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第二十三話 ミオの葛藤
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しかし、看護と言っても何をすればいいものか。私は掃除婦であって、看護婦ではないのだけれど。
熱はなさそうだし、ただ眠っているだけに見える。あまり近づいて、また幽霊と間違えられて怒られるのも嫌だし……、ベッドから少し離れたところに椅子を置き、しばらく座って様子を見ることにする。
……ただ座っているだけって結構退屈。
掃除でもしてようかな、と立ち上がったところでミハイルさんが微かなうめき声を上げる。
「ミハイルさん、気が付きましたか?」
前みたいに驚かせる前に、自分の存在をアピールしておく。ミハイルさんはゆっくりとベッドから起き上がり、こちらを見た。
「……なんでお前がここにいる」
「リエーフさんに様子を見ているよう言われました」
「あいつの言うことにいちいち従わなくていい」
「でも、それも仕事と言われましたので」
「お前の仕事は掃除だろう」
「そうですけど……、心配だったので」
私の言葉に、ミハイルさんは怪訝な眼差しになった。だがすぐに何かを察したように、目をそらす。
「見ていたのか?」
「扉を開けるところなら」
「だから言っただろう。あれはお前が考えているようなものではないと」
「なら、ミハイルさんは扉の中に入ったんですか? 扉を開いて、幽霊を閉じ込めただけではないんですか? だったら中に何がどうなっているかはわかりませんよね」
「それはそうだが……」
ミハイルさんの声に苛立ちが滲む。
「わかっています、可能性がほとんどないことなんて。でもゼロじゃない。だったらあそこに私の望むものがあるかもしれないと……そう考えるだけで救われるんです」
「わからなくもない。だが扉にはもう近づくな……、曰くつきだとわかっただろう。聞こえなかったのか?」
「ちゃんと聞いています」
「そうじゃない」
ますます焦れたように、ミハイルさんは前髪をかきあげて額を押さえた。
「扉から、封じられた幽霊たちの怨嗟の声が、聞こえなかったのか」
絞り出すようなミハイルさんの言葉は予想し得ないものだった。だって、地下はとても静かで、リエーフさんの声以外は何も聞こえなかったから。
「……いいえ。ミハイルさんには聞こえるんですか?」
「屋敷のどこにいても聞こえる。憎悪……、怨嗟……、あらゆる負の感情の籠った言葉が、いつも耳から離れない」
それは……考えただけでゾッとする。
そんな声が四六時中聞こえていれば、そりゃ幽霊嫌いにもなるだろう。
かける言葉が見つからず黙る私の目の前で、ミハイルさんの体がふらりと傾く。
反射的に手を伸ばしたが、ミハイルさんは片手でそれを拒んで、ベッドにもたれた。そして行き場のなくなった私の手に視線を当てて、再び口を開く。
「……その指輪をし続けていれば、いずれお前にも聞こえるようになるかもしれん……そうなる前に屋敷を出た方がいい。お前の事情もわからないではないが、世界を探せばここ以外にもお前の居場所はあるだろう」
確かにそうなのかもしれない。村を出てからすぐこの屋敷に辿り着いた私は、この世界についてまだ知らないことの方が多い。でも、そんなことよりも。
今まで当主として幽霊に関わってこなかったミハイルさんが、急に扉を開ける気になったのは――もしかして、私がここにいるから、なのだろうか。幽霊たちが私に危害を加えないように、ミハイルさんは今までにもいろいろ動いてくれていた。
だから、リエーフさんは私を引き留めたいのだろう。
何かと私とミハイルさんをいい感じにしようとしているのも、私をだしにミハイルさんの逃げ道を塞ごうとしているのかもしれないと思えてきた。私は……利用されているのかもしれない。
「……考えて、みます」
いつもミハイルさんの忠告を突っぱねてきた私だが、このとき初めて、私は力なくそう答えたのだった。
※
ミハイルさんの部屋を出ると、扉の傍に控えていたリエーフさんがこちらを向いた。
「目が覚めたようですね」
「……リエーフさんが私を引き留めるのは、ミハイルさんに当主の仕事をさせたいからですか?」
不躾な私の質問に、リエーフさんは全く動じることなく私を見下ろす。
