8 / 24
二章
戦犯は高らかに笑う
恐らくこの感じはエクストラハードモードがこの世界の冒険者という職業をなくそうとしている模様。
「すみません。自殺は考えてませんし、訳有でこいつ、ツキシマのギルドカードを作りたいんです。」
そうワタナベが言うと自身のカードを受付嬢に渡し、説明を始める。
「へぇ。あんた見かけによらずCランクなんだね。ふーん。訳有ね···。ちなみに彼、ツキシマくんだっけ? 冒険者になる実力はあるのかしら?」
とワタナベのカードを見て若干対応が変わった。ワタナベはチートスキルあるのにランクは控えめなんだな。Cランクって、きっと中級冒険者? って感じなのだろう。
「俺と同程度まではいかないですが、経験積めばそこそこはいけるはずですよ。」
と言うと受付嬢が俺をチラリと見て背筋を伸ばす。
「わかりました。では、その証明に何か魔物を狩って来てもらえますか? 現在、私達ギルドが欲してるのは強者です。でも、わがままは言わないわ。獲物はなんでも構わないの。」
「それじゃあ、もう狩ってる魔物の提出でも良いですか?」
「ええ。構わないわ。彼が討伐したという証明が結果に出れば···。」
ワタナベと受付嬢のやり取りに俺は蚊帳の外ではあるが、確かに焼肉用のオークは狩った。でも、証明って出来るのか? そんな疑問が生まれる。だからといって今から外に出ても構わないがまた門を通るのに半日、往復で一日かかるとなると正直面倒くさい。
そう考えているとワタナベがカウンターの上に手を差し出し、オーク肉を···いや、オークの切断された頭部を出した。正直グロい。
「これは?」
「ツキシマが狩ったオークです。魔力の痕跡もちゃんとあります。ツキシマ、エアーシールド。」
「え? ああ。エアーシールド。」
とワタナベの指示に従う。
すると、受付嬢がオークの頭部とエアーシールドを交互に見つめ、手を翳す。
受付嬢の指輪がグリーンに光ると受付嬢はニコリと笑い、一度顔をきりりと引き締め頭を下げる。
「お二人を疑ってしまい、大変申し訳御座いませんでした。判定の指輪により、このオークはツキシマ様の討伐と証明されました。重ねて先程のご無礼をお詫び致します。」
おお、すげえ。あれって不正防止の判定が出来る指輪とかなのか? 最初と全く対応が違う。
「ツキシマ、この方の謝罪を受け入れるって事で良いよな?」
というとワタナベはニカッと笑う。
「ああ、よくわからないけど、勿論だよ。これってカード貰えるんだよな?」
と二人を見るとどちらも頷き、受付嬢が笑顔に一瞬なるが真剣な顔に戻り、
「謝罪をお受けいただきありがとうございます。」
と頭を下げられる。
「はい、もう大丈夫なので、肩の力を抜いて下さい。」
そうワタナベが言うと、受付嬢が再び笑顔になる。
「ありがとう。」
と受付嬢が言うとワタナベからフォローが入る。
「ツキシマ、冒険者ギルドと言っても客商売なわけ。大事なのは信用。なので、締めるところはしっかり締めて、それ以外は友好関係を築こうぜって事な。」
「ええ、そう受け取ってくれると助かるわ。魔物の突然の強化によって冒険者が減少したの。それによって何故かわからないけど、その矛先が冒険者ギルドに向いたのよ。」
あー、簡単に言うと、この受付嬢はワタナベのせいで魔物が強くなってしまい、その割を食ったって事ね。
は? 一番悪いのワタナベじゃね?
とワタナベを見ると罰が悪いのだろう、各地の状況を受付嬢に聞き始めていた。
◇◆◇
結果として大きな被害は出ていなかったようで、俺としてもほっとした。
友達が戦犯で異世界崩壊とかマジで洒落にならんし。
「ツキシマくん、冒険者ギルドへようこそ、あなたを歓迎します。」
と出来立てほやほやのギルドカードを手渡される。
「あ、ありがとうございます! やったぜ! ワタナベ!」
とワタナベの方を見ると、よっとと冒険者ギルドのカウンターの中に入る。
「あ、ここのカウンター借りますね。」
「え、ええ。構わないけど、急にどうしたの?」
と受付嬢が頬をひくつかせる。
ワタナベは俺を見てニヤリと笑い
「ここはウォンテッドモンスター専用の窓口です。生きのいい情報、目撃情報が揃ってるぜ? それと今なら希少種情報もタダで公開中だ!」
あー、ワタナベ、こいつは。戦犯を回避して安心したからって、やりたい放題かよ!
