ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

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数ヶ月後

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あっという間に時間が過ぎ真達はもう卒業のシーズンの3月となる。
というか既に真と獅堂は一足先に卒業証書は貰っている。
学校は1週間のうち2日通いそれ以外は基本的に魔界まで行きレベリングの生活をして来た。
そのお陰でレベルはなんとか100を突破し113となった。

「獅堂、あと半年としないうちに悪魔族の侵攻がある……予定だ」

「あぁ……」

真の言葉に隣の獅堂は反応を返す。
そして2人はアイテムボックスから愛用の短剣を取り出す。
相変わらず愛用の武器が変わらない真は《紫紺の短剣》を持ち獅堂は《魔鉄の短剣》から《一等騎士の短剣》へと変わっていた。
シングルナイトを倒した時にドロップした短剣だった。

「あと約4か月で俺は47レベル。獅堂は?」

「120は欲しいから後43だ」

「じゃあ今77か」

夏休みから卒業間近の今日までに獅堂のレベルはSランク相当のハンターまで成長していた。
そしてつい先日新しいSランクハンターとして登録された。

「今日中に俺は115に行きたいな……獅堂はヨハネやデルガ、アグリードを抜きにして俺達2人だけでAランクダンジョンに潜ろう」

「そうだな。頼ると狩りは楽になるが貰える経験値が格段に減る。なら!俺達で狩った方がいい」

「というと思いまして。Aランクダンジョンの前に来ております」

パチパチパチ
と獅堂の拍手が聞こえる。
「おほん!」真が咳をすると拍手を辞める。

「じゃあ、今日は昨日渋谷の中心に現れたこのダンジョンを攻略する。イクゾーー!」

「デッデッデデデデカーン」

「口で言うの?」

一部の男子特有の変なテンションのままダンジョンに潜る。
ダンジョンの中はよくある洞窟型ではなく草原が広がっていた。

「……真、俺このタイプ初めてなんだけど」

「俺は何度かだけどある。確かこの手のダンジョンは別の場所にあるダンジョンとも繋がっている場合がある」

「アメリカとか?」

「それはまだ経験ないけど可能性はある。取り敢えず話してるのもなんだ?モンスターを見つけ次第経験値に変えて行くぞ!」

地面を蹴り遠くに見える樹海に向けて走り出す。
近くと真達に気付いたのか樹海の中から獣系のモンスターが数十体突撃してくる。

「獅堂!」

「了解!!!」

超加速した真は集団の後ろに位置つける。
そしてそのまま最後尾のモンスターを両断する。

「ゴァァァァァァア?!?!」

断末魔に近くにいた個体達が気付き方向転換して真に襲いかかる。
集団最後尾が勝手に方向転換した事に気付かない先頭はそのまま獅堂と激突した。

跳びかかって来たモンスターより更に高く跳び全力で蹴り落とす事で後続の進路妨害として役立てる。
地面に着地するとたたらを踏んでいるモンスターの首を短剣で斬り飛ばす。

「「「リィィィィィイィィイァァァ!!!」」」

複数体のモンスターが同時に跳びかかって来た。
流石に短剣で対応しようと構えると後方から同じ数のモンスターな投げ飛ばされて来る。
チラリと後方を見ると投擲後の体勢の真がいた。

獅堂の後方まで飛んだモンスターを取り敢えず無視をして目の前のモンスターを処理していく。







2時間後

真と獅堂は樹海の一際大きい木の枝部分に座り休憩していた。
あれからモンスターの集団を滑らかに経験値に変えると樹海に入った。
暫く歩くと猿系のモンスターや牛系、豚系などの多種多様なモンスターと遭遇し討伐した。
そこから休まず2時間狩り続けると流石の真や獅堂と言えど疲れて休んでいた。

「はぁはぁはぁ……少し休憩!」

「おけ!ドロップはかなり良かったけどちょっとなぁ!!」

かなり実入りは良かったが疲れて愚痴が溢れる。

「武器がやたら多く落ちたな……ん?」

ふと、耳に誰かの声が聞こえる。
真は獅堂に静かにするよう伝えると更に集中して音を拾うため魔力で耳を強化する。
すると少しだけ声が聞こえやすくなる。

「ーーーーーーでーーーーーーろ」

「わかっーーーーーーしーーーーー」

所々聞こえるが距離が離れ過ぎているのか少ししか聞こえない。


姿が見える。
草原から歩いて来ているようだ。

「晴れたこのダンジョンでマント?」

目も強化して対象を確認すると2人歩いている。
その2人がマントを頭から被っている事が分かった。
獅堂に伝えると神妙な顔になる。

「言語分かる?」

「多分……日本語?」

「Aランクダンジョンに潜るくらいだから強いんだろうけど誰だ?」

すると片方の背の高い奴が突如顔を上げ樹海の中を見つめ始めた。

「おい、なんかこっち見てるぞ」

「冗談キツいって喧嘩とかになるのは勘弁よ!」

「一体どこを見てーーーー」

刹那なんとなく見ると樹海を見つめていた存在と目が合った気がした。
その2秒後に突如迷いもなく真達の元へ走り出した。

「獅堂!!奴らの片方に気付かれたかも知れん!逃げるぞ!!!」

「分かった!」

木の上から一瞬で降りると樹海の奥に逃げず樹海に沿って逃げる。
数百mあった距離は木の上から降りるまでに20mまで縮まっていた。

「マテーーー!!ちょっと待つネーーー!!」

逃げるひたすら逃げる
話す言語は日本語だが話し方から察するに真達をおう人物は恐らく中国人。
関わって国際問題……なんて事になると最悪も最悪な為ひたすら逃げる。

「お願いだから待つネーーーー!!ひくっ」

遂に泣き出した。
しかしまぁまぁのスピードで逃げてる2人に対して徐々に距離を詰めているあたり只者ではなかった。

「待つ、待って!………スゥーー」

深く息を吸う。
嫌な予感が2人を襲う。

「待てって言ってるネ!!!!!」

姿が消えると真の目の前に現れる。

「うぉわ?!」

飛びかかると真の首を掴み組み伏せる。

「待つって言ってるのネ!!!!!馬鹿ぁ!!」

鼻水や汗、涙で汚れた顔をしながら全力で罵倒される。








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