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終わらせる
しおりを挟むコーズとの決着がデルガからアスマディアとゴレマスの脳内に直接伝えられた。
それと共に『目の前の敵の処理を直ぐに終わらせるか、私に処理をさせろ』という選択肢も突きつけられる。
デルガの声音に異常を感じたアスマディアは背中に寒気がしたため直ぐにデルガにターゲットの上級貴族を任せる。
そんなアスマディアをゴレマスは笑っていたがデルガが一言『任せるのか任せないのか……どっちだ?』もドスの効いた声で聞いて来たためすぐ様ターゲットを譲ってしまう。
「【転移召喚】」
デルガが指定した対象を呼び出す魔法を呟くと目の前にアスマディアが戦っていたレイバレルとゴレマスが戦っていたノーマンが現れる。
「「?!?!」」
「動揺している所悪いが私はこの侵攻を早急に終わらせなければいけない理由が出来た。
故にお前達の誇り、矜恃……そんなものを一切合切無視をしてこの場で殺させて貰う」
暗い目をしたデルガの視線に2人は一瞬怖気付き一歩下がるが即座に自分を恥じて二歩前に進んだ。
「目標とした人間の奴隷化の邪魔をした存在とはいえ楽しく刃を交えていたのだ。
この恨みここで果たさせてもらーーーーー」
ピッ
レイバレルの首に線が走る。
何かを感じたレイバレルが眉を潜める。
そして一歩を踏み出した瞬間首が地面に転がり絶命した。
上級貴族であっても異常とも言える速さにノーマンは何が起こったのか理解出来ず情けなく尻餅をつく。
慌てて自分の首は離れていないか確認するが幸いデルガが狙ったのはレイバレルだけでノーマンは情報を聞き出すために生かされたのだった。
じゃり……
デルガは情報を聞こうと歩くとノーマンは顔を恐怖で引き攣らせながらなんとか逃げようともがく。
「【切断】【灰塵】」
2つの魔法を使うとノーマンの両足は膝から下が切られ、同時に切断が炭化しかけるほど焼かれ傷口を再生出来ないように塞ぐ。
泣き叫ばれると困るため回復魔法の応用で痛覚の遮断も忘れない。
「【空間固定】【拘束】」
動き回らないよう上体を起こした時のまま体を空間毎固定する。
「私が質問した答えの情報を話すなら魂は還してやる。来世は少々厳しくなるだろうか概ね普通と言える範囲だから安心するといい」
「わっ、私はあの方に忠誠捧げたのだ!!情報など渡すはずが、ない!!」
つまったり声が震えたりしていたがハッキリとデルガに拒絶の答えを示す。
すぅっとデルガから表情が抜け落ちる。
「ならばお前の魂に聞けばいい。拒絶など出来ぬからな」
動けないノーマンの頭に手を置くと魔法陣を展開しキーワードを唱える。
「【強制奪魂】」
「が?!がぁあぁぁぁ、あぁあぁぁぁ…………」
白目を剥き口は半開きになり涎が溢れた。
「…………中々、面倒くさい事になっているようですね。このノーマンとやらが言うあの方がまさかーーーーーーー 」
その名前を言おうとした所で口を閉じる。
真・後・ろ・に気配を感じたからだ。
「お姉様、気配を消して背後を立つのをやめて下さい、と……幼い頃にも言いましたよね」
立ち上がり後ろを振り向く。
「カーディンお姉様何しにここ来たのですか?よもや主様を害するおつもりか」
「あらあらぁ、怖い事を言わないでぇ?私には心に決めた人がいるのよ?デっちゃんが決めた人を取ったりしないわ」
「デっちゃんとは言わないで下さい!!!」
恥ずかしさと怒りが混じった叫びがカーディンに届くが澄まし顔に若干の笑いを浮かべて受け流す。
乙女のように(実際に乙女である)愛らしく頬を膨らませて睨む。
「その情報、共有してくれるかしら?私も主人と色々暗躍してるのよ?」
「なるほど最近魔界でオルナ家が戻って来たと騒がれていたのかカーディンお姉様の暗躍のせいでしたか。お陰で個人的な動きが全く出来なくなりましたよ」
侵攻が始まるまでの数ヶ月を思い出し思わず愚痴を溢してしまうが気にしたような様子はない。
魔法で掴んだ情報をカーディンに渡すと渋い顔になる。
「嘘でしょ?なんで出張るのよ……」
「侵攻をメインで買って出て人工の魔祖悪魔も使いながらこの体たらく、正直黒幕は負ける事を知っていたとしか思えない」
「こちらの戦力を把握するための捨て石……とかぁ?」
「その可能性が濃厚でしょう。後はカーディンお姉様でやって下さい。私は……主様の腕の復元に尽力しないと行けないんです」
ゲートを開き潜ろうとしたデルガをカーディンか引き止める。
「何ですか?っと、これは?」
投げ渡された小さな小瓶を訝しげに見つめカーディンを事件の犯人を疑うような目で見る。
「媚薬よ」
「このっ!!」
叩きつけようとした小瓶を持つ右手を魔力で作った擬似手で掴む。
「こん、こんな物!必要あま、ありません!!ままままだ!手すらぁ!」
「冗談よ、それは超が付くほどの特製ポーション。手足の欠損の復元だけに特化したポーションで媚薬じゃないから安心なさい?まさかまだそんなに初心だとはねぇ……ぷふっ」
「カーディンお姉様笑わないで!!」
若干昔のように姉妹の口調に戻りつつあったがデルガはしっかりと自分を正しゲートを潜った。
デルガがいなくなった後ぽつりと呟く。
「1年以上側にいるのに手も出せないのはちょっと酷いわね。仕えている主さんの甲斐性も気になるけどデルガ自身が奥手だったか」
呆れながらも自身の妹を心配してカーディンも自分が出したゲートを潜る。
魔界からの侵攻は一応であるが防いだと世界に一斉に報じられた。
経済の被害はかなり大きいが人を予め超広範囲に渡り避難させていため一般人には死者は出ていない。
残念ながら中国のAランクハンター1人が死亡してしまったと報じられる。
デルガはそんな情報を軽く頭に留めながらも聞き流す。
目の前の病院の一室のベットに寝ている自分の主である荒鐘 真にカーディンから貰った超特製ポーションを飲ませたら一瞬にして治ったが目を覚さなかった。
侵攻が終わり倒壊した建物などの再建築などが始まり
5日たった今日
「ん…………」
「主様!!!」
立ち上がり真に抱きつく。
「良かった、死ぬ心配は無かったですが一生寝てしまうのかと、怖かったです」
「デルガ………」
自分の体に抱きつくデルガの頭を一度撫でると一言告げる。
「みんな見てるから離れて」
「え、あっ!ひゅわぇぁあ?!」
気付いた時にはもう遅く冷たいがあったかくもある視線が2人に集まっていた。
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