「そうですね。それは否定しません」
そして、悪びれもせず肯定する。私は床に視線を落として呟いた。
「私、ここを出ていこうかと思っています」
「わたくしにそれを引き留める権利はありません。……ですが誤解しないで下さい。わたくしは、ご主人様がここを出ていくと言うのなら、それも引き留めるつもりはないのです」
再びリエーフさんを見上げると、彼は優しく微笑んだ。いつもよりも温かみのある、慈しむような笑顔に少し驚く。
「結局ご主人様は、屋敷を捨てることはできないのです。かといって、巻き込むことを厭って人と睦み合うこともない。あの方はお優しい方ですが、優しすぎるが故に決断することができません。このままではご主人様が選べる道は、幽霊たちと共に朽ちていくことだけです。それではあまりに寂しいではありませんか」
私は、てっきりリエーフさんは、執事として家を守るため嫌がるミハイルさんに職務を強いているのかと思っていた。私はそのために利用されているのだと。
リエーフさんの言うことに嘘はないように思える。ミハイルさんは今すぐ出ていきたいと口では言うけどそうしない。
幽霊嫌いと言いながら、幽霊を傷つけることはせず、死霊使いとしての力を持ちながら、使うのは専ら幽霊除けくらいだ。扉を初めて開いたというのも、幽霊を人として扱い、封じることを哀れと思っているからだろう。
ミハイルさんは優しい。でも、その優しさは、責任から逃れるための優しさだ。……今の私がそうであるように。
私が屋敷を出ようとしているのだって、ミハイルさんのためではないのだ。ミハイルさんの――他人の人生を決めるような決断に関わりたくないだけ。
「貴方を利用していることに間違いはありません、ミオさん。でも貴方なら、屋敷をかつてのように栄えさせてくれる気がしてならないのです」
「それは……買いかぶりです。私にはできません」
「でも、貴方だって見てきたでしょう。綺麗になった屋敷を見て喜ぶ幽霊たちを。ぬいぐるみを直してもらって喜ぶライサを。庭が綺麗になってエドアルトも元気が出たし、あの変わり者のアラムでさえ、研究の結果できた洗剤がミオさんの役に立って楽しそうにしていた」
「だけど、私にできることはそんなことくらいで」
「ミオさんにとっては……生きた人間にとっては些末なことかもしれませんが、我ら幽霊にとっては大事なのですよ。わたくしたちには睡眠も食事も必要ありません。屋敷を出ることも物に触れることもできず、ただ存在しているだけで何を楽しめるというのです? 深く考えずに忘れていくことで正気を保てていますが、いつ負の感情に囚われてもおかしくないのです」
「リエーフさんでも、ですか?」
「勿論。そして私も、久方ぶりにわくわくしているのです。貴方が部屋をひとつ綺麗にするたびに」
そんな風に言うのはずるい。掃除にかけてはプライドがあるからこそ、私の仕事で喜んでくれる人に私は弱い。
……わかっていて、リエーフさんがそう言っているのだと、知っていても。
「屋敷が栄えていた頃は、使用人も多く、屋敷には笑い声が溢れ、人も幽霊も共に楽しく暮らしていました。しかし、屋敷が荒れれば幽霊も荒れる……、ミオさんが来ていなければ、もっと多くの幽霊が扉の向こうへ行ったことでしょう。それでもミオさんが去るというのならわたくしは止めませんが……」
止めないと口では言いながら、私が行き辛くなるようなことをツラツラ並べ続けるリエーフさんに、私は深い溜息を吐いた。
「……わかりましたよ。出て行かなければいいんでしょう」
「ミオさんならそう言って下さると思っていました!!」
両手を組んで、今までのしんみりしていた顔から一転満面の笑みを見せながら、リエーフさんがにじり寄ってくる。
「やっぱり利用されてる気がする……」
「だから、利用していることは否定しないと言ったでしょう。でも、わたくしも扉の奥に何があるかは知らないのです。魂だけの幽霊を封じ込めるような得体の知らない力なら、時空をゆがめてミオさんの世界へ繋げる力もあるかもしれませんよね?」
それはちょっと強引すぎると思うけど……、でも、そうじゃないと否定するだけの明確な根拠がないのも確かなのだ。
この世界で見た魔法は、日常生活を便利にする程度のもので、別の世界に行けるような力じゃない。それは村にいたときから知っている。
