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はじまり67
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~伝令~
ある月の綺麗な晩のことです。
白い鳥をシンボルに持つ国の王宮で、一人の青年が一通の
手紙を読んでいました。
沈痛な面持ちで息を吐き、そばにあるワイングラスに手を
伸ばします。
その手紙は、少し変わっていて、遠くにいる親しい者の
訃報を知らせる手紙でした。
この国の姫と王子が姿を消して、数年がたっていました。
二人が逃げることに協力したのは、今ここにいるキールという
王子です。
姫とは婚約し、時期国王となるキールの王妃となるはずでした。
様々な理由から、この国からでることに協力し、その後も
国外の情勢を知らせてくれる、良き繋がりを持ち続けていました。
「やはり私は間違っていたのだろうか」
ある嵐の夜に、船に乗っていた姫君は一緒にいた
船乗りと共に島に流れ着きました。
ちょうど身ごもっていた彼女は、嵐の夜に双子の男女を
産み落として、そのまま帰らぬ人となったそうです。
船乗りは、彼女と一緒に国をでたシキであることはわかっています。
そして、この手紙をだしたのはソウという人物で、この国の
王子でした。
しかし、手紙の文字はよれていて、本人もあまり命が長くは
ないだろうということを書き記していました。
「これで、姫と王子の捜索も終わりですね」
無機質な声音の自分の相棒であるヨウメイに、
キールは、ああと小さくうなづきます。
表向き、キールも姫と王子の捜索に力を貸していました。
ですが、それももうおしまいのようです。
このことを王と王妃に伝えなければならないと思うと、
辛さのあまり、体が重く感じられました。
なんとか立ち上がり、衣服を整えて扉へ向かった時、
コンコンコンと小さな音がしました。
キールとヨウメイは顔を見合わせて、音のありかを探ります。
その音は、キールの部屋の片隅の飾り棚の裏からしました。
ヨウメイははっとして、この国を出る前にソウからもらった
地図を広げます。
地図と共に、飾り棚の裏にある小さな扉を開く術が書いてありました。
書いてあるとおりに、飾り棚を外し、順番に壁のくぼみを押していきます。
からりと小さな音がして、小さな扉が開きます。
「こんにちは、ソウ王子のお使いで来ました」
小さな黒髪の男の子が、顔をだしました。
キール王子ですよねと確認してくる黒髪黒目の少年に、
うなづきます。
少年がやっと通れるほどの扉から、這い出して、
礼を取りました。
「僕、ルーンといいます。」
お久しぶりです、ヨウメイ様とにっこり笑った
少年と数年前に会った乞食の幼子とがぴったり重なり、
ヨウメイはあんぐりと口をあけました。
つづく
ある月の綺麗な晩のことです。
白い鳥をシンボルに持つ国の王宮で、一人の青年が一通の
手紙を読んでいました。
沈痛な面持ちで息を吐き、そばにあるワイングラスに手を
伸ばします。
その手紙は、少し変わっていて、遠くにいる親しい者の
訃報を知らせる手紙でした。
この国の姫と王子が姿を消して、数年がたっていました。
二人が逃げることに協力したのは、今ここにいるキールという
王子です。
姫とは婚約し、時期国王となるキールの王妃となるはずでした。
様々な理由から、この国からでることに協力し、その後も
国外の情勢を知らせてくれる、良き繋がりを持ち続けていました。
「やはり私は間違っていたのだろうか」
ある嵐の夜に、船に乗っていた姫君は一緒にいた
船乗りと共に島に流れ着きました。
ちょうど身ごもっていた彼女は、嵐の夜に双子の男女を
産み落として、そのまま帰らぬ人となったそうです。
船乗りは、彼女と一緒に国をでたシキであることはわかっています。
そして、この手紙をだしたのはソウという人物で、この国の
王子でした。
しかし、手紙の文字はよれていて、本人もあまり命が長くは
ないだろうということを書き記していました。
「これで、姫と王子の捜索も終わりですね」
無機質な声音の自分の相棒であるヨウメイに、
キールは、ああと小さくうなづきます。
表向き、キールも姫と王子の捜索に力を貸していました。
ですが、それももうおしまいのようです。
このことを王と王妃に伝えなければならないと思うと、
辛さのあまり、体が重く感じられました。
なんとか立ち上がり、衣服を整えて扉へ向かった時、
コンコンコンと小さな音がしました。
キールとヨウメイは顔を見合わせて、音のありかを探ります。
その音は、キールの部屋の片隅の飾り棚の裏からしました。
ヨウメイははっとして、この国を出る前にソウからもらった
地図を広げます。
地図と共に、飾り棚の裏にある小さな扉を開く術が書いてありました。
書いてあるとおりに、飾り棚を外し、順番に壁のくぼみを押していきます。
からりと小さな音がして、小さな扉が開きます。
「こんにちは、ソウ王子のお使いで来ました」
小さな黒髪の男の子が、顔をだしました。
キール王子ですよねと確認してくる黒髪黒目の少年に、
うなづきます。
少年がやっと通れるほどの扉から、這い出して、
礼を取りました。
「僕、ルーンといいます。」
お久しぶりです、ヨウメイ様とにっこり笑った
少年と数年前に会った乞食の幼子とがぴったり重なり、
ヨウメイはあんぐりと口をあけました。
つづく
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