35 / 153
第7話・願いごとのもちぐされ
【私たちの望むものは】
しおりを挟む
(カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
はちろうがケーサツに逮捕されてから8時間後の夜9時頃であった。
場所は、松山市小坂の住宅地にて…
ゆりこは、この地区にあるセキスイハイムのアパートで暮らしている。
住宅地の付近を走るいよてつ横河原線の電車がゆっくりとした速度でいよ立花駅へ向かう。
この時、バイト帰りのけんちゃんが付近を歩いていた。
そこでけんちゃんは、ガスくさいにおいを感知した。
このガスくさいにおいは…
ゆりこちゃんが暮らしているアパートからではないのか…
より強い不安に襲われたけんちゃんは、大急ぎでアパートへ向かう。
ところ変わって、ゆりこが暮らしているセキスイハイムのアパートにて…
ゆりこが暮らしている1階の部屋に着いたけんちゃんは、コブシでドアをたたきながら中にいるゆりこに呼びかけた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」
けんちゃんが大声で呼びかけたが、反応がまったくない。
けんちゃんは、ドアノブに手をかけて回してみた。
(ガチャ…)
うそ…
カギがあいてる…
そして次の瞬間…
「うう…クセー…」
ドアが開いたのと同時に、部屋中にジュウマンしているガスのにおいが放出された。
けんちゃんは、ハンカチで口を押さえながら部屋に突入した。
ゆりこが四畳半の居間で倒れていた。
「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」
けんちゃんは、ガス中毒を起こして倒れたゆりこを大急ぎで外に運び出したあと、キンリンの住民に助けを求めた。
ゆりこは、救急車で松山市美沢の記念病院に搬送された。
ゆりこは、一酸化炭素中毒で数時間意識不明の状態におちいったあと、一命を取り留めた。
しかし、胎内の赤ちゃんは命を堕とした(おとした)。
けんちゃんは、ゆりこが書いた手紙数通を読んでみた。
その中で、10月3日に宍喰(ししくい・徳島県海陽町)の竹ヶ島でゆりことカレが海に転落して、尾鷲市まで流された事件の原因が明らかになった。
それによると、ゆりこの胎内の子の父親がはちろうであったこと…はちろうとはハートマーケット(テレクラ)で知り合った…はちろうはユウジュウフダンなので、ゆりこに気持ちを伝えることができない…だから、知人のホストの男(ゆりこが逆ナンで知り合った男だった)に頼んだ…
…と記されていた。
文章の最後に、ゆりことはちろうは肉体関係のみであって、結婚する気は全くないと記されていた…
つづいて、てつろうさんにあてた遺書を読んでみた。
てつろうさんにあてた遺書は、うらみの文章がつづられていた。
てつろうさんは、ゆりこに対して『研究の成果が世に認められて表彰されたらゆりこを迎えに行く。』とプロポーズした。
けど、表彰された翌日から超多忙になったのでゆりこと会うことができんかった。
最後に『てつろうさんのせいで汚い女になった…てつろうさんのせいでゆりこの人生はズタズタになった…』と記されていた。
もう1枚の遺書には、多賀家の家族に対するうらみがつづられていた。
政子六郎夫婦と3組の兄夫婦の家族とあつろうと和子がズタズタに傷つく文章が並んでいた。
しかし、たつろうさんについては記載されていなかった。
(これ、どういうことやねん…)
最後に、けんちゃんあてに書かれた手紙にはこうつづられていた。
けんちゃんにお似合いのいい人がみつかるといいわね…
ただそれだけであった。
なんやねんコレは一体…
けんちゃんは、今まで経験したことのない虚空感に襲われた。
ゆりこは、今回の一件で多賀家に多大な損害を与えた罰としてあつろうとお見合いをして結婚することになった。
その一方で、すみれさんは裕介夫婦にけんちゃんと結婚できませんと一方的に断ったあと、仕事をやめて松山から出てよそへ移った。