「さあ、ミオさんもお疲れでしょう。お腹は空いていませんか? 何かお夜食を作りましょうか」
そしてまんまとリエーフさんの口車に乗せられ、私はもう少し屋敷に滞在することにし、ついでに夜食も頂いたのだった。
熱はなさそうだし、ただ眠っているだけに見える。あまり近づいて、また幽霊と間違えられて怒られるのも嫌だし……、ベッドから少し離れたところに椅子を置き、しばらく座って様子を見ることにする。
……ただ座っているだけって結構退屈。
掃除でもしてようかな、と立ち上がったところでミハイルさんが微かなうめき声を上げる。
「ミハイルさん、気が付きましたか?」
前みたいに驚かせる前に、自分の存在をアピールしておく。ミハイルさんはゆっくりとベッドから起き上がり、こちらを見た。
「……なんでお前がここにいる」
「リエーフさんに様子を見ているよう言われました」
「あいつの言うことにいちいち従わなくていい」
「でも、それも仕事と言われましたので」
「お前の仕事は掃除だろう」
「そうですけど……、心配だったので」
私の言葉に、ミハイルさんは怪訝な眼差しになった。だがすぐに何かを察したように、目をそらす。
「見ていたのか?」
「扉を開けるところなら」
「だから言っただろう。あれはお前が考えているようなものではないと」
「なら、ミハイルさんは扉の中に入ったんですか? 扉を開いて、幽霊を閉じ込めただけではないんですか? だったら中に何がどうなっているかはわかりませんよね」
「それはそうだが……」
ミハイルさんの声に苛立ちが滲む。
「わかっています、可能性がほとんどないことなんて。でもゼロじゃない。だったらあそこに私の望むものがあるかもしれないと……そう考えるだけで救われるんです」
「わからなくもない。だが扉にはもう近づくな……、曰くつきだとわかっただろう。聞こえなかったのか?」
「ちゃんと聞いています」
「そうじゃない」
ますます焦れたように、ミハイルさんは前髪をかきあげて額を押さえた。
「扉から、封じられた幽霊たちの怨嗟の声が、聞こえなかったのか」
絞り出すようなミハイルさんの言葉は予想し得ないものだった。だって、地下はとても静かで、リエーフさんの声以外は何も聞こえなかったから。
「……いいえ。ミハイルさんには聞こえるんですか?」
「屋敷のどこにいても聞こえる。憎悪……、怨嗟……、あらゆる負の感情の籠った言葉が、いつも耳から離れない」
それは……考えただけでゾッとする。
そんな声が四六時中聞こえていれば、そりゃ幽霊嫌いにもなるだろう。
かける言葉が見つからず黙る私の目の前で、ミハイルさんの体がふらりと傾く。
反射的に手を伸ばしたが、ミハイルさんは片手でそれを拒んで、ベッドにもたれた。そして行き場のなくなった私の手に視線を当てて、再び口を開く。
「……その指輪をし続けていれば、いずれお前にも聞こえるようになるかもしれん……そうなる前に屋敷を出た方がいい。お前の事情もわからないではないが、世界を探せばここ以外にもお前の居場所はあるだろう」
確かにそうなのかもしれない。村を出てからすぐこの屋敷に辿り着いた私は、この世界についてまだ知らないことの方が多い。でも、そんなことよりも。
今まで当主として幽霊に関わってこなかったミハイルさんが、急に扉を開ける気になったのは――もしかして、私がここにいるから、なのだろうか。幽霊たちが私に危害を加えないように、ミハイルさんは今までにもいろいろ動いてくれていた。
だから、リエーフさんは私を引き留めたいのだろう。
何かと私とミハイルさんをいい感じにしようとしているのも、私をだしにミハイルさんの逃げ道を塞ごうとしているのかもしれないと思えてきた。私は……利用されているのかもしれない。
「……考えて、みます」
いつもミハイルさんの忠告を突っぱねてきた私だが、このとき初めて、私は力なくそう答えたのだった。
※
ミハイルさんの部屋を出ると、扉の傍に控えていたリエーフさんがこちらを向いた。
「目が覚めたようですね」
「……リエーフさんが私を引き留めるのは、ミハイルさんに当主の仕事をさせたいからですか?」
不躾な私の質問に、リエーフさんは全く動じることなく私を見下ろす。
「そうですね。それは否定しません」
そして、悪びれもせず肯定する。私は床に視線を落として呟いた。
「私、ここを出ていこうかと思っています」
