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プロローグ2
しおりを挟む目の前の子供程度の体格しかないゴブリン飛びかかってきた。
体を横にずらし避けると体勢の崩れたゴブリンの首を短剣で斬り飛ばした。
「荒鐘さん短剣の使い方上手いですね!」
「一体誰に習ったんだ?中々様になってたぜ?」
「昔両親とサバイバルをした事があるんですよ。
レベルが上げられなかった代わりにかなり仕込まれました」
懐かしい記憶だが体力的にゲロい記憶のため少し顔が引きつる。
「それは今後ダンジョンを攻略する"ハンター"として役に立つので自信を持っていきましょう。お金をより多く稼ごうと思ったら必然的に危険なダンジョンに足を踏み入れないといけないので。他に仲間を作るのもありですね」
芥がにこやかな顔で真に語り掛けると初ダンジョンで緊張していた真は気分が少し楽になった。
鹿島が先頭を歩いていると何かを察知したのか長剣を構えた。
芥は鹿島に倣うように手の平に魔力を集め"魔法"で炎の球を作りいつでも攻撃出来る様に構える。
2人から少し遅れて真も短剣を抜く。
5秒ほど経つと3人の耳に小さな足音が聞こえてくる。ゴブリンかと思い更に警戒を強めるが近づいて来た者の姿を見て警戒を解く。
「なんだハンターか、大方武器が壊れたから急いで逃げてるってとこか?」
鹿島が逃げてきたハンターにクスりとしていると
状況が変わる
「助けて下さい!!」
「あん?」
「お、奥に詩乃さんが!!詩乃さんを助けてくれ!急がないと死んじまう!ここはDランクのダンジョンのクセに詩乃さんが出張らないといけない奴が出てきたんだよ!だから……!!」
発狂したように慌てる男の人に芥さんは宥める様に語りかける。
「落ち着いて下さい。ゆっくり深呼吸をし――「落ち着いていられるか!!早くしないと死んで死んでしまうんです!クラスターデーモンが出たんですよ!!」…な?!」
クラスターデーモンの名前を聞くと芥と鹿島の顔が真っ青と言ってもいいほどにまで青くなる。
「どういう事ですか?!クラスターデーモンはSランクダンジョンに出てくるモンスターのはずですよ?!Sランクでは雑魚かもしれませんがBランクのボスと同程度の力があります!一体誰が貴方を逃してくれたのですか!
並大抵の冒険者じゃ数分も持ちませんよ!」
「俺が所属する白蓮騎士ギルドの副長です!初めてのダンジョンソロ攻略の監視として付いてきてくれたんです!Sランクなのに!」
「なんだと?!」
(詩乃さんって紅葉詩乃の事か!Sランクの雑魚担当とはいえ数で襲うクラスターデーモン相手にSランク…!)
芥は難しい表情で思案すると何か決めたようで顔を上げた。
「君は1人で帰れるか?」
「な、なんとか……」
「なら今回私達を雇ってくれたこの荒鐘君と一緒に出口まで走って下さい。まだまだ体力が残っている2人なら大丈夫の筈です。私達2人は紅葉さんを援護してきます」
荒鐘を逃すよう発言すると堪らず荒鐘は反論した。
「で、でも!数で群れるなら尚の事僕もいた方がーー」
「初心者が勝てるほど甘い相手じゃないんだモンスターは!!!!私達2人でもクラスターデーモン一体相手するのが精一杯だ。倒せるという意味じゃない時間を稼ぐという意味だ!理解できるか?!Sランクの化物じみた力があるなら多少はなんとかなるかもしれないがCランクの私達じゃ無理なんだ!君たちを守りながら戦う力など無い!!」
荒鐘の発言に我慢出来ずに芥は怒鳴る。
ハンターを何年も続けていると当然死の淵も経験したりする。
自分の力をよく理解しているからこそ芥は荒鐘を叱責した。
荒鐘は2人を見捨てていくような感じがして躊躇っていた。
その顔を見た芥と鹿島は表情を和らげた。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。後輩を守るのを先輩冒険者としての務めですし」
「そもそもSランクがいるんだ安心しろ。俺達はしなねぇよ?むしろSランクな戦いを間近で見られるんだ勉強だと思ってるぜ?」
「そういう事です。さ早く行って冒険者協会に伝えて下さい」
「「は、はい!」」
俺と白蓮騎士ギルドの人はその場から急いで離脱した。
☆ ☆ ☆
「行きましたか……」
「何か寂しそうだな?」
「久しぶりに元気な冒険者だったのでもう会えなくなるかもしれないと思うとつい」
芥は鹿島の質問に走りながら答える。
その顔は青白く、手も少し震えていた。
「あの新人には言っていませんがクラスターデーモンはSランクでも油断すると足元を掬われてしまう程に危険な存在です」
覚悟を決めた表情で鹿島は話を聞く。
「Sランクである紅葉さんの状況次第ではなんとかなるかも知れませんが私達の実力と考慮しても、ハッキリ言って…その……」
「分かりきった答え出し渋るなよ芥。お前らしく無い」
曲がり角から逃げるように飛び出してきたゴブリンをジャンプしながらの回転切りで退ける。
「5分と持たずに死んじまうんだろ?分かりきった答えじゃねぇか!」
更に逃げてきたロックウルフを芥は魔法で一瞬にして燃やす。
そんな芥を鹿島がチラ見すると懐かしむ表情になる。
「貴方って人は!!どこまで俺の心を安心させる!!つい最近飛び級でAランクに昇格したからと言って!」
芥は笑っていた。
そしてここ数年取り繕っていた仮面も一緒に剥がれる。
「いつ以来だ!お前と2人で死地に向かうのは!」
興奮しているのか荒っぽい言葉で鹿島に話しかける
「あの少年も得したな!!まだ昇格した時に貰えるAランクライセンスを持っていない俺達を雇えるなんて!!」
そう2人はつい昨日Aランクに昇級したのだ。
だがライセンスを貰っていない彼等はまだCランクだった。
「帰ったら一杯奢ってやるぞぉ!!」
「あぁ!!」
次々遅いくる雑魚モンスターを蹴散らしながら2人は突き進んで行く。
2人は遠く離れた場所に見える開けた空間にクラスターデーモンと戦う紅葉詩乃を視界に捉えると背後に忍び寄っていたクラスターデーモンに特大の炎魔法をぶつける事で倒すと声を上げた。
「「紅葉さん助太刀に来ました!」」
3人の時間を稼ぐ為の戦いが始まった。
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