ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

文字の大きさ
98 / 100

終わらせる

しおりを挟む


コーズとの決着がデルガからアスマディアとゴレマスの脳内に直接伝えられた。
それと共に『目の前の敵の処理を直ぐに終わらせるか、私に処理をさせろ』という選択肢も突きつけられる。

デルガの声音に異常を感じたアスマディアは背中に寒気がしたため直ぐにデルガにターゲットの上級貴族を任せる。
そんなアスマディアをゴレマスは笑っていたがデルガが一言『任せるのか任せないのか……どっちだ?』もドスの効いた声で聞いて来たためすぐ様ターゲットを譲ってしまう。

「【転移召喚】」

デルガが指定した対象を呼び出す魔法を呟くと目の前にアスマディアが戦っていたレイバレルとゴレマスが戦っていたノーマンが現れる。

「「?!?!」」

「動揺している所悪いが私はこの侵攻を早急に終わらせなければいけない理由が出来た。
 故にお前達の誇り、矜恃……そんなものを一切合切無視をしてこの場で殺させて貰う」

暗い目をしたデルガの視線に2人は一瞬怖気付き一歩下がるが即座に自分を恥じて二歩前に進んだ。

「目標とした人間の奴隷化の邪魔をした存在とはいえ楽しく刃を交えていたのだ。
 この恨みここで果たさせてもらーーーーー」

ピッ

レイバレルの首に線が走る。
何かを感じたレイバレルが眉を潜める。
そして一歩を踏み出した瞬間首が地面に転がり絶命した。
上級貴族であっても異常とも言える速さにノーマンは何が起こったのか理解出来ず情けなく尻餅をつく。
慌てて自分の首は離れていないか確認するが幸いデルガが狙ったのはレイバレルだけでノーマンは情報を聞き出すために生かされたのだった。

じゃり……

デルガは情報を聞こうと歩くとノーマンは顔を恐怖で引き攣らせながらなんとか逃げようともがく。

「【切断】【灰塵】」

2つの魔法を使うとノーマンの両足は膝から下が切られ、同時に切断が炭化しかけるほど焼かれ傷口を再生出来ないように塞ぐ。
泣き叫ばれると困るため回復魔法の応用で痛覚の遮断も忘れない。