「わたくしにそれを引き留める権利はありません。……ですが誤解しないで下さい。わたくしは、ご主人様がここを出ていくと言うのなら、それも引き留めるつもりはないのです」
再びリエーフさんを見上げると、彼は優しく微笑んだ。いつもよりも温かみのある、慈しむような笑顔に少し驚く。
「結局ご主人様は、屋敷を捨てることはできないのです。かといって、巻き込むことを厭って人と睦み合うこともない。あの方はお優しい方ですが、優しすぎるが故に決断することができません。このままではご主人様が選べる道は、幽霊たちと共に朽ちていくことだけです。それではあまりに寂しいではありませんか」
私は、てっきりリエーフさんは、執事として家を守るため嫌がるミハイルさんに職務を強いているのかと思っていた。私はそのために利用されているのだと。
リエーフさんの言うことに嘘はないように思える。ミハイルさんは今すぐ出ていきたいと口では言うけどそうしない。
幽霊嫌いと言いながら、幽霊を傷つけることはせず、死霊使いとしての力を持ちながら、使うのは専ら幽霊除けくらいだ。扉を初めて開いたというのも、幽霊を人として扱い、封じることを哀れと思っているからだろう。
ミハイルさんは優しい。でも、その優しさは、責任から逃れるための優しさだ。……今の私がそうであるように。
私が屋敷を出ようとしているのだって、ミハイルさんのためではないのだ。ミハイルさんの――他人の人生を決めるような決断に関わりたくないだけ。
「貴方を利用していることに間違いはありません、ミオさん。でも貴方なら、屋敷をかつてのように栄えさせてくれる気がしてならないのです」
「それは……買いかぶりです。私にはできません」
「でも、貴方だって見てきたでしょう。綺麗になった屋敷を見て喜ぶ幽霊たちを。ぬいぐるみを直してもらって喜ぶライサを。庭が綺麗になってエドアルトも元気が出たし、あの変わり者のアラムでさえ、研究の結果できた洗剤がミオさんの役に立って楽しそうにしていた」
「だけど、私にできることはそんなことくらいで」
「ミオさんにとっては……生きた人間にとっては些末なことかもしれませんが、我ら幽霊にとっては大事なのですよ。わたくしたちには睡眠も食事も必要ありません。屋敷を出ることも物に触れることもできず、ただ存在しているだけで何を楽しめるというのです? 深く考えずに忘れていくことで正気を保てていますが、いつ負の感情に囚われてもおかしくないのです」
「リエーフさんでも、ですか?」
「勿論。そして私も、久方ぶりにわくわくしているのです。貴方が部屋をひとつ綺麗にするたびに」
そんな風に言うのはずるい。掃除にかけてはプライドがあるからこそ、私の仕事で喜んでくれる人に私は弱い。
……わかっていて、リエーフさんがそう言っているのだと、知っていても。
「屋敷が栄えていた頃は、使用人も多く、屋敷には笑い声が溢れ、人も幽霊も共に楽しく暮らしていました。しかし、屋敷が荒れれば幽霊も荒れる……、ミオさんが来ていなければ、もっと多くの幽霊が扉の向こうへ行ったことでしょう。それでもミオさんが去るというのならわたくしは止めませんが……」
止めないと口では言いながら、私が行き辛くなるようなことをツラツラ並べ続けるリエーフさんに、私は深い溜息を吐いた。
「……わかりましたよ。出て行かなければいいんでしょう」
「ミオさんならそう言って下さると思っていました!!」
両手を組んで、今までのしんみりしていた顔から一転満面の笑みを見せながら、リエーフさんがにじり寄ってくる。
「やっぱり利用されてる気がする……」
「だから、利用していることは否定しないと言ったでしょう。でも、わたくしも扉の奥に何があるかは知らないのです。魂だけの幽霊を封じ込めるような得体の知らない力なら、時空をゆがめてミオさんの世界へ繋げる力もあるかもしれませんよね?」
それはちょっと強引すぎると思うけど……、でも、そうじゃないと否定するだけの明確な根拠がないのも確かなのだ。
この世界で見た魔法は、日常生活を便利にする程度のもので、別の世界に行けるような力じゃない。それは村にいたときから知っている。
「さあ、ミオさんもお疲れでしょう。お腹は空いていませんか? 何かお夜食を作りましょうか」
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