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27結婚式
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カルド国のリチャード王がゾイド国を倒したことの名声は、ライズ王国の周辺国のみならず、大陸全体に知れ渡たっていた。カルド国の名声があがると、ライズ王国がゾイド国と手を結ぼうとしたことも広まり、それがレンズ王国の従属国であった国々から謀反を起こされることになってしまい、レンズ王国の王もその責任を取って辞めさせられ、第二王子が新たな王に就任していた。
カルド国には、あちらこちらの国から表敬訪問の使者がやってくるようになり、リチャード王と一緒に私も王妃として、応対をしなければならなくなっていた。
だが、戦争終結に伴い、王と私には片づけならないことがあったのだ。
それは、竜山の頂に登った時に、リア王と約束したことを実行することだった。ゾイド国にあるダンジョンの洞窟を見つけ出して、そこに大岩を運びふさいだ。これで魔人が、この世界にやってくることができなくなった。さらに、ゾイド国に残っている魔人たちを一人残さず見つけて倒していった。
その際に、リデとマリーナが乗った馬車が谷に落ちているのを見つけた。馬車を走らすのに失敗をして、谷底に馬車を落としてしまったのだろう。リデとマリーナはその事故で死んでしまっていた。
次に、いろいろと活躍をしてくれた兵士たちに十分な賞与を出し、戦で傷ついた兵士たちには薬草から作った薬で治療してあげた。やがて、薬の効用のおかげで、兵士たちも日常業務に戻ることができるようになっていた。
さらに、私は街中に祖母が行っていたのと同じ治療所を作ることに力を注いだ。そのために、薬草庭園を治療所の傍にも作りらせ、公開で薬草の栽培方法や薬作りを教えていった。
私はいまでも、王の体に薬を塗っていた。もう、王の体の上には吹き出物はなくなっていた。だから、王の間に鏡はおいていない。だが、王は薬を塗るたびに私に体の至る所を調べさせるのだ。
「ナターシャ、腰の辺りが、まだかゆい感じがするが、何かでているのではないか?」
「いえ、王様、そこもきれいになっております」
王の体は筋肉で覆われ、すらりとしてギリシャ彫刻を思い出せた。頭の髪は赤く前髪はカールをしている。私も見たことがないが、それはアポロンを思わせた。いや、私には王は太陽の神アポロンだった。
「どこにも、体に出来物もしみもございません」
「それは、困ったな」
「どうしてですか?」
「私の体から吹き出物がなくなったら、結婚式をあげる約束をしていただろう」
「もう、私は王妃として認められておりますので、それだけで満足でございますよ」と言って、私は微笑んでしまった。
「それでは、困るな。わしを嘘つきにしてしまうことになる」
城の手直しを行った時に、私の部屋を王の間の隣に作ってくれ、「ナターシャ、婚礼は盛大に行うぞ」と言うと、リチャード王はもうナターシャに話を聞くこともなく結婚式の準備を勝手に進めていった。
その後はすべてが夢のようだった。
一流の仕立て屋が呼ばれ、私のウエディングドレス、着替え用服、それに夜会服を作ってくれた。
次にリチャード王は、結婚式の招待状を各国の王に送っていた。結婚式を知った近隣諸国の貴族たちは進んで出席を申し出てくれた。その中には、ライズ王国もあった。その代表として、公爵となった私の父と母が参列をしてくれたのだ。父母をこの国まで送ってくれたのは、警護隊長ゾラと警護隊の人たちだった。
結婚式が開かれている間、大陸のいたるところから、珍しい食材が集められ、それがいろんな料理となってテーブルの上に並べられていった。
大広間では舞踊会が七日間一晩中に開催されていた。多くの人たちが喜び踊ってくれた。
最終日、新しい宮殿のベランダから、そこに集まった人たちの前に王と私は立つことになった。
