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本編
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ん?ここは……いつものあそこか。どうせ神様いるんでしょ。そう思ってキョロキョロ見回すけど姿が見えない。あれ?どうしたのかな?
首傾げて考え込んだら後ろから肩叩かれた。振り返って私は言葉を失う。そこにいたのは──
「何だかとても懐かしいわ、アンジェリカ」
とても……とてもよく見慣れた女性がにっこり笑ってた。
「桜木……杏梨」
「うん、ずっとあなたに会いたかったのよ」
「私も……私もだよ杏梨!」
私は杏梨の手を掴む。上手く言葉にならない。やっと会えたもう一人の私。そんな感覚だった。
「杏梨……あなたに聞きたいこといっぱいある!」
「いいわ、何でも聞いて」
「どうしてグレンを選んだの?」
杏梨は一瞬目を見開くと、ふっと笑った。
「私には殿下が眩く輝いて見えてたわ。一目見た時から胸に焼き付いて離れなかった。もうあの方のこと以外考えられなかったな」
「私はそんな風に見えた事ないよ。巫女は王気を纏うものと番うって言うけどあなたには王気が見えたのかな?」
杏梨はさあって首を傾げた。
「でももしかしたら選択を間違わないようにアンジェリカの器が教えてくれたのかもしれないわね」
選択を間違わないようにって……うん、今深く考えるのはよそう。
「杏梨は凄い努力家だったんだね」
「必死だったの全部分かっちゃうよね、恥ずかしいな」
「恥ずかしくなんてない!私今あなたを追うのに必死なんだからね!」
ふふって杏梨は笑ってる。もう全ては過去のことって気持ちの整理はついてる、そんな清々しさだ。
「殿下に相応しくなければいけないって自分を追い込んでたのね。我ながら恐ろしい程病んでたわ。酷いことも沢山したし……あなたにもきっと大変な思いさせてる。ごめんなさい」
「神様に聞いたよ!あなたのせいばかりじゃない!あなたはむしろ怒っていいんだよ!」
杏梨は首を横に振った。
「もう後ろばかり向いて卑屈に生きるのは沢山。アンジェリカとしての生があるから私今前を向けるのよ。悪い経験ばかりじゃないし無駄なことなんて一つもないって思うわ」
強くてまっすぐな杏梨。すんごいかっこいい!桜木杏梨としての生は本当に充実してるみたいで良かった!ちょっと涙出そう。
「アンジェリカも杏梨時代はかなり男前だったみたいね?女性……と一部男子からの人気にビックリしたのよ。私も今あなたを必死で追ってるのかもしれない。お互い様ね」
「そっか!努力するのは良いけど無理することなんてないんだよね。だってもう私達の生なんだから!」
杏梨はにっこり笑って頷いた。その笑顔は見惚れちゃうくらいすごく綺麗だった。
「あなたの顔を見れば分かるわ、今幸せなのね」
「うん……私幸せだよ!杏梨は!?」
「私も幸せよ。私ね、光くんと付き合ってるんだよ」
「え!?うそー!?」
光はお隣に住む幼馴染だ。頭だけはメチャクチャ良くって、陰キャ引きこもりのオタク。迷惑がられても私心配であれこれ世話焼いてたんだ。将来は最難関大にサクッと入って、人に使われるなんてごめんだってゲーム会社立ち上げるんだよね。
ん?ゲーム会社?そういえば杏梨が将来作るゲームってもしかして──?