けんちゃんは、ゆりこをまだ愛しているのでこの先結婚できる見込みはなくなった。
はちろうがケーサツに逮捕されてから8時間後の夜9時頃であった。
場所は、松山市小坂の住宅地にて…
ゆりこは、この地区にあるセキスイハイムのアパートで暮らしている。
住宅地の付近を走るいよてつ横河原線の電車がゆっくりとした速度でいよ立花駅へ向かう。
この時、バイト帰りのけんちゃんが付近を歩いていた。
そこでけんちゃんは、ガスくさいにおいを感知した。
このガスくさいにおいは…
ゆりこちゃんが暮らしているアパートからではないのか…
より強い不安に襲われたけんちゃんは、大急ぎでアパートへ向かう。
ところ変わって、ゆりこが暮らしているセキスイハイムのアパートにて…
ゆりこが暮らしている1階の部屋に着いたけんちゃんは、コブシでドアをたたきながら中にいるゆりこに呼びかけた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」
けんちゃんが大声で呼びかけたが、反応がまったくない。
けんちゃんは、ドアノブに手をかけて回してみた。
(ガチャ…)
うそ…
カギがあいてる…
そして次の瞬間…
「うう…クセー…」
ドアが開いたのと同時に、部屋中にジュウマンしているガスのにおいが放出された。
けんちゃんは、ハンカチで口を押さえながら部屋に突入した。
ゆりこが四畳半の居間で倒れていた。
「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」
けんちゃんは、ガス中毒を起こして倒れたゆりこを大急ぎで外に運び出したあと、キンリンの住民に助けを求めた。
ゆりこは、救急車で松山市美沢の記念病院に搬送された。
ゆりこは、一酸化炭素中毒で数時間意識不明の状態におちいったあと、一命を取り留めた。
しかし、胎内の赤ちゃんは命を堕とした(おとした)。
けんちゃんは、ゆりこが書いた手紙数通を読んでみた。
その中で、10月3日に宍喰(ししくい・徳島県海陽町)の竹ヶ島でゆりことカレが海に転落して、尾鷲市まで流された事件の原因が明らかになった。
それによると、ゆりこの胎内の子の父親がはちろうであったこと…はちろうとはハートマーケット(テレクラ)で知り合った…はちろうはユウジュウフダンなので、ゆりこに気持ちを伝えることができない…だから、知人のホストの男(ゆりこが逆ナンで知り合った男だった)に頼んだ…
…と記されていた。
文章の最後に、ゆりことはちろうは肉体関係のみであって、結婚する気は全くないと記されていた…
つづいて、てつろうさんにあてた遺書を読んでみた。
てつろうさんにあてた遺書は、うらみの文章がつづられていた。
てつろうさんは、ゆりこに対して『研究の成果が世に認められて表彰されたらゆりこを迎えに行く。』とプロポーズした。
けど、表彰された翌日から超多忙になったのでゆりこと会うことができんかった。
最後に『てつろうさんのせいで汚い女になった…てつろうさんのせいでゆりこの人生はズタズタになった…』と記されていた。
もう1枚の遺書には、多賀家の家族に対するうらみがつづられていた。
政子六郎夫婦と3組の兄夫婦の家族とあつろうと和子がズタズタに傷つく文章が並んでいた。
しかし、たつろうさんについては記載されていなかった。
(これ、どういうことやねん…)
最後に、けんちゃんあてに書かれた手紙にはこうつづられていた。
けんちゃんにお似合いのいい人がみつかるといいわね…
ただそれだけであった。
なんやねんコレは一体…
けんちゃんは、今まで経験したことのない虚空感に襲われた。
ゆりこは、今回の一件で多賀家に多大な損害を与えた罰としてあつろうとお見合いをして結婚することになった。
その一方で、すみれさんは裕介夫婦にけんちゃんと結婚できませんと一方的に断ったあと、仕事をやめて松山から出てよそへ移った。
けんちゃんは、ゆりこをまだ愛しているのでこの先結婚できる見込みはなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる