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一章
騒がしい森
「馬車を守れ!」「馬車を中心に陣形を組むのだ!」「くそっ! 剣聖様はどこに行かれたのだ!」「皆の者! ここは死守するぞっ!」「「「はっ!」」」
と騒がしい声が聞こえ、その喧騒により目が覚めた。
あの後、確か意識を失って···。
そう。今、俺は森の中。更に言うとお約束と言わざるを得ない馬車強襲イベントに巻き込まれかかっているようだ。
ただ、残念ながら俺には数回しか使えないであろうエアーの魔法と力をためた素人格闘術(基本的に体当たり)しか出来ない状態。
それに今思い出したが無駄にハードモードにさせられたんだったか? そう考えるとこのイベントは戦闘経験なく初めてのスキル発動になる俺にとっては完全な無理ゲーである。
無闇に助けに入ろうとして返り討ちに合うイメージしか浮かばない。
すまない、騎士の方々。あなた方は恐らく俺より当然強くて、なんでも切れそうな剣となんでも防げそうな盾をお持ちだ。
それに時間を稼げば先程さらっと聞こえた剣聖という助っ人が控えている。
そうだ。時間を稼げば勝ち確じゃないのか? 騎士の方々、頑張れ! 俺は森の隅からめちゃくちゃ応援しています。
恥ずかしい話だが、味わった事の無いリアルな戦闘からくる恐怖で動けない。その為、戦況を見守っていると俺はある事に気付く。
戦闘中にも関わらず、そして馬車防衛をしながらもこちらをチラチラと見る騎士がいる。
そう。意識を失う前に見た顔。騎士ワタナベがいるのだ。
騎士ワタナベはあからさまにこちらを凝視し、顎でこちらに出てこいと合図を送っている。
武器と武器が激しく交差し、時には盾でそれを防ぐ。そんな金属音が鳴り響く中、動かない俺に対してのワタナベの舌打ちは俺まではっきりと届くのだった。
ま、まじで? ハードモードってこんな感じでもハードモードなの? 敵が強いだけじゃなくて?
と狼狽えてると騎士ワタナベは腕を薙ぎ払う仕草を何度も繰り返している。
読唇術というと聞こえは良いが、騎士ワタナベの口の動きを読むと「ツキシマ! エアーカッター! エアーカッター! 早くやれ!」と言ってるとしか思えない。
そして騎士ワタナベは顎をしゃくって指図する。
もしかして、この拮抗した戦闘状態って俺のエアーカッター待ちなわけ?
あ、もしかしてと背後をチラッと見ると···いた! 剣聖らしき人! 何故かはわからないが出待ちしている美形の女騎士を見つけた。
その剣聖と思われる方もこちらを凝視し俺の出方を伺っている。これ完全に俺のエアーカッター待ちじゃないすか!
と騎士ワタナベを見ると察したのか頷き、エアーカッターの動きから剣聖を指差し登場するような展開を身振り手振りで説明してくれた。
異世界で初めてのスキル発動だ。俺はゴクリと喉を鳴らし腕を構える。
そして「エアーカッター!」とスキルを発動させると
「おせぇよ! ツキシマ! 折角だから囮になれ。全力でエアーシールドな?」
と騎士ワタナベが俺の背後に瞬間移動し、俺を持ち上げ魔物の集団中心に投げ込む。
「え、えええ! え、エアーシールド! エアーシールド! エアーシールド!」
そして、エアーの使用回数を使い切った俺は意識が朦朧としつつも、ワタナベの言う
「ツキシマはエアーのスキルレベルと魔力が1上がった。」
という言葉を聞いて、俺を殺そうとエアーシールドを袋叩きにするゴブリンとオークの怒気を含んだ顔を視界に入れつつ意識を手放すのだった。
と騒がしい声が聞こえ、その喧騒により目が覚めた。
あの後、確か意識を失って···。
そう。今、俺は森の中。更に言うとお約束と言わざるを得ない馬車強襲イベントに巻き込まれかかっているようだ。
ただ、残念ながら俺には数回しか使えないであろうエアーの魔法と力をためた素人格闘術(基本的に体当たり)しか出来ない状態。
それに今思い出したが無駄にハードモードにさせられたんだったか? そう考えるとこのイベントは戦闘経験なく初めてのスキル発動になる俺にとっては完全な無理ゲーである。
無闇に助けに入ろうとして返り討ちに合うイメージしか浮かばない。
すまない、騎士の方々。あなた方は恐らく俺より当然強くて、なんでも切れそうな剣となんでも防げそうな盾をお持ちだ。
それに時間を稼げば先程さらっと聞こえた剣聖という助っ人が控えている。
そうだ。時間を稼げば勝ち確じゃないのか? 騎士の方々、頑張れ! 俺は森の隅からめちゃくちゃ応援しています。
恥ずかしい話だが、味わった事の無いリアルな戦闘からくる恐怖で動けない。その為、戦況を見守っていると俺はある事に気付く。
戦闘中にも関わらず、そして馬車防衛をしながらもこちらをチラチラと見る騎士がいる。
そう。意識を失う前に見た顔。騎士ワタナベがいるのだ。
騎士ワタナベはあからさまにこちらを凝視し、顎でこちらに出てこいと合図を送っている。
武器と武器が激しく交差し、時には盾でそれを防ぐ。そんな金属音が鳴り響く中、動かない俺に対してのワタナベの舌打ちは俺まではっきりと届くのだった。
ま、まじで? ハードモードってこんな感じでもハードモードなの? 敵が強いだけじゃなくて?
と狼狽えてると騎士ワタナベは腕を薙ぎ払う仕草を何度も繰り返している。
読唇術というと聞こえは良いが、騎士ワタナベの口の動きを読むと「ツキシマ! エアーカッター! エアーカッター! 早くやれ!」と言ってるとしか思えない。
そして騎士ワタナベは顎をしゃくって指図する。
もしかして、この拮抗した戦闘状態って俺のエアーカッター待ちなわけ?
あ、もしかしてと背後をチラッと見ると···いた! 剣聖らしき人! 何故かはわからないが出待ちしている美形の女騎士を見つけた。
その剣聖と思われる方もこちらを凝視し俺の出方を伺っている。これ完全に俺のエアーカッター待ちじゃないすか!
と騎士ワタナベを見ると察したのか頷き、エアーカッターの動きから剣聖を指差し登場するような展開を身振り手振りで説明してくれた。
異世界で初めてのスキル発動だ。俺はゴクリと喉を鳴らし腕を構える。
そして「エアーカッター!」とスキルを発動させると
「おせぇよ! ツキシマ! 折角だから囮になれ。全力でエアーシールドな?」
と騎士ワタナベが俺の背後に瞬間移動し、俺を持ち上げ魔物の集団中心に投げ込む。
「え、えええ! え、エアーシールド! エアーシールド! エアーシールド!」
そして、エアーの使用回数を使い切った俺は意識が朦朧としつつも、ワタナベの言う
「ツキシマはエアーのスキルレベルと魔力が1上がった。」
という言葉を聞いて、俺を殺そうとエアーシールドを袋叩きにするゴブリンとオークの怒気を含んだ顔を視界に入れつつ意識を手放すのだった。
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