はじまり

天鳥そら

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第三部幸福のひと27

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~出立~ 

ルエラは朝早く目が覚めました。 
カーテンの隙間から朝日がさしこんでいます。 
隣でぐっすり眠っているリクとミクを起こさないように、そっと起きて窓辺に歩いていきます。 

さっとカーテンを開けると、真っ青な空と水平線から朝日がのぼるのが見えました。 

リクの言う通り、最高の船出日和となりました。 
寝ている間少し心配していたので、ルエラはすっかり嬉しくなりました。 

まだ早いけれど、朝食の仕度と出発の準備にとりかかります。 
まだまだ夢の中にいる二人に微笑んで、まずはキッチンへと向かいました。 

この家での最後の食事です。いつもは皆が手伝ってくれますが、最後の日ぐらい自分で全部つくろうと思ったのでした。 

「まあ、奥様。起こしてくだされば良かったのに」 


この家に住み込んで何かと手伝ってくれる船の乗組員が、起きてくるなり声をあげました。 
申し訳なさそうな顔をする乗組員に、にっこり微笑みます。 

「早く目が覚めちゃったの」 

すっかり慣れた手つきで、人数分の果物を切り分け、トーストとコーヒー、ハムエッグを用意します。 

テーブルにお皿を並べ始めた頃、ミクを抱っこしたリクがひょっこり顔をのぞかせました。 

「あとは僕がやろう」 

お腹を空かせてぐずっているミクをルエラに手渡します。 
ルエラがミクを抱いた途端、わっと泣き出しました。 

ミクをあやしながら、ソファへと向かいます。 

リクが朝食の準備をしている間、ルエラはミクにお乳を飲ませていました。 

トーストとコーヒーの香りが部屋いっぱいに広がります。 

もうすっかり太陽がのぼりきり、とても良いお天気です。 


つづく
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