廃墟の箱庭

安達夷三郎

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第一章、何気ない日常

遅刻魔

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 図書室には小説、詩集、漫画、専門本などが沢山置いてある。どれも旧時代の物だった。
どの本を読んでも、人が沢山いて、人口増加のことが書かれている物もあったので、本当に旧時代は栄えていたんだな~と実感する。
 私は漫画を、サチは医学書を読んでいる。そして何かをノートに書き込んでいる。
少し見せてもらうとそこには、薬の作り方、手当ての仕方などが細かく、かつ詳しく書かれていた。
(流石、治療員、、、)
専門用語を呟きながらノートに一生懸命書き込んでいるサチに感心していると、特戦員のハヤトに話しかけられた。
「十四時に会議室に来てくれる?」
「会議?」
ハヤトはにこり微笑み、言った。「そ。遠征任務の打ち合わせ、というか隊員決めだね」
 遠征任務とは三ヶ月に一度、他の地方に行き、生存者の保護やそこにいるリピットの討伐などを他支部と協力して行う。
戦闘員八名、特戦員一名、オペレーター二名の計十一名で向かう。
残りの戦闘員十二名は次回にご期待。
前回は青森県。
「今回は何処に行くんだろう?」
前回、私は行っていないので今回当たる可能性は十分ある。
「まぁ僕は言ったから、遅刻したらオリオンに怒られるから早く来なよ?」
、、、、、、、、。
、、、、、、、、、、、、、、、、それだけはご勘弁。
ハヤトは手を振り、図書室から出て行った。
「遠征任務の会議?」サチは医学書を読んでいた手を止め、私に聞いた。
「うん。今回は何処に行くんだろーね」
「でも、早く行きなよ~」
「はーい」
時計を見るとまだ十三時過ぎ。まだ大丈夫。
その後、サチと話していたり、本を読んでいたら放送が鳴った。
『ルナ!今すぐ会議室に来い!!』
 オペレーターの声ではなく、オリオンの怒声がスピーカーから聞こえる。
 時計を見ると十四時二十四分。
サチを見ると静かにポンっと肩を叩いてきた。

 仕方ないので重い足取りで会議室に向かう。
会議室に向かう途中、すれ違った殆どの隊員に「頑張れよ、、、」と、慰めの言葉をかけられた。
意を決して恐る恐る会議室に入ると、目の前に仁王立ちしたオリオンの姿。
 その顔は地獄の鬼でさえも震い上がらせれるのではと思うぐらいの、黒い笑みだった。
後ろは扉、前はオリオン。頭の中で人生終了の鐘が鳴り響く。
「俺、ハヤトに頼んで『十四時に会議室に来い』って伝えてもらったよな?」
「はい、、、」
ヤバいヤバい、冷や汗が止まらない。必死に言い訳を考えているが、どれも上手くいく予感がしない。
 その時、二人の神が降臨した。
「オリオン、そんな怒んなって。ルナだってちゃんと来たんだし」
「そーそー、オリオンはきっちりし過ぎなんだよー」
その神とは、双子でオペレーターのアサヒとユウヒだった。
「神様~!!」
 二人に抱きつくとオリオンは許してくれたのか、呆れたのか、ホワイトボードの前に歩いて行った。
私は空いてる席に座った。隣に座っている子にドンマイと言われたのには閉口した。
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