乳房星(たらちねぼし)−1・0

佐伯達男

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第20話・夢の途中

【いいんだよきっと】

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(ゴーッ…)

時は、9月30日の夜7時半頃であった。

A班のメンバーたちが乗り込んだ専用機が松山空港から飛び立った。

次回、来日する予定は未定である。

またところ変わって、今治市喜田村《しないきたむら》にある済生会病院のゆきさんが入院している個室病棟《びょうしつ》にて…

哲人《てつと》は、ゆりさんたらが出発したあとから夜7時頃までゆきさんの看病をつづけた。

夜8時頃にパートを終えた奈保子《なおこ》が病室に帰って来た。

その後、哲人《てつと》は奈保子《なおこ》と一緒に病院から出発した。

時は、8時半頃であった。

哲人《てつと》と奈保子《なおこ》は、衣干町《きぬぼし》のヤマダ電機の付近の通りの歩道を歩いていた。

この時であった。

哲人《てつと》が『ううう…』と泣き出した。

「あなた。」
「うううううう…」

奈保子《なおこ》は、哲人《てつと》の肩をやさしく抱きながら言うた。

「アタシは…哲人《てつと》のおかーさんよ…アタシは…哲人《てつと》のおかーさんよ…」
「ううううううううううううううう…」
「哲人《てつと》。」
「ううううううううううううううう…かあさん。」
「せつないのね…よしよし…よしよし…」

奈保子《なおこ》は、ひと呼吸おいてから哲人《てつと》に言うた。

「この近くにあるホテルに行こうね。」
「ううううううううううううううう…」
「よしよし…よしよし…アタシは…哲人《てつと》のおかーさんよ…」

奈保子《なおこ》は、哲人《てつと》の肩をやさしく抱いてなぐさめた。

このあと、ふたりは近くにあるラブホへ行った。
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