「すみません。自殺は考えてませんし、訳有でこいつ、ツキシマのギルドカードを作りたいんです。」
そうワタナベが言うと自身のカードを受付嬢に渡し、説明を始める。
「へぇ。あんた見かけによらずCランクなんだね。ふーん。訳有ね···。ちなみに彼、ツキシマくんだっけ? 冒険者になる実力はあるのかしら?」
とワタナベのカードを見て若干対応が変わった。ワタナベはチートスキルあるのにランクは控えめなんだな。Cランクって、きっと中級冒険者? って感じなのだろう。
「俺と同程度まではいかないですが、経験積めばそこそこはいけるはずですよ。」
と言うと受付嬢が俺をチラリと見て背筋を伸ばす。
「わかりました。では、その証明に何か魔物を狩って来てもらえますか? 現在、私達ギルドが欲してるのは強者です。でも、わがままは言わないわ。獲物はなんでも構わないの。」
「それじゃあ、もう狩ってる魔物の提出でも良いですか?」
「ええ。構わないわ。彼が討伐したという証明が結果に出れば···。」
ワタナベと受付嬢のやり取りに俺は蚊帳の外ではあるが、確かに焼肉用のオークは狩った。でも、証明って出来るのか? そんな疑問が生まれる。だからといって今から外に出ても構わないがまた門を通るのに半日、往復で一日かかるとなると正直面倒くさい。
そう考えているとワタナベがカウンターの上に手を差し出し、オーク肉を···いや、オークの切断された頭部を出した。正直グロい。
「これは?」
「ツキシマが狩ったオークです。魔力の痕跡もちゃんとあります。ツキシマ、エアーシールド。」
「え? ああ。エアーシールド。」
とワタナベの指示に従う。
すると、受付嬢がオークの頭部とエアーシールドを交互に見つめ、手を翳す。
受付嬢の指輪がグリーンに光ると受付嬢はニコリと笑い、一度顔をきりりと引き締め頭を下げる。
「お二人を疑ってしまい、大変申し訳御座いませんでした。判定の指輪により、このオークはツキシマ様の討伐と証明されました。重ねて先程のご無礼をお詫び致します。」
おお、すげえ。あれって不正防止の判定が出来る指輪とかなのか? 最初と全く対応が違う。
「ツキシマ、この方の謝罪を受け入れるって事で良いよな?」
というとワタナベはニカッと笑う。
「ああ、よくわからないけど、勿論だよ。これってカード貰えるんだよな?」
と二人を見るとどちらも頷き、受付嬢が笑顔に一瞬なるが真剣な顔に戻り、
「謝罪をお受けいただきありがとうございます。」
と頭を下げられる。
「はい、もう大丈夫なので、肩の力を抜いて下さい。」
そうワタナベが言うと、受付嬢が再び笑顔になる。
「ありがとう。」
と受付嬢が言うとワタナベからフォローが入る。
「ツキシマ、冒険者ギルドと言っても客商売なわけ。大事なのは信用。なので、締めるところはしっかり締めて、それ以外は友好関係を築こうぜって事な。」
「ええ、そう受け取ってくれると助かるわ。魔物の突然の強化によって冒険者が減少したの。それによって何故かわからないけど、その矛先が冒険者ギルドに向いたのよ。」
あー、簡単に言うと、この受付嬢はワタナベのせいで魔物が強くなってしまい、その割を食ったって事ね。
は? 一番悪いのワタナベじゃね?
とワタナベを見ると罰が悪いのだろう、各地の状況を受付嬢に聞き始めていた。
◇◆◇
結果として大きな被害は出ていなかったようで、俺としてもほっとした。
友達が戦犯で異世界崩壊とかマジで洒落にならんし。
「ツキシマくん、冒険者ギルドへようこそ、あなたを歓迎します。」
と出来立てほやほやのギルドカードを手渡される。
「あ、ありがとうございます! やったぜ! ワタナベ!」
とワタナベの方を見ると、よっとと冒険者ギルドのカウンターの中に入る。
「あ、ここのカウンター借りますね。」
「え、ええ。構わないけど、急にどうしたの?」
と受付嬢が頬をひくつかせる。
ワタナベは俺を見てニヤリと笑い
「ここはウォンテッドモンスター専用の窓口です。生きのいい情報、目撃情報が揃ってるぜ? それと今なら希少種情報もタダで公開中だ!」
あー、ワタナベ、こいつは。戦犯を回避して安心したからって、やりたい放題かよ!
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。