乳房星（たらちねぼし）−１・０

第８話・あんたのバラード

【どれくらいの時がたてば】

（ゴーッ…）

また時は流れて、12月21日の正午頃であった。

イワマツグループの全メンバーたちが乗っている専用機が大阪伊丹国際空港に到着した。

イワマツグループの全メンバーたちは、専用機から降りたあとタラップ下に停まっている100人乗りの特大バスに乗り込んだ。

（ブロロロロロ…）

時は、午後12時半頃であった。

イワマツグループの全メンバーたちが乗り込んだ100人乗りの特大バスが出発した。

つづいて、バスの後ろに停まっていたヒノクルージングレンジャー（特大トラック）３台が出発した。

４台の車両は、大阪伊丹国際空港から出発したあと阪神高速道路を通って堺市へ向かった。

この日の午前10時50分頃にいとが急病で倒れた…

いとは、救急車で堺区内《くない》にある救急病院に搬送されたが意識不明の重体であった。

この時間、いとは救急病院内にあるＩＣＵ（集中治療室）にカクリされていた。

大番頭《おおばんと》はんの家は、健介《けんすけ》の家出と幸《みゆき》がリスカして亡くなったことなどの不幸が相次いだ。

その上に、いとが急病で倒れたあと意識不明の重体におちいった。

そのまた上に、いとが倒れたことを苦にゆらさんが突然家出した。

大変だ…

どうすればいいのだ…

時は、午後１時半頃であった。

４台の車両が大番頭《おおばんと》はんの家の前に到着した。

ゆりさんたち６人きょうだいは、風香《フー》ちゃんと陽子さんと美澄《みすみ》さんとミンジュンさんとウェンビンさんとたつろうさんにお仕事道具を預けたあとバスから降りた。

ゆりさんたち６人きょうだいが家に入ったあと、丁稚《でっち》どんたち5000人が家に入った。

ところ変わって、家の中にて…

ゆりさんたち６人きょうだいが家に入った時、家の中には桃子《ももこ》と奈保子《なおこ》のふたりがいた。

ゆりさんたち６人きょうだいは、家の中にある着替えと小物類とメイク道具と必要な品々を取り出したあと紙袋やダンボール箱などに詰めていた。

その近くに桃子《ももこ》がいた。

ゆりさんは、桃子《ももこ》に対してあつかましい声で言うた。

「あのね!!うちらは年が明けたら超多忙になるから堺区《ここ》にはもう帰らないから…」
「帰らないって…それじゃあ、義母《おかあ》さまはどうなさるのですか？」
「はぐいたらしいわね!!うちらは、ここに滞在する時間は限られているのよ!!」

ゆかさんは、ものすごく怒った声で桃子《ももこ》に言うた。

「おかーちゃんに万が一の事態が発生するかもしれへんのは分かってるわよ!!せやけど、うちらは仕事上の都合で死に目に会えないのよ!!…ゆらが家出したことについては、うちらは一切関知せえへんけん!!」
「そんな～…困ります…」

ゆかさんは、ものすごく怒った声で桃子《ももこ》を怒鳴りつけた。

「あんたははぐいたらしいわね!!今、うちらは非常事態におちいってるのよ!!分かっていたら部屋から出なさいよ!!」

ゆかさんは、よりし烈な声で桃子《ももこ》をイカクしたあと運び出し作業を続けた。

時は、夕方４時に10分前であった。

再び、家の前にて…

ゆりさんたち６人きょうだいは、着替えと小物類とメイク道具がぎっしりと詰まっているユニクロのロゴ入りの特大紙袋を両手に持ってバスに乗り込んだ。

席につく前に、風香《フー》ちゃんと陽子さんと美澄《みすみ》さんとミンジュンさんとウェンビンさんとたつろうさんに預けていた仕事道具を受け取った。

ゆりさんは、陽子さんに預けていた仕事道具を受け取った。

「陽子おまたせ～」
「ゆり、はいお仕事道具よ。」
「おおきに。」

いすに座ったゆりさんは、着替えが入っている特大紙袋の中からハンドタオルを取り出して顔についている汗を拭き取った。

バスの外にて…

バスの外では、丁稚《でっち》どんたち5000人が家の前から運び出した大荷物をバスの後ろに停まっているヒノクルージングレンジャーのウイングに積み込んだ。

つづいて、バスの前に待機していた300人の子守女《こもりめ》さんたちが丸徳寿司チェーンのロゴ入りのレジ袋に入っているお弁当とサントリーウーロン茶の500ミリリットルのペットボトルを持って乗り込んだ。

子守女《こもりめ》さんたちは、全メンバーたちに夕食のお弁当を配った。

運び出し積み込み作業は、夕方４時40分頃に終了した。

（ブロロロロロロロロロ…）

夕方５時頃であった。

家の前に停まっていた４台の車両が一斉に出発した。