないなら仕方ないけど……私が入ってもいいものだろうか?
とりあえず、ノックしてみる。が、返事はない。よほどよく眠っているのだろうか……
「あの、アラムさん。ミハイルさん、まだお休みのようですし。せっかくなんですけど後にしてもらっても構いませんか?」
「休んでいると何か都合が悪いことでもあるのかい?」
「使用人ごときが自分の都合で主人の就寝を邪魔するのはどうかなと」
「そういう人間の都合はよくわからないな。ぼくらは寝ないし」
アラムさんが顎に手をあてながら、不思議そうな顔をする。
そうは言っても、生きているときは寝ていたでしょうに。それとも、もう生きていた頃のことは思い出せないんだろうか。
幽霊は忘れっぽいとリエーフさんは言っていた。そうやって、人としての生活を忘れていくなら……確かに、人ではなくなっていくものなのかもしれない。人それぞれとは言え、眠らない人間などいない。私たちとは違うんだ。
そうやって生きていた頃とかけ離れた存在になっていくのって、どういう感じなんだろう。辛かったり苦しかったりはしないのだろうか。そういう感情さえも忘れていくのだろうか。
さっき見かけた人は、苦しそうだったけれど。病気や怪我じゃないのなら、どうして苦しんでいたのだろう?
「ミオ嬢」
焦れたようなアラムさんの声に、思考の渦から我に返る。
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