乳房星（たらちねぼし）〜再出発版

佐伯達男

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第６話・元気を出して

【ふられた気分】

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（ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…）

話は、それから４時間後のことであった。

朝から降り出した雨は、午後になってもザーザーと降り続いた。

またところ変わって、今治市旭町《しないあさひまち》にあるユニクロの店内にて…

ゆりこは、ここ（ユニクロ）で１日４～５時間のパートで働いていた。

ゆりこは、左目にあおぢ（あざ）ができた状態で働いていた。

ブラジャーのちん列だなの整理をしているゆりこに対して、女性従業員さんが心配げな声で言うた。

「ゆりこさん。」
「なによぅ～」
「左目にできたあおぢ（あざ）…どうしたのよ？」
「どっかでぶつかった…」
「そう…」

女性従業員さんは、心配げな声でゆりこに言うた。

「ゆりこさん。」
「なあに？」
「ゆりこさん…このままでいいの？」

ゆりこは、ひねた声で言うた。

「ゆりこ…きょう…ダンナすてた…」
「ダンナさんすてたの？」
「うん。」
「なんですてたのよ？」
「ダンナがゆりこをしわいた（殴った）から…」
「ドサイテーなダンナねぇ～」
「ゆりこ…サイコンしない!!…ダンナなんかいらない!!」

女性従業員さんは、困った声でゆりこに言うた。

「そうよね…必要ないよねぇ～」

女性従業員さんは、ゆりこにこう言うた。

「ゆりこさん。」
「なによぅ～」
「今月末でコトブキ（結婚による退職）の音尾《ねお》さん（32歳くらいの女性従業員さん）…結婚取りやめたみたいよ。」
「なんで？」
「さあ、なんでか知らんけどね…」

この時、エアリズムのヒップハンガーのショーツが入っているダンボール箱を持って来た女性従業員さんがゆりこと女性従業員さんに言うた。

「ふたりとも知らなかったの？」
「えっ？」
「音尾《ねお》さんが結婚をやめた原因は…実家のおにいが悪いのよ。」
「それはなんで？」
「音尾《ねお》さんのおにい…数ヶ月前にお嫁さんとお子さんを交通事故でなくしたのよ…」
「理由はそれだけ？」
「それもあるけど…音尾《ねお》さんのおにいは、その以前からお嫁さんと不仲だったのよ…気に入らないことがあればお嫁さんに八つ当たりばかりしょった…他にもたくさん問題を抱えていたのよ…」
「それで、音尾《ねお》さんは来月からどうするのよ？」
「音尾《ねお》さん、実家の両親から帰って来いと言われたのよ…おにいがひどく気落ちしているからそばについてほしい…って…」
「ますますはぐいたらしいわね…音尾《ねお》さんの実家の両親はどーかしてるわよ!!」
「両親の育て方が悪いからおにいはダメ人間になったのよ!!」
「音尾《ねお》さん…かわいそう…」

女性従業員さんふたりは、コトブキがパーになった女性従業員さんのことを口々に言いまくった。

その後、ゆりこはブラジャーのちん列だなの整理を再開した。

時は、夜９時過ぎであった。

ゆりこは、小さな手提げと大型の紙袋を持って母子保護施設《しせつ》に帰って来た。

「ただいま。」

ゆりこは、ものすごくつかれた表情で施設の中に入った。

（ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…）

この時、雨の降り方がやや強くなった。

またところ変わって、ゆりこ母子３人が暮らしている部屋にて…

ゆりこは、着ていたくつしたと白濁色《にごったいろ》のカーディガンを脱いだ。

つづいて、白のブラウスのボタンを外してひらいた。

ブラウスの中から、Ｇカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》を包んでいる黒のユニクロワイヤレスブラ（３Ｄホールドタイプ）があらわになった。

つづいて、ジーンズを脱いだ。

ジーンズの中から黒のヒップハンガーのユニクロエアリズムショーツがあらわになった。

この時、悠馬《ゆうま》と美桜《みお》は食堂でテレビを見ていたので部屋にはいなかった。

ゆりこが着替えをしている時であった。

ヨリイさんがものすごくつらい表情でゆりこ母子３人が暮らしている部屋にやって来た。

「ゆりこちゃん。」
「施設長。」
「ちょっとの間…いい？」
「うん。」

ヨリイさんは、ものすごくつらい表情でゆりこにわびた。

「ゆりこちゃん…ごめんね。」
「なんであやまるのよ？」
「鎮房《しげふさ》をゆりこちゃんの再婚相手に選んだことが原因で…ゆりこちゃんとふたりの子どもたちにつらい思いをさせてしまった…」
「（ものすごく怒った声で）ゆりこ!!ダンナいらない!!…ダンナいらない!!」

ヨリイさんは、あきらめ顔で言うた。

「そうよね…ゆりこちゃんにダンナさんは必要ないよね…今回の一件は…センセーのセンタクミスだった…」

ゆりこは、ものすごく怒った声で言うた。

「ゆりこ!!許さない!!」
「ゆりこちゃん…」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」

ゆりこは、両手で顔を隠したあとその場に座り込んでくすんくすんと泣き出した。

ヨリイさんは、ものすごくつらい表情でゆりこを見つめていた。

（ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ドスーン!!…ドザー、ドザー、ドザー!!）

その頃であった。

外では、激しい雷鳴が轟いたと同時に１時間に50ミリの非常に激しい雨が降り出した。

非常に激しい雨は、約２～３時間に渡って降り続いた。

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