ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

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新……手?

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ハンター協会 会長室


「ふむ、うむ。分かった。アメリカと中国のハンター達は明後日まで滞在している。少しでもレベル上げの一助になる事を期待している荒鐘。ふむ?分かった、日本のSランクハンターもなるべく集めておこう」

真から驚愕の事実を伝えられたにも関わらず冷静に聞き対応する。
何度も驚かされているため耐性がついたとも言えた。
スマホの通話を切り椅子にもたれかかる。
その顔は虚無ともでも表現するのが正しい様子だった。

「確かに国の危機を救って貰った恩はあれど色々と問題を抱えて国に投げ込みすぎでは?」

はぁ~~……

古豪会長しかいない空間で憂鬱に満ちた溜息が溢れた。
そして自身のアイテムボックスから1つの短剣を取り出して見つめる。

「若者ばかりに無理をさせて良いものなのか。私ばかり安全な所で……」

自身にとって思い出の品である短剣を撫でると立ち上がる。

「運動するか」

上着を脱ぎ椅子に掛けるとネクタイも取り外す。
そしてスマホで昔馴染みの人物に電話を掛ける。
4度コールが鳴り5度目に差し掛かると目的の人物が電話に出た。

せき、久しぶりに運動がしたい。一緒に潜らないか?」

『久しぶりだな古豪、もう諦めたかと思ったよ。お前がもう一度立ち上がってくれて私は嬉しいよ』

「お前がに馴染んだ所で悪いな」

『気にするな』

電話の向こうで涙声の笑い声が聞こえてくる。
思わず古豪も涙が出そうになるがそこは年長の者して堪えた。

「頼むぜ?カーディン」

『えぇ、主様』





ハンター協会地下
模擬戦闘した空間とは違う空間にハンター達が集まっている。

「むふふ~また会ったネ~?」

「お前は不本意ながら日本に移籍したんだ会うのは不思議じゃねーーよ!」

「シドウも今回のみならずこれから宜しく頼むネ」

「なーんか怖いわ冥凜ちゃん」

猫娘が真に詰め寄り冥凜が獅堂に詰め寄る。
獅堂は特殊な事情がないためガッツリとダラしない顔をしていた。
真に関しては言わずもがなデルガが背後に控えているため必死に剥がそうと躍起になっている。

(圧が……!!圧が怖い!!)

なんとか猫娘を自身の体から剥がすと軽く咳をして目の前の人達を見つめる。

「えーと急に及び立てして申し訳ありません。私は日本の新人Sランクハンターの荒鐘真です。今日どうするかは既に伝えられていると思います」

中国、アメリカ、日本のトップハンター達はそれぞれ反応を返す。
全員の様子を見て話を続ける。

「侵攻が繰り上がりで早まるとの情報を手にした為緊急レベリングを図ります」

真の言葉に中国を代表して猫娘が手を上げて質問をしてくる。

「どこで?これだけのSランクハンターがいればSランクのダンジョンだって流石に余裕だと思うネ?経験値も大分分かれると思う」

「だから集まってもらった」

かなりの人数の人が頭に疑問符を浮かべる。

「侵攻はどこから来るか?それは悪魔族が住む魔界。その魔界のレベルは地球で出現するダンジョンモンスターより2段階ほど強い」

断言する真に引っかかりを覚える者がいるが無視をして話を続ける。

「じゃあ、その魔界でレベリングをすれば良い!幸い日本には一部だけだが悪魔貴族と契約した者達がいる。連れて行って貰う魔界に!」

後ろを向き少し芝居じみた所作をしながら叫ぶ

「デルガ、アグリード!」

2人が同時にゲートを開く。
名前を呼んではいないがヨハネや盾峰達と契約した悪魔貴族達も同時にゲートを開いていた。

「さぁ、経験値を貰いに行くぞ!!」

真がゲートの中に向けて歩き出すと中国やアメリカ、日本のハンター達もあとに続き入って行く。

(こういうのは多少大袈裟にした方が良いってデルガに言われたけど……やりすぎたな!!!恥ずかしいよちくしょう!!)

皆に見られてはいないが顔が真っ赤になり拳がプルプルと震えている。
真の頭の中でやけにデフォルメされたデルガが勢いよく親指を立て笑いかけていた。




ゲートが閉じる。
沈黙が空間を支配して10分が経つ頃に赤黒いゲートではなく青黒いゲートが開き中から騎士風の装備で固めたハンターと騎士の装備で固めた悪魔貴族がいた。

「もう行ってしまったか、置いて行かれたな。全く仕事を頑張り過ぎるのも問題だな」

「主様今から行ってもどこにいるか分かりませんので完全別行動になりますが魔界に行きますか?」

「行くよ。そう言えば何十年ぶりだね?オルナ家に帰るのは」

「私が家を出てから100年になります」

「そう考えると君と出会ったのは半世紀を過ぎたころか?早いな」

開いたゲートを懐かしく眺める。
そんな主を見て悪魔貴族は微笑んだ。

「行くぞ。私も昂ぶって来た所だからな!」

刀身が異常に長い槍を携えてゲートに入って行く。
その後を追い悪魔貴族も入ると音もなくゲートが消えた。






「ヒャッハーーー!!大量の経験値だぁぁぁあぁあぁぁぁあ!!」

「ウメェェェェェェェエェエェエェ!!」

そんな事を叫びまくりながらアメリカのハンター達が嬉々としてモンスターを借りまくっていた。
今まで確認されているハンターの最高レベルが110だけしか無かったのは地球のモンスターのレベルが低い事を要因の1つだった。

過去よりドロップアイテムだけではなく地球の人達の手によって作られた武器の発達が進んだ今モンスターを狩る事が昔より簡単になった。
モンスターを狩るハンターの中でもトップレベルであるSランクハンターレベルにもなればレベルは上がらないに等しかった。

そんな中地球のモンスターより強くなってはいるが経験値効率が遥かに良いモンスターがいればどうなるか?
答えは簡単である。

狩りまくる!

「よっしゃーー!!!!!5時間でレベルが1上がったぞぉおぉぉおぉぉ!!!経験値ウメェェェェェェェエェエェエェ!!」

この様にテンションが世紀末となる。
汚い言葉は使っていないがSランクハンターの女性陣達も目を爛々と輝かせて武器を振るっていた。

「真………女の人って怖いね」

「同感」

2人も負けられないと武器を握り駆け出す





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