異世界でやりたい放題な友達に便乗する

狂四郎

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二章

褒められ慣れてない男

俺と受付嬢の二人はきっと同じ事を考えているだろう。そう。



こいつワタナベ、マジで何言ってんの? と。



ワタナベは俺の反応待ちなのか、さぁなんでも聞いてこいという予習ばっちりな感じで俺を待っている。

少し考えてから

「あー、受付のお姉さん、冒険者の仕事したいんですけど、やっぱり薬草採取からが鉄板ですか?」

と俺はそれ・・を無視して仕事の話を始める。


◇◆◇



「あー、そうなんですね。お姉さんはカティアさんと仰るのですね。」

「ええ。ツキシマくん、これからよろしくねっ! そうそう、ゴブリンの討伐の時はね、証明部位の提出が必要で···。」

あれ・・を無視して数十分程の情報を教えてもらうと、

「いやー、そうかそうかー! 誰か・・ウォンテッドモンスター賞金首を討伐していけば、近隣の魔物が今より大人しくなったり弱体されるのになー! 誰か・・勇気があって男気溢れる奴はいないのかなー? 更には超レアな装備やアイテムも獲得出来るかもしれないのになー。勿体無いなー。」

とワタナベが騒ぎ始める。

俺は無視してカティアさんと話ししていたが、内容が内容なのでカティアさんはワタナベの言っている事が真実なのか気が気でないようだ。

「ね、ねぇ···。」

「ダメですよ? カティアさん。あれの言う事を聞いちゃ。きっとそんな簡単に進む話じゃないですって。貴女は知らないと思いますが、あいつは酷い男なんですよ。」

そう。俺も皆さんも知っている。この世界は今、あいつのせいでエクストラハードモード・・・・・・・・・・・だ。どうせ俺が話をしてその気になったとしても、おまえのレベルじゃ無理だとか罵倒されるに違いない。ワタナベ本人が俺のレベルは上がらないと言ったにも関わらずだ。


そんな事を考えていたが、やはり現状を打開したいカティアさんはワタナベに相談を持ちかける。

「ね、ねぇ、ワタナベくん? その賞金首ってのはこの辺りにたくさんいるの? かな?」

「あー、そうですねー。そうなんですが、冒険者ギルドの方に話すよりはやっぱり将来有望な冒険者くんに詳しくお話したいんですよねー。このギルドに丁度いれば良いんですけどねー。」

といつの間にかワタナベは新聞のようなペーパー紙をカウンターで読みながら話し始めていた。

近くには俺しかいないものだから、カティアさんは俺をチラチラと見ては言葉を飲み込んでいる。

その姿を見て、俺は深い息を吐き、嫌な予感しかないながらもワタナベに話しかけると決意する。

「ワタナベ。賞金首ってどういう事?」

「え? あなたが将来有望な冒険者さん? 私、さっき数十分無視されて傷付いてるんですよね。あー、心無い対応に傷付いたなー。」

うわー、スネてる男とかマジで面倒くさい。チラッとカティアさんを見ると両手を合わせてお願いのポーズである。

「ワタナベさん、無視してすいませんでした···。」

「えっ? なんですか? よく聞こえないんですけどー?」

と言われ、俺はイラッとしてしまい、振り返ろうとすると、涙目のカティアさんが俺を見つめている。

再度深い息を吐き、腹をくくって大きな声で話し出す。

「ワタナベさん、そういえばさっきのスキルですか? オークを出したのって! いやー、きっとレアで選ばれし者しか使えないんだろうなー。羨ましいなー! やっぱり優秀な人材のワタナベさんには優秀なレアスキルが似合うんですよねー! そう思いませんか? カティアさん!」

折角なので、カティアさんにもご協力願おう。

「え、ええ! ワタナベくんのスキルは本当に凄かったわ! さっと出すとこなんてお姉さん驚いちゃったわ!」

「ですよね! いやー、さすがワタナベだな! 出来る男はやっぱり違うよなー。男から見ても頼れるカッコいい男だもんなー!」

「そうねー! 本当にカッコよかったわ! この町にいる女性が見てたらきっとワタナベくん大変だったわよー! 本当にステキだったものー!」

ワタナベは頬が上がり、満更でも無さそうに照れ始める。うん、褒められ慣れてない男は、いやワタナベはチョロい。

「ワタナベの、出来る男が持つレア情報聞きたいなー、きっと俺らなんかには勿体無いんだろうけど、ワタナベの話す仕草とか男としても勉強になる部分だから、是非とも聞かせて欲しいなー!」

「え、ええ! そうね! 私も良い男を見極める為に参考にしたいから聞かせて欲しいわっ!」


すると単純にもデレたワタナベは

「しょ、しょうがねぇなぁー! 聞かせてやるから、ツキシマは俺を見習って勉強しろよなー! わははは!」

と言わせた事で俺は、いや俺達は勝利を得るのだった。


さて、どんなとんでも話が出るか。多少なりとも有益な情報である事を祈ろう。
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