「【空間固定】【拘束】」

動き回らないよう上体を起こした時のまま体を空間毎固定する。

「私が質問した答えの情報を話すなら魂は還してやる。来世は少々厳しくなるだろうか概ね普通と言える範囲だから安心するといい」

「わっ、私はあの方に忠誠捧げたのだ!!情報など渡すはずが、ない!!」

つまったり声が震えたりしていたがハッキリとデルガに拒絶の答えを示す。
すぅっとデルガから表情が抜け落ちる。

「ならばお前の魂に聞けばいい。拒絶など出来ぬからな」

動けないノーマンの頭に手を置くと魔法陣を展開しキーワードを唱える。

「【強制奪魂】」

「が?!がぁあぁぁぁ、あぁあぁぁぁ…………」

白目を剥き口は半開きになり涎が溢れた。



「…………中々、面倒くさい事になっているようですね。このノーマンとやらが言うあの方がまさかーーーーーーー 」

その名前を言おうとした所で口を閉じる。
真・後・ろ・に気配を感じたからだ。

「お姉様、気配を消して背後を立つのをやめて下さい、と……幼い頃にも言いましたよね」

立ち上がり後ろを振り向く。

「カーディンお姉様何しにここ来たのですか?よもや主様を害するおつもりか」

「あらあらぁ、怖い事を言わないでぇ?私には心に決めた人がいるのよ?デっちゃんが決めた人を取ったりしないわ」

「デっちゃんとは言わないで下さい!!!」

恥ずかしさと怒りが混じった叫びがカーディンに届くが澄まし顔に若干の笑いを浮かべて受け流す。
乙女のように(実際に乙女である)愛らしく頬を膨らませて睨む。

「その情報、共有してくれるかしら?私も主人と色々暗躍してるのよ?」

「なるほど最近魔界でオルナ家が戻って来たと騒がれていたのかカーディンお姉様の暗躍のせいでしたか。お陰で個人的な動きが全く出来なくなりましたよ」

侵攻が始まるまでの数ヶ月を思い出し思わず愚痴を溢してしまうが気にしたような様子はない。
魔法で掴んだ情報をカーディンに渡すと渋い顔になる。

「嘘でしょ?なんで出張るのよ……」

「侵攻をメインで買って出て人工の魔祖悪魔も使いながらこの体たらく、正直黒幕は負ける事を知っていたとしか思えない」

「こちらの戦力を把握するための捨て石……とかぁ?」

「その可能性が濃厚でしょう。後はカーディンお姉様でやって下さい。私は……主様の腕の復元に尽力しないと行けないんです」

ゲートを開き潜ろうとしたデルガをカーディンか引き止める。

「何ですか?っと、これは?」

投げ渡された小さな小瓶を訝しげに見つめカーディンを事件の犯人を疑うような目で見る。

「媚薬よ」

「このっ!!」

叩きつけようとした小瓶を持つ右手を魔力で作った擬似手で掴む。

「こん、こんな物!必要あま、ありません!!ままままだ!手すらぁ!」

「冗談よ、それは超が付くほどの特製ポーション。手足の欠損の復元だけに特化したポーションで媚薬じゃないから安心なさい?まさかまだそんなに初心だとはねぇ……ぷふっ」

「カーディンお姉様笑わないで!!」

若干昔のように姉妹の口調に戻りつつあったがデルガはしっかりと自分を正しゲートを潜った。
デルガがいなくなった後ぽつりと呟く。

「1年以上側にいるのに手も出せないのはちょっと酷いわね。仕えている主さんの甲斐性も気になるけどデルガ自身が奥手だったか」

呆れながらも自身の妹を心配してカーディンも自分が出したゲートを潜る。







魔界からの侵攻は一応であるが防いだと世界に一斉に報じられた。
経済の被害はかなり大きいが人を予め超広範囲に渡り避難させていため一般人には死者は出ていない。
残念ながら中国のAランクハンター1人が死亡してしまったと報じられる。

デルガはそんな情報を軽く頭に留めながらも聞き流す。
目の前の病院の一室のベットに寝ている自分の主である荒鐘 真にカーディンから貰った超特製ポーションを飲ませたら一瞬にして治ったが目を覚さなかった。

侵攻が終わり倒壊した建物などの再建築などが始まり
5日たった今日

「ん…………」

「主様!!!」

立ち上がり真に抱きつく。

「良かった、死ぬ心配は無かったですが一生寝てしまうのかと、怖かったです」

「デルガ………」

自分の体に抱きつくデルガの頭を一度撫でると一言告げる。

「みんな見てるから離れて」

「え、あっ!ひゅわぇぁあ?!」

気付いた時にはもう遅く冷たいがあったかくもある視線が2人に集まっていた。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡

マネキネコ
ファンタジー
日本国内に3つのダンジョンが出現して早10年。日本国政府は各方面と協議を重ねた結果、ダンジョンを国民に開放すると宣言した。つまり現在では探索者ライセンスさえあれば誰でも気軽にダンジョン探索ができる時代になっているのだ。高校生になった僕は夏休みに入るとすぐに探索者講習を受けライセンスを取得した。そして残りの夏休みすべてをダンジョン探索へと費やし、通常は半年以上は掛かると言われていた最初のレベルアップを、僕はわずか3週間あまりで達成した。これはとんでもない快挙といってもいいだろう。しかも他の人に比べると、身体能力がはるかに劣っているチビデブの僕がである。こんな結果をもたらした背景には、なんといっても僕のパートナーであるお菊の存在が大きいだろう。そしてもうひとつ、なぜだかわからないが、ステータスの中に『聖獣の加護』が表示されているのだ。おそらく、この効果が表れているのではないだろうか。そうして2学期が始まり僕が教室に顔を出すと、最近やたらと絡んでくるギャル友から「あんたなんか変わった!? なんていうか雰囲気とか? 背もだいぶ伸びてるみたいだし」と、なんでどうしての質問攻め。今まで異性には見向きもされなかった僕だけど、これってもしかして、『モテ期』というやつが来てるの?

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...