「光君がずっと側に居てくれたから、私地球にも馴染めてるの」
杏梨はぽっと顔を赤らめた。あの光が杏梨のために……ヤバい、嬉しくて涙出そう。
「良かった……ホントに良かった!私あなたには誰より幸せになって欲しいんだ!」
杏梨は嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう。私もいつもあなたの幸せを願ってるわ」
ああ、杏梨の輪郭がボヤけていく。まだ離れたくないのに!でもきっと……きっとまた会えるよね!杏梨の満面の笑顔を私はしっかり目に焼き付けた。
首傾げて考え込んだら後ろから肩叩かれた。振り返って私は言葉を失う。そこにいたのは──
「何だかとても懐かしいわ、アンジェリカ」
とても……とてもよく見慣れた女性がにっこり笑ってた。
「桜木……杏梨」
「うん、ずっとあなたに会いたかったのよ」
「私も……私もだよ杏梨!」
私は杏梨の手を掴む。上手く言葉にならない。やっと会えたもう一人の私。そんな感覚だった。
「杏梨……あなたに聞きたいこといっぱいある!」
「いいわ、何でも聞いて」
「どうしてグレンを選んだの?」
杏梨は一瞬目を見開くと、ふっと笑った。
「私には殿下が眩く輝いて見えてたわ。一目見た時から胸に焼き付いて離れなかった。もうあの方のこと以外考えられなかったな」
「私はそんな風に見えた事ないよ。巫女は王気を纏うものと番うって言うけどあなたには王気が見えたのかな?」
杏梨はさあって首を傾げた。
「でももしかしたら選択を間違わないようにアンジェリカの器が教えてくれたのかもしれないわね」
選択を間違わないようにって……うん、今深く考えるのはよそう。
「杏梨は凄い努力家だったんだね」
「必死だったの全部分かっちゃうよね、恥ずかしいな」
「恥ずかしくなんてない!私今あなたを追うのに必死なんだからね!」
ふふって杏梨は笑ってる。もう全ては過去のことって気持ちの整理はついてる、そんな清々しさだ。
「殿下に相応しくなければいけないって自分を追い込んでたのね。我ながら恐ろしい程病んでたわ。酷いことも沢山したし……あなたにもきっと大変な思いさせてる。ごめんなさい」
「神様に聞いたよ!あなたのせいばかりじゃない!あなたはむしろ怒っていいんだよ!」
杏梨は首を横に振った。
「もう後ろばかり向いて卑屈に生きるのは沢山。アンジェリカとしての生があるから私今前を向けるのよ。悪い経験ばかりじゃないし無駄なことなんて一つもないって思うわ」
強くてまっすぐな杏梨。すんごいかっこいい!桜木杏梨としての生は本当に充実してるみたいで良かった!ちょっと涙出そう。
「アンジェリカも杏梨時代はかなり男前だったみたいね?女性……と一部男子からの人気にビックリしたのよ。私も今あなたを必死で追ってるのかもしれない。お互い様ね」
「そっか!努力するのは良いけど無理することなんてないんだよね。だってもう私達の生なんだから!」
杏梨はにっこり笑って頷いた。その笑顔は見惚れちゃうくらいすごく綺麗だった。
「あなたの顔を見れば分かるわ、今幸せなのね」
「うん……私幸せだよ!杏梨は!?」
「私も幸せよ。私ね、光くんと付き合ってるんだよ」
「え!?うそー!?」
光はお隣に住む幼馴染だ。頭だけはメチャクチャ良くって、陰キャ引きこもりのオタク。迷惑がられても私心配であれこれ世話焼いてたんだ。将来は最難関大にサクッと入って、人に使われるなんてごめんだってゲーム会社立ち上げるんだよね。
ん?ゲーム会社?そういえば杏梨が将来作るゲームってもしかして──?
「光君がずっと側に居てくれたから、私地球にも馴染めてるの」
杏梨はぽっと顔を赤らめた。あの光が杏梨のために……ヤバい、嬉しくて涙出そう。
「良かった……ホントに良かった!私あなたには誰より幸せになって欲しいんだ!」
杏梨は嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう。私もいつもあなたの幸せを願ってるわ」
ああ、杏梨の輪郭がボヤけていく。まだ離れたくないのに!でもきっと……きっとまた会えるよね!杏梨の満面の笑顔を私はしっかり目に焼き付けた。
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