異世界でやりたい放題な友達に便乗する

狂四郎

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二章

戦犯は高らかに笑う

恐らくこの感じはエクストラハードモードがこの世界の冒険者という職業をなくそうとしている模様。


「すみません。自殺は考えてませんし、訳有でこいつ、ツキシマのギルドカードを作りたいんです。」

そうワタナベが言うと自身のカードを受付嬢に渡し、説明を始める。

「へぇ。あんた見かけによらずCランクなんだね。ふーん。訳有ね···。ちなみに彼、ツキシマくんだっけ? 冒険者になる実力はあるのかしら?」

とワタナベのカードを見て若干対応が変わった。ワタナベはチートスキルあるのにランクは控えめなんだな。Cランクって、きっと中級冒険者? って感じなのだろう。

「俺と同程度まではいかないですが、経験積めばそこそこはいけるはずですよ。」

と言うと受付嬢が俺をチラリと見て背筋を伸ばす。

「わかりました。では、その証明に何か魔物を狩って来てもらえますか? 現在、私達ギルドが欲してるのは強者です。でも、わがままは言わないわ。獲物はなんでも構わないの。」

「それじゃあ、もう狩ってる魔物の提出でも良いですか?」

「ええ。構わないわ。彼が討伐したという証明が結果に出れば···。」

ワタナベと受付嬢のやり取りに俺は蚊帳の外ではあるが、確かに焼肉用のオークは狩った。でも、証明って出来るのか? そんな疑問が生まれる。だからといって今から外に出ても構わないがまた門を通るのに半日、往復で一日かかるとなると正直面倒くさい。

そう考えているとワタナベがカウンターの上に手を差し出し、オーク肉を···いや、オークの切断された頭部を出した。正直グロい。

「これは?」

「ツキシマが狩ったオークです。魔力の痕跡もちゃんとあります。ツキシマ、エアーシールド。」

「え? ああ。エアーシールド。」

とワタナベの指示に従う。

すると、受付嬢がオークの頭部とエアーシールドを交互に見つめ、手を翳す。

受付嬢の指輪がグリーンに光ると受付嬢はニコリと笑い、一度顔をきりりと引き締め頭を下げる。

「お二人を疑ってしまい、大変申し訳御座いませんでした。判定の指輪により、このオークはツキシマ様の討伐と証明されました。重ねて先程のご無礼をお詫び致します。」

おお、すげえ。あれって不正防止の判定が出来る指輪とかなのか? 最初と全く対応が違う。

「ツキシマ、この方の謝罪を受け入れるって事で良いよな?」

というとワタナベはニカッと笑う。

「ああ、よくわからないけど、勿論だよ。これってカード貰えるんだよな?」

と二人を見るとどちらも頷き、受付嬢が笑顔に一瞬なるが真剣な顔に戻り、

「謝罪をお受けいただきありがとうございます。」

と頭を下げられる。

「はい、もう大丈夫なので、肩の力を抜いて下さい。」

そうワタナベが言うと、受付嬢が再び笑顔になる。

「ありがとう。」

と受付嬢が言うとワタナベからフォローが入る。

「ツキシマ、冒険者ギルドと言っても客商売なわけ。大事なのは信用。なので、締めるところはしっかり締めて、それ以外は友好関係を築こうぜって事な。」

「ええ、そう受け取ってくれると助かるわ。魔物の突然の強化によって冒険者が減少したの。それによって何故かわからないけど、その矛先が冒険者ギルドに向いたのよ。」

あー、簡単に言うと、この受付嬢はワタナベのせい・・で魔物が強くなってしまい、その割を食ったって事ね。

は? 一番悪いのワタナベじゃね?

とワタナベを見ると罰が悪いのだろう、各地の状況を受付嬢に聞き始めていた。


◇◆◇


結果として大きな被害は出ていなかったようで、俺としてもほっとした。

友達が戦犯で異世界崩壊とかマジで洒落にならんし。

「ツキシマくん、冒険者ギルドへようこそ、あなたを歓迎します。」 

と出来立てほやほやのギルドカードを手渡される。

「あ、ありがとうございます! やったぜ! ワタナベ!」

とワタナベの方を見ると、よっとと冒険者ギルドのカウンターの中に入る。

「あ、ここのカウンター借りますね。」

「え、ええ。構わないけど、急にどうしたの?」

と受付嬢が頬をひくつかせる。

ワタナベは俺を見てニヤリと笑い



「ここはウォンテッドモンスター賞金首専用の窓口です。生きのいい情報、目撃情報が揃ってるぜ・・・・・? それと今なら希少種情報もタダで公開中だ!」


あー、ワタナベ、こいつは。戦犯を回避して安心したからって、やりたい放題かよ!
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