集まった人たちに向かって王と私は手をふった。私たち二人を祝う言葉が飛び交い、私は涙がとまらなくなっていた。そんな私のそばに王であるリチャードが笑いながらやってきた。そして、私を抱き上げると顔を近づけ、私の唇に自分の唇を押し付けてくれたのだ。それは、愛の接吻だった。
そんな私たちに向かって、ベランダ下にいる人たちは激しい拍手を送り続けてくれていた。
カルド国には、あちらこちらの国から表敬訪問の使者がやってくるようになり、リチャード王と一緒に私も王妃として、応対をしなければならなくなっていた。
だが、戦争終結に伴い、王と私には片づけならないことがあったのだ。
それは、竜山の頂に登った時に、リア王と約束したことを実行することだった。ゾイド国にあるダンジョンの洞窟を見つけ出して、そこに大岩を運びふさいだ。これで魔人が、この世界にやってくることができなくなった。さらに、ゾイド国に残っている魔人たちを一人残さず見つけて倒していった。
その際に、リデとマリーナが乗った馬車が谷に落ちているのを見つけた。馬車を走らすのに失敗をして、谷底に馬車を落としてしまったのだろう。リデとマリーナはその事故で死んでしまっていた。
次に、いろいろと活躍をしてくれた兵士たちに十分な賞与を出し、戦で傷ついた兵士たちには薬草から作った薬で治療してあげた。やがて、薬の効用のおかげで、兵士たちも日常業務に戻ることができるようになっていた。
さらに、私は街中に祖母が行っていたのと同じ治療所を作ることに力を注いだ。そのために、薬草庭園を治療所の傍にも作りらせ、公開で薬草の栽培方法や薬作りを教えていった。
私はいまでも、王の体に薬を塗っていた。もう、王の体の上には吹き出物はなくなっていた。だから、王の間に鏡はおいていない。だが、王は薬を塗るたびに私に体の至る所を調べさせるのだ。
「ナターシャ、腰の辺りが、まだかゆい感じがするが、何かでているのではないか?」
「いえ、王様、そこもきれいになっております」
王の体は筋肉で覆われ、すらりとしてギリシャ彫刻を思い出せた。頭の髪は赤く前髪はカールをしている。私も見たことがないが、それはアポロンを思わせた。いや、私には王は太陽の神アポロンだった。
「どこにも、体に出来物もしみもございません」
「それは、困ったな」
「どうしてですか?」
「私の体から吹き出物がなくなったら、結婚式をあげる約束をしていただろう」
「もう、私は王妃として認められておりますので、それだけで満足でございますよ」と言って、私は微笑んでしまった。
「それでは、困るな。わしを嘘つきにしてしまうことになる」
城の手直しを行った時に、私の部屋を王の間の隣に作ってくれ、「ナターシャ、婚礼は盛大に行うぞ」と言うと、リチャード王はもうナターシャに話を聞くこともなく結婚式の準備を勝手に進めていった。
その後はすべてが夢のようだった。
一流の仕立て屋が呼ばれ、私のウエディングドレス、着替え用服、それに夜会服を作ってくれた。
次にリチャード王は、結婚式の招待状を各国の王に送っていた。結婚式を知った近隣諸国の貴族たちは進んで出席を申し出てくれた。その中には、ライズ王国もあった。その代表として、公爵となった私の父と母が参列をしてくれたのだ。父母をこの国まで送ってくれたのは、警護隊長ゾラと警護隊の人たちだった。
結婚式が開かれている間、大陸のいたるところから、珍しい食材が集められ、それがいろんな料理となってテーブルの上に並べられていった。
大広間では舞踊会が七日間一晩中に開催されていた。多くの人たちが喜び踊ってくれた。
最終日、新しい宮殿のベランダから、そこに集まった人たちの前に王と私は立つことになった。
集まった人たちに向かって王と私は手をふった。私たち二人を祝う言葉が飛び交い、私は涙がとまらなくなっていた。そんな私のそばに王であるリチャードが笑いながらやってきた。そして、私を抱き上げると顔を近づけ、私の唇に自分の唇を押し付けてくれたのだ。それは、愛の接吻だった。
そんな私たちに向かって、ベランダ下にいる人たちは激しい拍手を送り続けてくれていた。
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