ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

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現実 希望

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「ちょっと待って欲しい!最低限レベルを30上げろって……たった1年で出来るわけがないだろ!!Sランクにもなるとレベル1つ上がるのにSランクモンスターを何体も倒さないといけないんだぞ!!しかもSランクモンスター自体早々いない!ボス級だ!」

1人のハンターがデルガの言葉に思わず苦言を呈する。
だがデルガのこの場にいるギルドトップ2人の力量から計算してレベル30上げろと言う要求はかなり正確だった。

「デルガ」

白蓮騎士ギルドの副ギルド長である紅葉詩乃が手を上げる。

「どうした紅葉」

「それって本気の私でも?」

「そうだ。しかもこのレベル30という数字は最上級の悪魔貴族を倒すために必要なレベルではなく下級貴族である悪魔を倒すために今のお前達が必要数値だ」

重い空気が部屋に流れる。
そんな中、矛盾の峰ギルドのギルド長である盾峰が手を鳴らして注目を集める。

「お前ら暗い空間にするじゃねぇ。強くならなきゃいけないなら強くなれば良いだけだ。近年ダンジョンの出現頻度、ダンジョンからモンスターが逃げる事が増えている事は知っているだろう」

他のギルドの人達を見る。

「ダンジョンの出現頻度が増えるのは防ぎようがないがダンジョン決壊や少数のモンスターがダンジョンから出てきてしまうのは俺達ハンターの怠慢だ。徹底的ににダンジョンの内のモンスターを狩る!これだけでレベルも上がり市民も守れる」

古豪会長は盾峰の言葉に笑顔になる。

「私も少し若ければ君達と肩を並べてモンスターと戦えたのだが……」

「いや、まだまだ行けるでしょ?」

「ははは!無理だな!」

盾峰のツッコミに笑いで誤魔化すと咳をしてデルガを見据える。

「所で話は変わるが敵のおおよその戦力が分かるかね?」

会議室の中の全員の視線がデルガに集まる。

「レベル80~100相当の下級貴族が50。最低でもレベル150の上級貴族が6。あとはそれぞれが使役する名もなき悪魔が合わせて4~6万。ランクで表すのなら最高でBに当たります」

「うっそだろ………6万」

「レベル150って。確認できる人類最高のレベルでも110だぞ?!勝てんのかよ」

「やばいわね……トップもそうだけど使役する悪魔のランクも対応出来ないほどじゃないけどかなり高い」

「……デルガ君。その情報は確定なのかね?」

「残念ながらな。だが安心要素があるとすれば地球に侵攻してくる悪魔が悪魔族の中でも一部だという事、私とこのアグリードは上級貴族の悪魔だという事ぐらいか」

「ちなみにですが私は上級貴族と言っても実力は漸く上級に手が届いた程度なので下級とさほど変わりません」

「もし貴様らが市民や国を守りたいというのなら末端までレベル上げを率先させろ。私は主とその家族さえ無事なら他はどうでもいいからな」

「デルガ」

少しだけ咎めるようにデルガの名前を呼ぶ。
罰が悪そうに真を見るがこれだけは譲れないと真を見て断言する。

「私は……主の存在が1番ですので」

顔を赤らめて言うと紅葉が口笛を吹いてちゃちゃを入れる。

「紅葉!」

「お熱いねぇ~?」

「火傷したかも」

「ちっ…リア充が」

「クーラーしっかり効いてるか?暑いんだけど」

紅葉以外のトップギルドの面々も少しだけちゃちゃを入れる。

「兎に角!!私は主のレベル上げのお手伝いに忙しい故貴様らは各自でレベル上げをしろ!!古豪とか言ったな!こいつらなんなんだ!!!」

何度か女性が使わないような汚い言葉で紅葉以外の面々を罵倒するとゲートを開いて消えてしまった。

「えぇ……」

「おっほん!!と、兎に角!デルガ君も言った通りギルドの末端にまでこの極秘情報は通達出来ないからお前達トップが出来るだけダンジョンでレベルを上げる事を促進させろ。他のSランクのハンター達やギルドのトップにもこれは通達しておく。荒鐘君、引き止めて悪かったな。集まりは以上だ今すぐ解散」

古豪会長の解散の言葉に他のギルドの人達は帰っていくが紅葉はギルド長に一言二言何か告げると真達の方に向かってくる。

「いや~Sランクに上がってもレベルを30も上げろなんて言われるとは思わなかったよ」

「最後なんかぐだぐだになりましたけど冷静に考えてレベル30上げろなんて無理ですよ。レベル低い状態で前Sランクモンスター倒してたてレベルが5上がりました。この5のレベルアップの中にデルガやアグリードが処理したモンスターも含まれていたので俺はレベルアップに関してはそこまで心配してませんが紅葉さん達は…………」

「真君の5倍はキツいだろうね」

「荒鐘君、悪魔と主従関係を結ぶと悪魔が倒したモンスターの経験値も主に渡るのかね?」

「1人で倒すより経験値は減りますが貰えます。そのお陰で俺は他人より楽にレベルアップ出来るし安全なんです」

「何それズル」

今の今まで存在感皆無だった獅堂が口を開く。
古豪、紅葉の視線が集まる。

「「いつからいた?」」

「最初からだよ?!?!」

「まぁ、いいか」

「いいけども」

獅堂の反応を脇にやり真はアグリードに声をかける。

「アグリード俺が上級貴族に勝てるようになるにはどれほどレベル上げが必要だ?」

「同じレベルになっても悪魔の方が確実に強いので安全を期すなら110のレベルアップでしょうか」

「ひゃっ?!」

「むぅ…」

「100って!幾ら真君が君達がいてレベルが上がりやすいと言っても1年で100は無理でしょ!!!真君今レベルどれだけなの!」

それぞれが驚愕し紅葉は真を心配する。

「61になったばかりです」

「荒鐘君ハンター登録してからどれだけたった?」

「約2ヶ月です」

「約1年……来年の7月。レベルが上がる毎に要求する経験値も莫大になる事を考えると……ギリギリかもしれんな」

古豪会長が呟き、考え、弾き出した答えがギリギリだった。

「だけど獅堂や他の人は俺のように早くレベルアップは出来ない」

数分会議室で悩みぬく。
途中案がいくつか出たがあまり現実的とはいえなかった。
しかし真が何気なしに呟く。

「獅堂とかも悪魔と契約出来ないのかねぇ」

その言葉が空間に漂い消えるかと思う瞬間アグリードが真の言葉を拾う。

「数人。私達家の傘下の悪魔ならなんとか契約出来るかと」

アグリードの言葉に一筋の希望を見出した。





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