【2章開始!】元最強執事の迷宮攻略記〈ダンジョン・ノート〉〜転職したら悠々自適な冒険者ライフを……送れなかった!?〜

美原風香

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1章 迷宮攻略はじめます

番外編 フィルナとミホとリリアナ

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 昨日は更新できなくてすみません! お待たせしました!



ーーーーーーーーーーーー



 ある晴れた日のこと。
 朝、俺は部屋で紅茶を飲みながらハクとともにまったりしていた。

「今日は迷宮攻略は休み。久々にゆっくり過ごせる」

 そんなことを思っているとノックされる。

 コンコン。

「フェール様、おはようございます。お客様がいらっしゃっています」
「客?」

 ミホの声が聞こえてきた。俺を訪ねてくる客なんて心当たりがないが……
 首を傾げながら扉を開けると、ブラウンのボブヘアーの女性と、金髪ロングの女性が扉の前に立っていた。

 ボブヘアーの女性はミホ。金髪ロングは……

「おはようございます! 子犬ちゃんに会いに来ました!」
「あぁ、フィルナか」

 確かにハクに会いにくるとは言っていたがまさか本当に来るとは……

「どうしても触りたくて……」
「ほんと子犬好きだな。上がってくれ」
「はい! 失礼します!」

 ワクワクした雰囲気を隠せない様子に苦笑しながらフィルナを部屋に入れる。

「では、失礼します」
「あっ」
「どうかしましたか?」

 そのまま部屋から下がろうとしたミホを引き止める。

「ミホも触っていくか?」
「っ! いいのですか!?」

 俺の誘いに驚いた様子を見せるミホ。

「あぁ、確か子犬好きだったよな?」

 ハクを連れて来た日のことを思い出したのだ。
 俺の言葉にミホが首を縦にブンブン振る。

「ぜひ、触らせてください!」
「お、おう、上がってくれ」

 ミホも部屋にあげる。
 一気に部屋の中が賑やかになったな。

「子犬ちゃんだぁ!」
「わふっ?」

 まず真っ先にフィルナがハクに飛びついた。フィルナのはしゃぎようにハクがびっくりしている。
 それでも小声っていうのを忘れないあたり、本当にハクは賢い。

「名前はなんていうのですか?」
「ハクっていう」
「可愛いですねっ! ハクちゃんほんともふもふ……」

 フィルナがハクを抱いて頬ずりしている。ハクはされるがまま。と。

「フィルナばっかりずるいですぅ! 私も!」
「わふっっっ????」

 ミホが勢いよくハクに抱きつく。ハクが二人の女性に挟まれて戸惑ったように首を振っている。
 そんな様子も可愛い……

「ミホ! あなたのせいでハクちゃんが驚いているじゃないですか!」
「違いますぅ! フィルナが頬ずりするから驚いているんですぅ!」

 え、待って、ここで喧嘩しないで? てか二人は友達なの?

 俺が戸惑っていると、ハクが二人の太ももに片足ずつ足を乗せて一鳴き。

「わんっ!」
「「っ!」」

 二人が固まる。そして……

「ハクちゃんいい子! そうね、喧嘩なんてしちゃダメよね!」
「ほんといい子すぎますぅ……! ハクちゃんがいれば世界が平和になりますよ!」

「大げさだろ」

 俺の言葉に二人がキッと振り向く。

「「大げさじゃないです!」」
「お、おう……」

 なぜか睨まれた。なんでだ……

 俺が遠い目をしているのに見向きもせず、二人はハクを愛でるのをやめない。たくさん撫でられてハクも気持ちよさそうに目を細めている。

「あぁ……ハクちゃんの毛並み最高です……気持ちいい……」
「ハクちゃんの肉球もやばいですぅ……プニプニしてる……」

 ミホ、さっきから思ったんだがキャラ変わってないか?
 そんなことを言ったらまた怒られそうだから言わないが。

「はぁ……残念ですがそろそろお仕事に戻らなきゃです……」

 ミホが残念そうに立ち上がる。

「ミホ、あなたの分までハクと遊んでおいてあげるわ」
「くっ……フィルナは暇でいいですね」
「暇ってなによ暇って。ちゃんと有給とっただけだもの」

 いや、このためだけにわざわざ有給取るのも大概だと思うが……

「わんっ」

 ハクがミホの手をペロペロと舐める。

「うぅっ、ハクちゃん……また来るからね……」
「わふっ」

「フェール様、ありがとうございました。私はこれで」
「あ、あぁ」

 ハクを撫でると、ミホは名残惜しそうに部屋から出ていった。
 最後に仕事モードに戻ったミホを見て違和感しか感じなかったのは内緒だ。

 そんなことを思っているとフィルナがこちらを見る。

「フェール様! この子を散歩しても……」

 バタン。

 急に部屋の扉が開く。そして入ってきたのは……

「フェール! お昼一緒に食べに……あら、フィルナもいたのね」
「リリアナ様、こんにちは」

 リリアナだった。確かに部屋の場所は教えたが……

「リリアナ、せめてノックくらいしてくれ。勝手に入ってこられるのは迷惑だ」
「いいじゃない。それともフィルナと見られちゃいけないようなことでもやっていたのかしら?」

 俺の言葉になぜか不機嫌な様子を見せるリリアナ。いや、なんでそうなる?

「そんなわけないだろ」
「じゃーいいでしょ、別に。それよりご飯行きましょう」
「今フィルナがいるから後な」

 俺の言葉にリリアナがジト目を向けてくる。

「フェールのばか」
「ん? 今なんて言った?」
「なんでもないわよっ。今日は諦めるわ! また今度ね!」

 リリアナが勢いよく部屋から出て行く。意味不明な行動に唖然とするしかない。

「なんだったんだ、今の……」
「リリアナ様も乙女ですね」
「どういうことだ?」
「なんでもないです。フェール様はもうちょっと女性の気持ちわかるようになった方がいいですよ?」
「必要ないだろ」

 俺の言葉にフィルナがため息をつく。

「リリアナ様、苦労しそうですね……」
「わんっ」

 フィルナのつぶやきに首をかしげるしかない俺だった。
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