乳房星(たらちねぼし)−1・0

佐伯達男

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第15話・じょんがら女節

【これが私の生きる道】

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時は、ドイツ時間3月4日の正午頃であった。

またところ変わって、ミュンヘンの中心地・マリエン広場のすぐ近くにあるカフェ・リシャルト(カフェレストラン)の店内にて…

店内にポムじいさんとゆみさんとエレンさんの3人とミュンヘン近郊にある食肉加工会社の社長さんたち5人がいた。

この日は、2013年のボジョレーヌーボーの解禁日に販売するボジョレーヌーボー(ワイン)とセットで販売する白ソーセージの取引に関する商談が行われていた。

商談は、バイヤーであるゆみさんと食肉加工会社の社長さんたちの間で行われた。

ポムじいさんとエレンさんは、静かに商談を見守っていた。

今回は、取り引き先の会社のおすすめなどの内容の聞き取りを行った。

最後に、次回の商談予定を調整した。

時は、フランス時間3月4日の夜9時半頃であった。

またところ変わって、パリのシャンゼリゼ周辺にあるアカシアエトワール(ホテル)にて…

A班のメンバーたちは、ここで宿泊していた。

場所は、ゆりさんとゆかさんが宿泊している部屋にて…

シルクのキャミソールと白のレギュラーショーツ姿のゆりさんは、ベッドに寝転んだ状態で『an・an(アンアン)』(雑誌)を読みながらパルム(チョコアイス)を食べていた。

ゆかさんは、ギャラクシー(アンドロイドスマホ)にかかってきた電話の応対をしていた。

電話は、ゆみさんからかかってきた。

テーブルの上には、ソニーバイオ(ノートパソコン)とケーブルでつないでいるアクオススマホが置かれていた。

ゆかさんは、受話器ごしにいるゆみさんに話した。

「もしもしゆみ…次回の商談予定はいつ?…3月9日…うちらの予定は、3月8日に大阪へ行く予定よ…9日はオフで…10日は移動日よ…えっ?ちょうどよかったって…大阪のホテルに予約取ってって?…ちょっと待ってね…おねーちゃん呼ぶから…」

ゆかさんは、ベッドに寝転んでアイスを食べながら雑誌を読んでいるゆりさんを呼んだ。

「おねーちゃん!!」
「なあにゆか。」

ゆかさんに呼ばれたゆりさんは、ベッドから起き上がった。

この時、ゆりさんが着ているキャミソールの右のストラップがずれた。

ゆかさんは、おどろいた声で言うた。

「おねーちゃん!!ずれてるわよ!!」
「えっ?」
「えっ?じゃなくて、キャミの肩ひもがずれてるわよ…恥ずかしいからあげてよ!!」

ゆりさんは、片方がずれた時にあらわになった右の乳房を隠しながら『分かったわよ~』と言うたあとゆかさんに言うた。

「それで、商談の日取りが取れたのでホテルの予約を入れてって?」
「せや。」
「どのホテルに予約を入れたらいいの?」
「ちょっと待って…」

ゆかさんは、受話器ごしにいるゆみさんに言うた。

「ゆみ、どこのホテルに予約を入れたらええの?…新歌舞伎座の近くの…ああ、近鉄の上本町駅《うえほんまち》の中にあるシェラトン都ホテルね…」

ゆかさんは、メモ書きをしたあとゆりさんに言うた。

「おねーちゃん!!」
「なあに?」
「シェラトン都ホテル大阪に宿泊の予約を入れてよ!!」
「予約?」
「はよいれて!!」
「分かったねん…」

ゆりさんは、大急ぎでソニーバイオ(ノートパソコン)を起動させたあと、グーグルのポータルサイトからシェラトン都ホテル大阪の予約フォームにアクセスした。

ゆりさんは、ゆかさんにアクセスしたことを伝えた。

「ゆか、アクセスしたけど…」
「ちょっと待って…ゆみ、先方さんは何人お越しになられるの?…社長さん夫婦と女性の事務員さんたち6人と男性従業員さんたち6人の…14人ね…それとポムじいさんとゆみとエレンさんとうちら(A班のメンバーたち)ね…」

ゆかさんは、メモ書きをしたあと『おねーちゃんお願い…』と言いながらゆりさんにメモ用紙を渡した。

その後、ゆりさんは予約フォームに入力する作業を始めた。

ゆかさんは、受話器ごしにいるゆみさんに言うた。

「もしもし…今おねーちゃんが予約の申込みを始めたわよ…えーと…新歌舞伎座のチケットも取ってって…ああ、社長さまが演歌芝居《おしばい》が好きなのね…予約状況を見てみる…」

ゆかさんは、新歌舞伎座のホムペをひらいたあと受話器ごしにいるゆみさんに言うた。

「ああ、長山洋子さんの座長公演が開催されているわね…それを鑑賞したいのね…見てみる…」

ゆかさんは、予約状況のフォームに入ったあと空き状況等を確認した。

その後、ゆかさんは受話器ごしにいるゆみさんに言うた。

「もしもし…9日の夜の部が空いてるわよ…枡席《ますせき》がいいの?…ほな、枡席《ますせき》に予約の申込みを入れるわよ。」

ゆかさんは、予約フォームに入力する作業を始めた。

それから2分後に、ゆりさんの入力作業が完了した。

「ゆか、ホテルの申込みができたわよ。」
「おおきに、こっちも新歌舞伎座の予約できたわよ…もしもしゆみ、ホテルの予約と新歌舞伎座の予約が取れたわよ…えーと…(なんば)花月も行きたいって…ちょっと待って…おねーちゃん!!」
「なあに?」
「先方さまが(なんば)花月も予約入れてって…」
「花月も行くのね。」
「おねーちゃん急いでよ!!」
「分かったよ~…」

ゆりさんは、グーグルのポータルサイトからなんば花月の空き状況等のページに入った。

ゆかさんは、受話器ごしにいるゆみさんに言うた。

「もしもし…何時の回に行きたいの?…午後…おねーちゃん!!」
「ああ、13時に開始の回が空いてるわよ。」
「ちょっと待って…ゆみ、チケット何枚いるの?」

ゆかさんは、メモ用紙にメモ書きをしたあとゆりさんに手渡した。

「おねーちゃん急いで!!」
「分かった。」

ゆりさんは、なんば花月の予約申込みを入力した。

ゆかさんは、受話器ごしにいるゆみさんに当日のスケジュールなどの最終確認を行った。

ゆりさんとゆかさんは、予約を取り終えたあとA班のメンバーたちに電話連絡で3月9日の予定を伝えた。
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