ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

文字の大きさ
89 / 100

応酬

しおりを挟む


デルガ side

カキンッカキンッ……ガギンッッ

金属音が何度も響く
攻めているのはデルガが自ら選んだ上級貴族の内の1人であるメヴァイス・ナーヴェイドだった。
女性でありながら実力で上級貴族まで上り詰めたのはデルガを含めてそういなかった。

人間的にいうのなら10年に一度の逸材と言われている。
そんな悪魔が最初から出し渋る事なく全力を惜しまずに攻めているのはまず有り得ない事だ。

「どうした。ナーヴェイド家の才女と言われたお前がその程度なのか?」

メヴァイスの攻撃を軽くあしらうと地面に武器を突き立て非武装の体勢を取る。

「どういうつもりかしら?まさか、私が貴女より劣るから手加減をしてあげよう……とでも言うつもり?」

「当たり前だ。私の部下より劣る存在に本気など出す訳がない。それに全力を出してはいるがまだ隠し事をしている貴様が……私に本気を出してもらえると思っているのなら余程の阿保だと認識するが?」

身長180もあり、ハリウッドスターも顔負けの美貌を持つデルガが鼻で笑い挑発する姿は他者が見たらもの凄く映える事だろう。
しかしこの場には同じ女性のメヴァイスしかいなく、本人はデルガの狙い通りに挑発に乗った。

「貴女……名前はなんて言いましたっけ?」

「デルガ、デルガ・オルナだ。貴族の世界には殆ど出た記憶がないからな、知らないのも無理はない。おいおい動きが鈍って来てるんじゃないか?メヴァイスの」

「くっ!」

ガギンッッ

何度目かの本気の斬撃をデルガに容易く打ち払われる。
体勢が崩れても追撃する事はない。
まるで修行でもつけているかのようだった。

「話している余裕があるのならもっと手数を増やせ!そのような根性では私の鎧に傷をつける事さえ叶わないぞ!」

「うるさい!!!」

デルガの言葉に怒りながら【エクスプロージョン】を放ち目眩しをする。
そのまま瞬時に背後に回りレイピアを放つがデルガが持つ武器の刃に阻まれそれ以上進む事はなくなる。

そしてまたビルや他の色々な建物を利用しながら攻撃をしていく。
レイピアの突きを尽く防ぎ力の差を見せつけていく。

「良い加減隠し玉を使ったらどうだ!このままお前以外の悪魔貴族が倒れるまでここで興じるつもりか!!」

ここで遂にレイピアを防ぐ事以外の行動として振り払った後武器の柄で腹を殴打して吹き飛ばす。

「ぐふっ?!」

地面を何度もバウンドをする。
勢いは直ぐになくなり地面に転がる

「はぁはぁ…ゴホッゴホッ?!」

ビチャビチャ

咳をすると同時に口から血を大量に吐き出す。
デルガの殴打によって内臓が傷つけられた結果だった。
自身の魔力をここで始めて回復に回したメヴァイスは腹を抑えて苦悶の表情でデルガを見つめる。

「ここまでの……!!」

「負け続けるのがいやなら素直に隠し玉を使え。だが使えばもう手加減は出来ぬし、した所で貴様の運命には死しか残らない。潔く戦い、負けるか。今の自分の誇りを捨て紛い物に頼り……負けるか。2つだ」

「いさぎ……よく」

腰のアイテムボックスからであるアイテムを取り出す。

「やはり持っていたか」

「【魔祖返り薬】、一時期に理性を無くして悪魔族本来の力を取り戻す代わりに代償として死ぬかも知れない博打のようなアイテムよ」

【魔祖返り薬】を潰さない程度に強く握る。

「それを使って私に勝てるかもしれない一筋の希望に賭けるか、紛い物に頼らず自身の力のみで私に挑むか……」

「私は………」






アスマディア side

「「はぁぁあぁ!!」」

鬼気迫る声と共に2つの爆炎がぶつかり合い爆発する。
2人の悪魔貴族は似たような戦闘スタイルの為か決着が中々つかずにいる。

【エクスプロージョン】、【アイスランス】、【ウィンドカッター】、【ウォーターカッター】などの技の応酬を繰り広げ周りの建物を破壊していく。
その戦いに巻き込まれないように上空ではヘリが中継をしていた。
全国には映画でも類を見ないほどに胸を熱くさせ、人々に憧れを植え付ける程の神話の戦いが流れている。

剣に炎を纏い斬り結んだり、ドラ◯◯◯ールの様に空中で剣撃を交わしたりもしていた。
周りのの被害に気にしていない。
悲鳴を上げているのはそこに住む住人とそのビル等を持つ人だけだった。

「はっはーーー!裏切り者の癖に中々やるじゃねぇか!!」

「紛い物に頼るような奴が何をほざくか!!」

「お前はこちらにいる時も実力は下だったよなぁ!」

各々が魔道具も使い魔力を背中からブースターの如く噴射して空を飛びながら武器を交差させる

「この世界の人間は魔道具の発展で悪魔族に追いつく者が出始めている!!調子に乗っているんだよ!いずれ超えられる!その前に奴隷にして飼い慣らすが!!」

ガギンッッ!!

「上の考えなんだよぉ!!!【フレイムーーー」

「させるか!!【フレイムーーー」

「「【ランス】!!!!!」」

炎が槍形を作りお互いの命を奪おうと発射される。
またもや各地からでも確認される程の大爆発が起こる。
空中で戦っている影響もあり戦闘エリアは1つに留まらずかなりの範囲を移動しながら魔法の応酬を披露している。

(こいつが報告にあった通り【スキル】ではなくアイテムによって【リリース・アニマ】を再現出来るとなれば流石に厳しくなる……それまでに決着をつけなければ!!)

「ちぃ!」

アイテムボックスから《深紅王の短剣》

(小僧にアレを渡してからこれを調達するのに苦労したのだ。応えてくれよ!!)

「【深紅】!!」

短剣に刻まれた【スキル】を発動させると背中から噴射されている魔力が炎に変わる。

「レイバレル・カース!!」

「はっ!なんだぁ!アスマディア!!!」

「お前を焼き殺す!!








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡

マネキネコ
ファンタジー
日本国内に3つのダンジョンが出現して早10年。日本国政府は各方面と協議を重ねた結果、ダンジョンを国民に開放すると宣言した。つまり現在では探索者ライセンスさえあれば誰でも気軽にダンジョン探索ができる時代になっているのだ。高校生になった僕は夏休みに入るとすぐに探索者講習を受けライセンスを取得した。そして残りの夏休みすべてをダンジョン探索へと費やし、通常は半年以上は掛かると言われていた最初のレベルアップを、僕はわずか3週間あまりで達成した。これはとんでもない快挙といってもいいだろう。しかも他の人に比べると、身体能力がはるかに劣っているチビデブの僕がである。こんな結果をもたらした背景には、なんといっても僕のパートナーであるお菊の存在が大きいだろう。そしてもうひとつ、なぜだかわからないが、ステータスの中に『聖獣の加護』が表示されているのだ。おそらく、この効果が表れているのではないだろうか。そうして2学期が始まり僕が教室に顔を出すと、最近やたらと絡んでくるギャル友から「あんたなんか変わった!? なんていうか雰囲気とか? 背もだいぶ伸びてるみたいだし」と、なんでどうしての質問攻め。今まで異性には見向きもされなかった僕だけど、これってもしかして、『モテ期』というやつが来てるの?

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...